ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

「100匹目のサル」 船井幸雄

2008-03-10 12:40:46 | 
最初の印象が悪いと、その後の評価がやりづらい。

なんといっても、あの船井総研のカリスマ的創業者だ。日本全国に4000を超える顧客を持ち、10万を超えるファンを抱えていると称される。外資系のコンサルティング・ファームが幅を利かすなか、純国産のコンサルティング会社として、最もよく知られた会社の一つだと思う。

私の知る範囲でも、パチンコ屋やスーパーのチラシ作成、ラーメン屋の店舗レイアウト、定食屋の献立作成とその仕事の範囲は広いというより、庶民的ですらある。まさに中小企業が多い日本の実情に即した会社だといえよう。

船井氏の著作も多い。一体、何冊本を出しているのか知らないが、本屋の経営関係の書棚には、必ずと言っていいほど、船井氏の本は置いてある。

ただ、私の印象は悪い。最初に読んだ本の印象が、凄く悪いからだ。その本が表題の本である。読み出して、こ一時間もしないうちに、私は不快に思っていた。

この100匹目の猿の話は、動物好きの間ではけっこう有名な話だ。私もこの本を読む数年前には、既に知っていたぐらいだ。ところが、船井氏の書き方は、まるで自分が見て、自分が気がついたかのような書きぶりなのだ。

巧妙に書いているので、知らない人は、船井氏の慧眼に感心すると思う。でも、既にこの話を知っている人は、故意に出典をぼかして書く、このやり方に不快を感じると思う。要するにパクリなのだ。

船井氏は、この話の第一発見者と自分を位置づけているわけではない。あくまで話のネタとして、引っ張ってきたにすぎない。それは分る。分るけど、少しあざとくないか?

この本のせいで、私は船井氏個人及び船井総研自体に、妙な偏見を持たざるえなくなった。私が今、働く税理士業界でも、どうもトラブルがあったらしいことは、聞き及んでいる。詳しくないので書く気はないが、私の悪印象は、今も変える必然性が感じられない。

本、一冊で全てを決めるのはどうかと思うので、これからも注意しておこうと考えている。
コメント (2)
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