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森羅万象 ~ 歩く印象派

作家、立松和平氏が死去 「遠雷」「毒-風聞・田中正造」など

2010年02月09日 15時00分36秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
2月9日14時21分配信 産経新聞

 映画化された「遠雷」などで知られる作家の立松和平(たてまつ・わへい=本名・横松和夫=よこまつ・かずお)さんが8日、東京都内の病院で死去した。62歳。栃木県出身。葬儀は近親者で行う予定。

 立松さんは先月体調を崩して入院していた。

 早大在学中に早稲田文学新人賞を受賞。市役所などに勤務したあと文筆活動入り、昭和55年に「遠雷」で野間文芸新人賞。平成9年に「毒-風聞・田中正造」で毎日出版文化賞などを受けた。テレビ朝日系の報道番組「ニュースステーション」の出演で有名に。パリ・ダカールラリーに出場するなど行動派として知られ、最近は環境問題などに積極的に取り組んでいた。

以下は2月9日14時54分配信 産経新聞

高橋伴明監督、立松氏死去に「いつもニコニコと笑顔で菩薩のような人」

 連合赤軍をテーマにした立松和平氏の小説『光の雨』を映画化した高橋伴明監督の話「突然の悲報に非常にショック。早大の先輩後輩として長い付き合いだが、人の悪口を言うのを聞いたことがないし、自分が批判されても決して相手を責めない人。いつもニコニコと笑顔で菩薩のような人。最近は温泉と俳句を楽しむ中で、会うと仏教の話を2人でよくしていた。『100の山を登るんだ』と張り切っていたから、無理するなよと話したのですが、とにかく残念でなりません」


以下は2月9日15時48分配信 産経新聞

根岸吉太郎監督、立松氏死去に「誠実で男気のある方だった」

 立松和平氏原作の「遠雷」の映画化でメガホンをとった根岸吉太郎監督(59)は、立松氏死去の一報に大きなため息をつき、「誠実で男気のある方だった」としのんだ。

 「遠雷」は出版当時、著名な監督が映画化に名乗りをあげていた。「伊勢丹の喫茶店で初めて会った立松さんは、当時無名の映画監督だった私に、『この作品は責任を持ってあなたに預けた。いろんな方から申し出があったが一切気にしないで。たとえ黒澤明監督から請われても、あなたに預けるから』といわれた。本当にうれしかったし、それに応える映画を撮らなければと思った」と振り返る。

 その後、ほとんど交流はなかったが、10年ほど前、歌舞伎座で偶然再会。「立松さんは歌舞伎『道元の月』の台本の執筆中で、永平寺にも行ったと言っていた。お互いに立ち話の近況報告だったけれど、握手したのを覚えている」。同じ早稲田大学の出身。学生時代に面識はなかったが、「年齢は近かったけれど尊敬すべき人でした」と語った。

以下は朝日COM(2010年2月9日19時26分)
立松和平さん死去 都はるみさん・久米宏さんらが悼む声

8日に死去した作家・立松和平さんへ、各界から死を悼む声が集まった。

 40年来の親交があった歌人の福島泰樹さんの話 絶えず時代の中で、人間のあり方、心のあり方を見つめていた作家だった。純文学を背負う数少ない一人が亡くなり、自分という島から大きなものがなくなってしまった。

 立松さんも出演したテレビ朝日系報道番組「ニュースステーション」のキャスターだった久米宏さんの話 立松和平さんの本を読むと、あの声、あの調子で文章が立ち上がってきます。これからも、ずっとそうだろうと思います。

 歌手・都はるみさんの談話 誕生日が約2カ月違いの立松さんとは、アサヒグラフの対談企画でご一緒して以来、お話をする機会ができました。私の日生劇場でのコンサートへの心温まる感想文は、今でも大切な思い出です。恩師の市川昭介先生みたいに、一緒にひなたぼっこをしているようなお人柄でした。もう一度お会いしたかったです。

航空機座席の強度偽装 小糸工業

2010年02月09日 06時58分21秒 | 時事スクラップブック(論評は短め)
記者会見で頭を下げる小糸工業の掛川隆社長(中央)ら=8日午後、国交省で

東京新聞2010年2月9日 朝刊

 小糸工業(横浜市)が納入している航空機座席について、耐火性能や強度などの仕様承認を受けるための試験データに改ざん・捏造(ねつぞう)などの不正があったとして、国土交通省は八日、同社の掛川隆社長を呼んで業務改善を勧告した。 

 同社が座席を納入し、現役なのはボーイングとエアバスの約千機。世界二十四の国と地域の航空会社三十二社の約十五万席ほぼすべてに不正があったとみられる。不正は一九九〇年代半ばからあった可能性があり、同社は組織ぐるみだったことを認めた。国交省は、安全性確認のため再試験を実施するよう指示した。

 国内では日航が百八十四機の約三万席、全日空は百四十一機の二万六千席を使用している。

 国交省は、米連邦航空局(FAA)などと協議し「運航継続については問題がないと確認した」としており運航を続けながら安全性を確認する。

 記者会見した掛川社長は「深くおわびする。担当部署の組織ぐるみだった。結果責任、経営責任は問われる」と述べた。

 国交省などによると、小糸工業の座席は百三十四モデル。これまで分かっている試験データの改ざんは、クッションの耐火性試験で全モデル中三十六、衝突時の強度を測る動荷重試験では六十二モデル中五十五など。

 一部の試験を実施せずに過去のデータを代用したり、荷重のピークを少なくごまかしたりしたほか、耐火試験では、規定の時間燃やさないなどのケースがあった。

 同省の職員が立ち会った際には、コンピューターに正常値が表示されるよう細工するなど、悪質な不正もあった。

 またすべてのモデルで国交省の承認を受けない設計変更や、製造過程の検査記録改ざんなどがある可能性が高いという。

 不正は昨年六月と七月、国交省への内部告発があり発覚。国交省の調査に社員は「納期が厳しかった」と話したという。

 小糸工業は昨年一月にも国内線ファーストクラス座席の耐火性能試験で、別の材料を使って試験に合格させる偽装が発覚している。