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森羅万象 ~ 歩く印象派

地球温暖化の真犯人は太陽?

2009年04月08日 16時14分07秒 | 地球の不思議・宇宙の不思議
Kate Ravilious
for National Geographic News
February 28, 2007

 地球と火星で同時に温暖化が進行している。これは、地球温暖化が人為的な原因ではないことを意味していると、ある科学者が物議を醸しそうな理論を展開している。

2005年にNASAの火星探査機マーズ・オデッセイが送ってきたデータを分析した結果、火星の南極付近にある二酸化炭素の「氷冠」が、3年連続して減少していることがわかった。ロシアのサンクトペテルブルグにあるプルコボ天文台の宇宙研究主任であるハビブロ・アブダサマトフ氏は「火星のデータは、現在の地球温暖化の原因が太陽の変化にある証拠であり、長期間にわたって太陽の照射熱が増えたために地球と火星の両方が暖められている」と主張する。

 しかし、アブダサマトフ氏の説はほかの気象学者には受け入れられていない。イギリスのオックスフォード大学の地球物理学者であるコリン・ウィルソン博士は「彼の見方は主流の学説と真っ向から対立するものだ」と述べる。従来の学説では、火星の気候変化は太陽の変化ではなく、軌道や地軸の傾きのわずかな変動によって説明できるとされている。どの惑星も太陽の周りを回るときにわずかにゆらぐ。地球のゆらぎは「ミランコビッチ・サイクル」として知られており、2万年から10万年の周期で発生する。これらのゆらぎによって地軸の傾きと太陽からの距離が変化し、地球の氷河期の原因になるとされている。

 アブダサマトフ氏が展開する学説の最大のネックは、温室効果を完全に否定している点だろう。温室効果とは、二酸化炭素などのガスが地球表面に熱を閉じ込めてしまうという理論だ。現在、ほとんどの科学者は、人類が大気中に排出する膨大な量の二酸化炭素が地球の気温を上昇させていると考えている。しかし、アブダサマトフ氏は、二酸化炭素が地球環境に与える影響はごくわずかであり、火星にいたってはまったく影響していないと主張している。

Photograph courtesy NASA


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