先日、スクウェアエニックスのMMORPG「ファイナルファンタジーXI」の新しいプロジェクトが発表された。最後の拡張コンテンツ提供と、ヴァナディールを舞台にしたスマホ用の「ファイナルファンタジー・グランドマスターズ」の配信と、スマートデバイス用の新生FFXIの開発をやるらしい。
いつか書いたかもしれないが、僕は引退した元FFXIプレイヤーである。活動期間は2003年2月から2009年5月まで。Windows版開始直後から始めて、拡張ディスク「アルタナの神兵」後しばらくして引退した。だから、その後のコンテンツ「アビセア」とか「アドゥリン」のことは全く知らない。いわゆるレベルキャップ75時代ドロップ組である。
引退した理由は色々あるが、簡単に言えばFFXIに使える時間が少なくなったことだ。当時は出版社に勤めていて仕事が忙しく、帰宅は早くても午後11時だった。そこからご飯食べて風呂入って、午前1時頃にログイン。そんな時間に入ってもレベル上げパーティーは組めない。リンクシェル(ギルド)のメンバーも大半がログアウトしていた。僕は独りで獣使いを細々と上げるしかなかった。が、ある日、過去1年で獣使いのレベルが4しか上がっていないことに気づいてモチベーションを失った。1日30分~1時間程度では、それが限界だった。
結婚する前は、普通にバリバリ毎日のように長時間ログインしていた。獣使いはレベル61で挫折したが、ナイトと赤魔道士が75だった。獣使いを75にして赤のサポにつけてソロでメリポ稼ぐぞと思っていたが、この調子だとあと5年くらいかかりそうだったので引退した。
リンクシェルのメンバーの何人かとはTwitterで今でも多少交流がある。FFXIを続けている人はいないらしい。ごく少数がFFXIVをやっている。
しかし、僕は今でもヴァナ・ディールで過ごした日々が忘れられない。あの地では、現実の世界では体験できないもう一つの人生を生きることができた。スリルと冒険に満ちた人生を。
FFXIのGM(ゲームマスター:スタッフ)は、去り際にこう言う。「それでは、よい旅を」
僕は引退後ずっと、もう一度あの旅をしたいと思っていたが、二人目の子供も生まれ、復帰する目処は立たなかったし、いつのまにかFFXIのほうが変質していた。レベルキャップは99になり、難しそうなコンテンツが多数追加され、気軽にプレイできない雰囲気だった。そして後継タイトルのFFXIVが始まった。
スマホで快適に操作できるオープンワールドタイプのMMORPGが出ればなあ。いつか出るんだろうけど。と思っていたら、まさかのヴァナ・ディール計画発表である。しかも先行するグランドマスターズは基本無料。これは期待せずにはいられない。
子供はかつてほど構ってあげなくてもよくなっている。うちは姉妹なので、二人で遊んでくれている。出版社は辞めたし、今の仕事は定時で帰宅できるような業務が多い。画面の迫力はないが、スマホならプレイ時間を作りやすい。復帰する目処は立った。
そんなわけで、ネトゲ実況などでは叩かれている今回の発表だが、僕は非常に期待している。まずは4月のクローズベータの報告を待ちたい。