曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

サブ子の旅(24)

2021-11-06 15:19:00 | デジタル関係

毎回書いてるが、今回のナギ節は長い。メイン子は戦士、サブ子は暗黒騎士をカンストさせ、さすがにやることなくなったかも、なんて思っていた。が、そうでもなかった。結構でかいところでやり残していたことがあった。

◆園芸師のジョブクエスト

その1つが、まず園芸師のジョブクエストだった。メイン子は終わってるのだが、サブ子は採掘師だけで、園芸師はまだ途中だった。ギャザラーのスキルは、漁師の「刺突漁」以外、レベルが上がれば勝手に習得するので、無理にやらない人も多いと思う。僕は採掘師は二人分やったが、特にそれで得したことはない。と思っていた。

が、よくよく見るとサブ子の園芸師のスキルや特性が少し足りない。ひょっとしてクエストで習得だったか!?ということで、30手前で止めていた園芸師のジョブクエストを再開した。

園芸師ギルドのマスターは、フフチャさんというララフェルの女性。しゃべりかたや態度から、結構年配のように思える。ララフェルは年齢で外見が変わらない種族なので若く見えるが、ヘタするとおばあさんかも。



フフチャさんと雪山を歩きながら語り合う。


最初は双蛇党(グリダニア軍)関係の依頼で木や草を指定数採って来いというクエストだったが、だんだんストーリーっぽくなってくる。こういう気候と土壌だとこういう交雑をしないとならないので、こういうHQを採って来いと言われ、時間限定の特殊な採取をさせられた。レベル的には問題なく、スキルを使うとHQ率100%になるので採り始めれば楽なのだが、その時間帯にそこにいるのが面倒くさい。

そうやって、寒冷なイシュガルド方面でも育つジャガイモの生産に成功し、「ウチなんか」が口癖の悲観的な農業お姉ちゃんを一人前にしてやった。


左から農業姉ちゃん、サブ子、バニラ・バートラー(『装甲騎兵ボトムズ』より)、フフチャさん


◆宿敵・オメガとの再々戦

クガネの街を歩いていると、時々見慣れない装備の人を見る。場違いなほど近未来SFチックだったり、身体にフィットしていて、ちょっとエッチだったりするやつ。そういうのはだいたい「次元の狭間・オメガ」でゲットしたやつである。ということはネットで調べて知っていた。

だが、オメガは極とか絶とか零式みたいなイメージが僕の中にあった。そのオメガ関係の装備がハイエンドでヴェテランな人たちしか入手できない雰囲気を漂わせているので。あと、FFシリーズでオメガといえば最終的なエクストラボスだったりするし。FF5では全員レベル99の「すっぴん」という究極の編成でようやく勝った記憶がある。

FF11ではもっとすごかった。オメガ戦は「FF11用語辞典」に”数あるバトルの中でも最高難易度を誇る”と書かれていた(75キャップ時代)ほどの難関だった。その時僕が参加していたパーティーはオメガ(とアルテマ)に10連敗し、サーバーでも有名な凄腕を雇ってようやくクリアした(FF11はプレイヤー間のアイテムやギルのやり取りが普通にできたので、傭兵を頼むことはよくあった)。

そんなわけで、「次元の狭間・オメガ」は、ハナから無理だと思っていた。零式とかやらない一般人なので。

しかし、先日の「朱雀征魂戦」以降、クリアしてないバトルを今のうちにクリアしておきたい欲が高まっており、試しにコンテンツファインダーで申請してみた。そうしたら、待機時間5分と出た。え、そんなに早いの?ていうか今どきオメガやる人いるの?

予習してないのでいったん申請を切り、急いで予習。オメガの「デルタ編1層」に再申請した。メイン子が。

サブ子の旅なのにメイン子の話をしてますが、順序がありますので。

で、メイン子(ちなみに機工士)が入ったPTは、割と簡単にデルタ編1層をクリアしてしまった。零式級でもなんでもないやん。

おそらく、実装当時よりアイテムレベルが上がっているので、当時より簡単にクリアできてしまうのだ。ジョブのレベルはもちろん70にシンクされるのだが、アイテムレベルは現在の高まったやつをそのまま70相当に落としたもので、当時のより圧倒的に高いはず。

要するに、漆黒で言うところの「希望の園・エデン」に相当するコンテンツなのだな。そりゃ一般人でも普通に勝てるわ。今どきそんなにやりたい人がいるのが意外だったけど。コロナ禍で始めた新規プレイヤーたちが、ちょうどこのくらいの進行度なのかもしれん。デルタ編はもらえる装備が全然魅力的じゃないので、ベテラン勢が周回するとも思えん。

メイン子ができたんならサブ子もやるわよ。というわけで、同じような進行度合いで二人のキャラクターを毎日デルタ編に参加させた。


「次元の狭間オメガ」はシドネロコンビとの共同作戦。ネロ・トル・スカエウァ(右)は元帝国軍魔導将校でガーロンド・アイアンワークスの自称超大型新人でレベル70最良装備スカエウァシリーズの開発者である。


「次元の狭間・オメガ」は、ギラヴァニアに元から空いてる大穴の中が異次元空間になってて、そこにいるオメガが自己強化のために古今東西の強キャラをヒカセンにぶつけてくるという話(ざっくり)。オメガが最初に作った「アルファ」が弱すぎてヒカセンをおびき寄せる罠に使われ、そのままヒカセン一行と行動を共にする。アルファは、「チョコボの不思議なダンジョン」のデフォルメされたチョコボのような黄色い鳥で、愛嬌があって可愛い。だが、僕はこのアルファが黒幕じゃないかと睨んでいた。デルタ編、シグマ編ときて、最後は「アルファ編」なので。


シグマ編4層の敵は、懐かしのケフカだった。

個々の戦いについて書きたいところだが、毎日サブ子メイン子それぞれ2戦くらいしてて、どれがどれだかわからなくなっているので一部だけ。オメガ本人と戦うのはアルファ編3層で、そんなに難しくなかった。FF11のオメガの100倍簡単。最後のアルファ編4層では、例の近未来SFチックな服装の美男美女と戦った。意味わかんないと思うけど、本当にそういう戦いでした。各編の4層はさすがにちょっと難しくて、特にアルファ4層はサブ子・メイン子ともに1、2回死んだ。


シドの秘密兵器を使ってオメガを撃破!

最後のアルファ編は宇宙の彼方まで走って行った(意味わかんないと思うけどry)アルファの勇敢な行動などでオメガをやっつけた。アルファは黒幕なんかじゃなかった。オメガに勝手に生み出され、最初は何も知らない生物だったけど、ヒカセンやシドやネロと行動するうちに勇気や友情を覚えて、クリア後は世界を見る旅に出る。がんばれよー、と見送り、寂しくなるなあと思ってたらすぐ、アルファのミニオンをもらった。実物より少し小さいし、「彩色見本」と説明に書かれているけど、あのストーリーの後だと、一緒に世界を旅しているみたいで、連れ歩いてるといい気分である。

アルファと一緒に宇宙の果てまで来てしまった。もうエオルゼアには戻れないのかと一瞬思った。


アルファ編4層の敵はシュッとした美男子だった。このあと美女も登場する。


旅立つアルファを見送る。達者でな〜。


◆アレキサンダー計劃

今どきやる人いるのか?と思っていたオメガができたんだから、「機工城アレキサンダー」もできるんじゃないか?

メインが男だった時代、まだレベル70そこそこの竜騎士で挑んだことがあるのだが、コテンパンにやられて泣いて帰ったことがあった。レベル60が8人でやる奴なら、ソロでも70あれば余裕っしょと思ってたのがへし折られた。それ以降「アレキサンダーは高難易度コンテンツ」という勝手なイメージが僕の中で生成され、今まで手つかずでいた。

これに関しては、さすがに60用なので、まずは例のごとくガンブレイカー80ソロでやってみた。ほとんどソロで勝てたのだが、一部結構難しかったのと、人数がいないと無理というのがあり、そういうのはCFで申請して機工士でクリアした。これも、サブ子、メイン子が抜きつ抜かれつ、並行して進めた。

ソロで行けるところはソロでやる。CFやパーティー募集は甘え。


律動編クリア!


厳しかったのは、まず律動編1。1なのにいきなり難しい。序盤から強制的にスタンさせられ、HPを90%削る攻撃をしてくる。こっちがレベル80だろうと関係なしにHPがほぼ死ぬ寸前まで追い込まれる。ゼロにはならんのだなと気づき、めいっぱい防御バフかけたり、先にオーロラをかけたりして2発まではしのげたのだが、3発目はバフのリキャストが戻っておらず敗北。絶対に不可能ではないし、ソロで勝ったというブログも見たが、頑張る時間がもったいないのでCFで8人集めて勝利した。ソロで何度もやったので知り尽くしたつもりでいたのだが、不要なタイミングで鳥になって戻し方が分からず、あたふたしてるうちに死んだりして、足を引っ張ってしまった。ソロタンクとして熟知してても、普通に8人でやる方法を知ってることにはならないのだ。

次は天動編1かな。これもなんで1からムズいのかな。雑魚敵の死体の近くにエネルギーボックス?を運ぶときに敵に殴られて中断されるので無理だと思った。ソロじゃなければなんてことない作業なんだけど。これは頑張っても無理そう、または長時間かかりそうだったので、8人でさっさとクリアした。

そして最後の天動編4。まず予習なしでソロで入り、なんだ結構削れるぞと思っていたら何かの光で視界が真っ白になって、開始地点に戻ってた。大人数で制限時間内に何かやらないと敗北が確定する系のやつか。調べて対策を考えて頑張って何度もトライする時間がもったいないので、CF申請してクリア。


敵の防御バフ解除が一人では難しい天動編1。無理と思ったら素直にCF申請。


ストーリーは、ざっくりいうと時間移動できる機工城アレキサンダーを使ってやりたい放題のゴブリンを退治し、ミーデという謎のアウラ女子が時間遡行して恋人と再会というもの。アレキサンダーは、低地ドラヴァニアの真ん中に、ずーっと存在していた透明ドームの中にある。FATEなどで移動する際に邪魔で、全部クリアしてストーリーが完結すればなくなるかも、と期待してたのだが、なくなりはしなかった。

謎のコーデックスハンターと思いきや、時をかける少女だったミーデさん。


アレキサンダー事件が片付いてガーロンドアイアンワークスの社員と感慨に耽る。


◆戦士

メイン子・サブ子ともに、ソロでアレキサンダーをやるときは基本的にガンブレイカーだったのだが、メイン子の天動編2だけ、気まぐれに戦士でやってみた。すると、思ったより楽にクリアできた。回復力が有り余っているので、多少被弾しても平気。必死に避ける必要がない。足を止めて殴り合い、殴られたらその分回復すればよい。

二人ともアレキサンダー全部クリアした後、メイン子で律動編4を3回やって胴装備用のシャフトを4つ揃え、全身律動編のミラプリ装備にした。その時も戦士でやってみたら、やはり回避に神経をすり減らすことが少なくて楽だった。削りはガンブレより遅いので、クリアまでの時間はかかるんだけど。

これは戦士だなあと思ってたところに、暁月のジョブ調整の情報が入った。戦士の回復力が、さらにパワーアップされる。ネットでは「ヒーラーかよw」という声もあるほどだ。これは予備のソロ用タンクジョブは暗黒じゃなくて戦士だわ。

というわけで、サブ子は急いで戦士を上げることになった。実はちょっと前に、歯が立たなかったと以前書いた「セフィロト」にメイン子が勝っているのだが、HPがかなり厳しく、セフィロトはソロなら戦士向きじゃないかと。


戦士のジョブクエはデカいおっさんがたくさん登場する。全員入れるとカメラをかなり引かないとならない。

戦士のジョブクエストは、ちょっと面白い。主人公は、キュリアス・ゴージという一人称が「オラ」で二人称が「オメ」の純朴で粗野なルガディン男。強いのだが、戦いで我を忘れると「原初の魂」に飲み込まれ、リミッターが外れて味方にも襲い掛かるという。その原初の魂を制御できるようになるまでの物語に、サブ子が付き合う。

レベル60から、アウラ・ゾラの女戦士ドルゴノが登場。ドルゴノも原初の魂に飲まれるタイプだが、ゴージより遥かに強い。そのドルゴノにゴージが恋をしてしまい、ますます歯が立たなくなる。というかドルゴノにぶっ飛ばされて喜んだりしている。レベル70クエストの最終決戦の直前にゴージがドルゴノに告白し、さすがのドルゴノも真っ赤になって慌てるが、最後は愛の力で敵を粉砕して終了。

原初の魂に飲まれたドルゴノ。ゴージ視点ではキラキラしている。

恋に落ちた瞬間のゴージ。

このゴージのキャラクターが立っているため、FFXIVでは脳筋な人や戦士の事をゴージと呼んだりする。

ストーリーはそんな感じ。経験値のほうはなかなか大変だった。何しろメイン子で上げ切ったばかりの戦士をまた1から上げるのだ。サブ子的にも暗黒上げから休みなく戦士上げである。僕の場合、レベル上げの手法は決まっているので、新鮮さがないというか、ちょっと苦行めいてきてもいる。

まず普通にフィールドモブを狩り、討伐手帳をやって20にする。そこから冒険者小隊で50まで上げる。そこからは蛮族デイリーとモブハントで71まで。

だが、今回は毎日メインクエストルーレット(メインルレ)も回すことにした。暗黒上げのとき解禁した手法。タンクでも思い切って回すことにしたルーレットだ。なぜなら「モグモグコレクション・炎獄」が始まり、その報酬のトークンがメインルレで7個 or 10個だからだ。モグコレはいつもメインルレが一番報酬が多い。


魔導城でアルテマのタゲを取るサブ子。


暗黒のときは3回ほど回したが、今回は多い。モグコレで欲しいイフリートジャンパーが100個だから、最低10回は回さなければならない。回数が多いのでいろんなタイプのタンクと組むことになった。ナイトなのにタゲ取りたがる人。若葉でもない暗黒なのに最後までスタンスを入れなかった人。めちゃくちゃ進行が速くてうまい暗黒。

でも一番やりにくかったのは戦士だった。どっちがMTなのかジョブだけで決められない。腕で勝負だ!なのかどうかしらんが、HPもほぼ同じ戦士と当たったとき、向こうがムキになってタゲ取るので途中から挑発を入れるのをやめた。その代わり、貯めたインナービーストとバーサクのスタックを一気に吐き出して与ダメでタゲを取るということを各ボス戦でやった。魔導城はバトル間の時間が長く、バフのリキャストが戻るから、毎回バーストできるんだよね。

そんな感じでメインルレを12回ほど回してジャンパーを手に入れ、かつてない速度でレベルが71に到達した。ここからはボズヤに行けるので、そっちが主戦場となる。

しかし、前回の暗黒のとき、ボズヤは稼ぎが不安定だった。安全確実に勝てるスカーミッシュが限られていて、それが発生するまでの待ちが長かった。

そこで今回は、上位の「ザトゥノル高原」に行くことにした。久々だし敵強いのでどうかなあと思ったが、行ってみたら当たりだった。

ザトゥノルの北部だけのスカーミッシュをひたすらやる。上位エリアの上位ゾーンなので強い人が多く、人が足りなくてもだいたいなんとかなる。一緒にやるのは一番慣れてる人たちであり、次の発生スカーミッシュが分かるらしく、ついていくだけで効率よくこなしていける。以前ザトゥノルを攻略してた時は、危なくて参加したくなかった赤チョコボや岩のやつも普通に倒せる。調子がいい時は1時間で0.7レベルくらい稼いだ。なんだ少ないじゃんと思うかもしれないが、70代だとそれでも経験値2000万とかだからね。


北西の丘の象のスカミ。サブ子がメラメラしてるのは戦士の「インナービースト」で、少しでもあると表示される。暗黒騎士の暗黒や竜騎士の蒼血と違って時間経過で減らないので、常時メラメラしている。戦士最大の欠点。


タンクでボズヤる場合は与ダメアップの秘薬を飲むことにしているのだが、使い切ったのでやむを得ず移動速度アップの秘薬を飲んだら結構良かった。人が多いと、早くスカミに突っ込んで活躍しないと経験値がもらえない。北西の丘の象のやつなんかは1分で終わったりするので、着いたらもう終盤で経験値12万とかだったりする。盗賊の秘薬を飲むとマウントの速度も上がるので、スカミ開始に間に合う率も上がるというわけだった。戦闘中の移動も速くなるので、範囲攻撃を避けやすくもなる。赤チョコボのやつなんかは避けそこなうと即死するし、実際この戦士上げでも何度か死んだが、盗賊のを使い始めてからは安定して回避できるようになった。

そんなこんなで戦士がカンスト。暁月の一週間以上前までにはカンストさせて、未クリア討滅戦とIDを片付けていこう作戦が遂行できそうだ。と思った直後に、まさかの暁月発売延期の報が。うーむ。

ゴージは手紙の返事がこないので心配になって飛び出していったが、相手は手紙のない文化の人だった。

サブ子が原初の魂に飲まれるとこうなる。制御可能だが。

イフリートジャンパーをゲット。なにげにマイチョコボの色がターコイズグリーンになってたりする。

アルファにリムサのエーテライト広場を見せてあげてるところ。

アルファにウルダハの街頭踊り子を見せてあげてるところ。

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西澤保彦「七回死んだ男」の感想

2021-11-05 18:52:03 | 
西澤保彦の「七回死んだ男」を読んだのでその感想。ネタバレはしませんので、最後まで読んでも大丈夫です。多分。



本格推理小説の作家、西澤保彦の名前は知っていたが、手に取ったのは初めて。なぜか竹本健治とごっちゃになっていて、「匣の中の失楽」の作者でしょ、と思っていた。なら難しいのを書く人ではないかと。でも全然違った。本書はものすごく読みやすい。あっという間に読了してしまった。

主人公の大庭久太郎(おおばひさたろう)は、その字面からキュータロー、あるいはキューちゃんと呼ばれている。もちろんオバQを意識してのことだ。この時点でユーモア小説である。話はキュータローの一人称視点で語られるのだが、彼の思考、脳内のボヤキが面白い。

キュータローは突発的に同じ日を9回繰り返すという特異体質を持っている。9回目が決定版となり、ループを抜けて翌日に進む。この体質を利用して、祖父殺害事件を回避しようと奮闘する話である。要するにループものである。

毎回ちょっとずつ自分の行動を変えて、祖父を殺そうとする人物を足止めする。それでもなぜか毎回違う人物が祖父を殺してしまう。初回は事件がなかったのにどうして。オリジナル周の「日程」に収束しようとするはずなのに。キュータローは困惑するが、あまり深刻にはならない。8周目までは毎回リセットされて無かったことになるから。9周目の決定版までに祖父の死を回避する行動を見つければいいのだ。というか、初回は死んでないのだから、初回の通りに動けばいいだけだ。という安心感がキュータローの中に常にあるため、この小説は論理的な本格推理で、かつ、大抵は悲劇も伴うタイムリープものなのに、緊張感とか悲壮感がない。

伏線やヒントが非常にフェアで、あれ?これ変じゃない?と感じた点は、たいてい謎解きの重要なポイントになる。解答にたどり着けなくても、きちんと読めば解決編で「こことここは俺の推理通りだ」などと部分的に嬉しくなれる。読み甲斐のある作品である。

意外な結末にはもちろん驚けたのだが、友理さんがいい。ちょっとキュンとしました。

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