曖昧批評

調べないで書く適当な感想など

新型プリウスのリアデザイン

2016-05-11 22:52:45 | クルマ
ゴールデンウィークの前半の3連休、家族で北陸のほうを自動車旅行した。全部で1100キロ以上運転して、いろんな車の後ろについたのだが、一番印象に残ったのが新型プリウスだった。発売したばかりなのに、もう相当な数が走っている。一般的に、5万台を超えると「よく見るなあ」と思うそうだ。もう10万台くらい走っているような感じだ。

ご存知の通り、今度の4代目プリウスのデザインは突飛だ。王冠グリルのクラウン、バスケットシューズ型のシエンタに続いて、攻めすぎるくらい攻めた造形である。僕は最初気持ち悪いと思った。同じ奇形でもクラウンやシエンタは、何を目指しているのか全体のフォルムでわかったが、プリウスはエッジを切り取ったというわけでもないフロントのライトの形、緩やかなカーブを描くリアウィンドウ、フロントとは違う切り口で切り取ったエッジのリアコンビネーションランプのすべてがちぐはぐで、散漫だと思った。

だが、新型プリウスの後ろを何時間も走っているうちに、これはこれでいいかもしれないという気がしてきた。一周回ってかっこいいというか。ショルダーラインが思いっきり伸びてリアエンドまで張り出して船尾みたいだ。その斜め上向きの直線とアンバランスなリアウィンドウの丸みを帯びた傾斜。周囲のデザインとは無関係にブラックアウトされたCピラー。後ろを走る車の運転席から見ると、リアオーバーハングが異様に飛び出していて、そこには空力的な意味もありそうに思える。敢えて奇妙さを狙ったようなカタチのフロントのライトと違い、リアのコンビネーションランプは大胆に上から下までエッジをカバーしていて斬新だ。



そしてこのカタチはどこかで見たような気もする。変態デザインと言えばシトロエンだ。シトロエンの歴代車種の写真を次々に見て思い出した。新型プリウスの後姿は、シトロエンXMの後姿に似ている。斜め上に上がっているラインと、下がってくるリアウインドウのラインがちぐはぐに合流するところが特に。



あのシトロエンに似ているなんて、トヨタも攻めるじゃないか。それも最量販車種でやるとは。目のヘンテコさはいまだにかっこいいとは思えないが、3年後くらいのビッグマイナーチェンジでリアとの造形的な整合性を取れば、歴史的変態カーになれるかもしれん。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする