曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

Ingress ガーディアン金メダルへの長い道(後篇)

2015-02-07 20:30:28 | 日記
(前エントリの続き)

■正月でパワーバランスが崩れた

僕がこだわっている青の大型ファームには、全部で100個くらいのポータルがある。その中でも二つの駅前の通りが特に密集していて、全部レベル8のポータルがそれぞれ20個くらいあった。その2つの駅前通りだけは、僕がIngressを始めてから、おそらく一度も緑になっていない。

あの中にGuardian候補ポータルを持てたらなあ。ここまでの文章で僕がファーム内に所有できたポータルは、もっと密度が薄いエリアのである。

そのA駅とB駅の駅前通りは、おそらく取ってはいけない陣地なのである。青にとってはもちろん、緑にとっても、あれだけL8ポータルが密集してたら、アイテムの補給に便利すぎる。あと、ポータルのオーナー、レゾネータのオーナーがアクティヴな有名人ばかり。取られても速攻で取り返されるんだから、取らないでおこうという意識が働いているんじゃなかろうか。あるいは、両軍の重鎮同士の話し合いで、A駅とB駅のファームは現状で維持、という密約が交わされているのかも。

ところが、その非戦闘区域に異変が起こった。冬休みに入って間もなく、A駅周辺が緑になった。チャンスだ! 僕は寒風に吹かれながら自転車を飛ばして10個ばかりキャプチャーした。引き上げようとしたら、攻撃通知が入り、さっきとったポータルの一部が、また取り返されていた。寒い中戻る気力はなく、そのまま帰宅した。もうA駅は不可侵地域ではなくなったのかもしれない。

翌日にはA駅で取ったすべてのポータルが取り返され、さらに一部は味方が取り返していた。が、青の重鎮たちが帰省で不在らしく、取り返すのも遅いし、取り返してもまた取られたりしていた。A駅付近の実家に滞在している緑エージェントが、ぶらぶら散歩しながら爆撃しているようだった。

正月に嫁実家に帰省し、戻ってきたら、今度はB駅の駅前通りが焼け野原になっていた。あれだけ頑強だった永久陣地が、緑の一輪挿し(レゾネータを1本だけデプロイしてキャプチャーすること)と、白ポータル(陥落しただけ。中立)に変わっていた。

正月休みでこのファームの掟または密約を知らない緑エージェントがやってきて、何も知らない強みで全部焼き払ったらしい。たまたま(これは本当にたまたま)近くのスーパーにいた僕は、先人たちが守り続けてきたファームの修復を行うことに緊張しながら、駅前通りはすべてキャプチャーした。数は多いが密集してるのが気になり、ちょっと脇道に入って、さらに数個キャプチャーした。休みに入って通勤中の物資補充ができなくなっていたためシールドが不足し、一部はシールド1枚で済ませたりした。最後は寒さで気が遠くなって撤収。

■最後に残った砦

正月休みが終わり、世の中が平常運転に戻ると、B駅周辺は、また全て青のL8ポータルになり、緊密なリンクが張られた。僕がキャプチャーしたポータルもすべてL8になり、MODスロットは全部埋まった。首都圏でも有数の青ファームの中心部が全部僕の名前になっていることに若干びびった。数が多いので、毎日の水やりが大変だった。攻撃通知は結構来た。特に駅前広場のポータルが、毎日朝と夕方の通勤時間に攻撃されていた。しかし、フル装填のシールドと、無数に張られたリンクで、ほとんどダメージはなかった。

やはりここは永久陣地なのだ。と思った11日目あたり。駅前広場の4個ほどが夜間に陥落した。というか、気付いたら別の青エージェントの名前になってた。取られて、速攻で取り返したらしい。まあ、まだ駅前通りには十数個僕のポータルがある。そっちは攻撃されもしない。大丈夫だ。

と思った13日目。駅前通りのポータルが全部僕ではない青エージェントの名前になった。ログを見ると、この辺では見かけない二人の緑エージェントが駅前を往復して爆撃したらしい。

残ったのは、駅前通りから少し遠くまで行って取った5つだった。前述の「ちょっと脇道に入って、さらに数個キャプチャーした」ポータル群である。

16日目。残った5つのうち駅寄りの4つが陥落した。最後に残った1つは、寒さに負けて撤収する前、最後に取った小さな神社のポータルだった。シールドを1つ入れたらなくなってしまい、鍵が出なかったこともあってヒートシンクを入れてしまっていた。そのため、シールドが3枚、しかも全部COMMONだった。攻撃しにくい地形というわけでもなく、リンクも3~5本しかなくて防御は心もとなかった。でも、どこか別のところを取り直す気にはならなかった。取り直しても、そこからまた20日だ。最後の砦が落ちないように祈るしかなかった。朝昼晩と、できるかぎりチェックするようにし、定期的な減衰はすぐ水やりした。

落とされても泣かないぞ、とか、これでだめならIngress無期限活動停止する、とか、やめるためには落とされたほうがいいなあ、とか悲観的に考えていたのだが、その神社は残り4日間、誰からも攻撃されなかった。というか、その神社は僕がチェックしていた限り、取ってから一度も攻撃されなかった。

■結局、どんなポータルが生き残るのか

最初のほうに書いたとおり、どんなに僻地のポータルでも、自分が取る前は敵が持っていたわけで、その敵は以前そのポータルを取っているのだ。そのポータルは一度は敵に取られたことがあるのだ。禅問答みたいだが、そういうことなのだ。

一方、通りすがりの敵に取られた、本来は味方のポータルはどうか。そのポータルもまた、一度は敵に取られたのだ。そういうポータルは、また攻撃される可能性がある。だって一度攻撃されてるんだから。

この禅問答みたいな真理、あるいは事実について考えると、とてもガーディアンなんて無理そうに思える。実際、僕は金を取るまでに50個は候補を落とされ、これは絶対に無理だと思った。どのポータルにも持ち主がいる。誰にも気づかれないポータルなんてない。

しかし、金を取れた今は、もう少し余裕があるので、こう考える。気づかれないポータルはないが、選ばれないポータルはある、と。

僕に金メダルをもたらした神社は、最終的には29日間持ちこたえた。その間、一度も攻撃されていない。長々と語ったように、絶対領域と思われたB駅周辺が、「時々は」蹂躙されたのに、神社には誰も来なかった。遠征してきた敵エージェントは、まず駅前通りを絨毯爆撃する。あそこなら一撃で4か所くらい射程距離に入るし、リンクを張るのも楽だ。そして、駅前通りだけで腹いっぱいになる。それだけの数がそこにはある。寒風に耐えて脇道を150メートルも入って1個だけあるポータルを落とそうと思わない。



図を見ていただきたい。東西南北や位置関係は変えてあるが、B駅周辺の模式図である。その神社ポータルは「意外に攻められないエリア」にあった。ちょっと先に川が流れていた。川が流れるのは低いところ、谷である。その神社は、川へ向かって下がっていく坂の途中にあった。ポータルを取るために坂を下りると、戻りは登らなければならない。寒さで回らなくなっている頭、ちょっとしたことでも面倒な状態では、その登りが億劫だったのではなかろうか。さらに、川の向こうからこちら側に来るのはもっと億劫になる地形であった。向こうのポータルも、ちょっと遠くて、仮に緑が向こうを取っても、こっちまで来て落としてリンクを張ろうとは思わなかったろう。

駅前通りからちょっと離れていても、図中の「時々取られるポータル」はダメだった。近くに住んでいる緑エージェントがいるようで、仕事が終わって帰宅する時間なのか、夜8時~9時に一度緑になった。すぐに青が取り返していたが、毎日のように一度は緑になっていた。CFは作れなくても、最寄りのポータルは自軍の色にしておきたいという心理が働くのだろう。こまめにIntelMapで観察して、そういうポータルなのかどうかを見極めることが大事だ。

某有名Ingressブログで「ガーディアンのコツは公表してしまうともう使えない」と書いてあった。僕が金を取った方法も、ここに書いてしまった以上、もう使えないのかもしれない。でも、この3か月ほどガーディアンのことだけを考えてIngressをしてきて、エージェントの行動パターン、人間の心理というものを自分なりに考えて、考え抜いたのが、この長い文章である。この記事が「こういう風に考えればいいのか、うちの近所ならあそこだな」というように、あなただけの戦略を思いつく一助になれば幸いだ。
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