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森羅万象 ~ 歩く印象派

龍虎闘料理とは  小泉武夫「不味い!」より

2006年03月20日 23時41分57秒 | 読んだ本・おすすめ本・映画・TV評
いきなりクイズだ。
「龍虎大菜」とはどんな料理か?

答は蛇肉と猫肉の煮込みである。

中国では龍の字のついた料理は蛇を使ったことをいう。
「龍鳳大菜」は蛇と鶏肉の料理である。
蛇料理には菊の花が飾られることが多いらしいがこれも
蛇の旬の秋に咲く花だからだそうである。

何年か前の10月頃アグネスチャンの講演を聴いたときに
「もうすぐ秋になりますね。秋になると、蛇の美味しい季節
なので中国の人みな楽しみにしてます。特に脂ののった蛇の
スープは、美味しいだけでなく、風邪の予防にもなるんです。」
と目を輝かせて話していたことを思い出した。

小泉武夫によれば「蛇というのは全身これ筋肉なので、味が
濃いだけでなく甘みも持っている。だから、スープの出汁を
取るのに使っても、実にいい味が出る。」のだそうだ。

※なお「不味い!」本編は近々掲載します。

商工会の企業見学に参加。(前編)

2006年03月20日 12時32分17秒 | 仕事
先週の半ば頃、商工会主催による企業見学のツアーに参加してきた。

訪問したのは
(1)群馬県にあるカンサン株式会社高崎事業所(本社は渋川市)と
(2)埼玉県東松山市の株式会社豊島製作所

まずはカンサン株式会社から。
「カンサン」という名称はその前身の「関東酸素工業所」に由来する。
その前はずっと時代を遡り寛永6年(1629年)に渋川の金物商「堀口商店」
として創業したというから、歴史はかなり古い。

で、何をやっている会社なのか。
一言で言えば「高圧ガスの製造・販売」となるのだが、実は私たちの日常
の実生活で御世話になっているものが多い。

 たとえばLPガス。
これは電気、灯油、都市ガスと並んで、生活に必須の貴重なエネルギーの
ひとつだ。
 それよりも、もっと重要なのが各種高圧ガス、その中でも酸素の力は偉
大だ。世界第一位の生産量を誇る日本の製鉄業を支えているのは、ほかな
らぬ酸素だという。鉄を溶かす高炉では、酸素が燃焼を助けて効率アップ
と省エネルギー効果をもたらし、溶出した鉄から炭素などの不純物を取り
除く段階でも、大量の酸素が使われる。
 医療用にも多く使われている。全身麻酔手術や未熟児の保育、高圧酸素
治療、輸血用血液の冷凍保存などと利用は多岐にわたる。直接患者さんに
供給される医療用酸素などは医薬品の分類に入るという。

 他にも、最近需要がとみに伸びている窒素ガス、現在は酸素をはるかに
しのぐそうだ。またアルゴンガス、二酸化炭素なども取り扱っている。

 とまあ、用意された部屋でプレゼンを受けたあと、工場を見学させてい
ただいた。

下の写真は何かというと氷だ。どうして?

下の写真の温度表示をを見て欲しい。
-157度~-161度の世界である。
酸素もアルゴンガスもこの温度でないと液体の状態を保てないのだ。
(窒素は-196度!)
ガスを気化する際に急速に熱を奪う。その際の凍結だという。

何気ないパイプの配管一つをとっても、この過酷な超低温、高圧に対する
耐性が求められる。原発関連の機器類にも匹敵する重要保安設備だ。

そしてこの見学の見所は容器のリサイクルだった。(残念ながら写真はない)
長年、高圧ガスを取り扱う中で培われた容器の再生技術およびそのシステ
ムは自社工場の中で完結している。高圧ガスという危険性も伴うシビアな
ものを収納する容器のリサイクルは、回収、解体、洗浄(容器内側も)そ
して外側の塗装も全て剥がしきり、再塗装が施される。リサイクル後容器
の外観は新品とほとんど同じだ。リサイクル作業をされている従業員の方
に訪ねてみたところ、こちらの一日あたりのリサイクル処理能力は150本ほ
どだそうだ。

 再び、部屋に戻りカンサンの鈴木常務さんのお話を伺い、その後質疑と
なった。
 現在、LPガスは中国での需要が増えたアオリで原材料のガスの価格が高
騰しているとのことであった。とはいえ、競合他社との絡みで価格にそれ
を添加するわけにもいかず苦戦が続いているそうだ。
(唯一の赤字部門と聞いた。)
酸素の需要も落ちているそうだ。日本から中国へと生産拠点の移動も大き
い。代わって増えたのが先ほども述べた窒素。その不活性(他のガスと化
合しない性質)と低温性を生かし金属・化学・電気・食品・医薬・宇宙工
学にと、その優れた特性の活用で、活躍の場がますます拡大の一途にある
そうだ。

 とはいえ、既存の分野にしがみついているだけでは生き残れないのが世
の習い。というわけで、カンサンの鈴木常務が取組んでいるのが産学協同
によるハイテク分野への進出だ。中でも半導体用として開発されたウルト
ラクリン容器は、最先端の技術で注目を浴びているという。
こちらを参照→ウルトラクリン

 感心したのは鈴木常務の「自社にない技術は知の宝庫である“学”から
得よう」という姿勢だ。これは「資金力や開発力でははるかにかなわない
大企業に対抗する小さな企業の知恵だ。」とも言った。実際には若手の社
員を群馬大学の研究室にずっと貼り付けて、研究室の学生たちといっしょ
になって研鑽させたという。大いに見習いたいところだ。

  次回(後編は豊島製作所)