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森羅万象 ~ 歩く印象派

鍾家新著  日本型福祉国家の形成と「十五年戦争」 ミネルヴァ書房

2006年03月13日 23時23分22秒 | 読んだ本・おすすめ本・映画・TV評
 大胆な設定である。
「戦争が福祉国家と社会保障制度をつくったのだ。」と。
膨大な資料を松本清張ばりの貪欲さで読み漁った賜物の
一作といえる。
著者の鍾家新(ヅウン ジャシン)氏は88年、中国か
ら派遣留学生として来日。筑波大などを経て現在明治大
学福祉社会学助教授。

本書は鍾氏のデビュー作である。
なかなか読み進まず、本格的な感想はまた後日掲載する。

私が彼を知ったのは社会保険庁関連の団体(社)全国社会
保険協会連合会というひと目で天下り専用機関とわかると
ころから出ている月刊「社会保険」に掲載されている氏の
「13億人の社会保険-中国システムの在り方-」という
論文を目にしたからだ。
 こちらは二重戸籍の矛盾を抱える現代中国をまた別の視
点で見せてくれるところが面白い。労働組合の存在しない
“社会主義”国家の福祉政策について書かれた書物は少な
い。単行本となってほしい。


 最後にクイズ。
ちょっと見にくいが表紙カバーの図柄が、なんだかおわか
りだろうか?
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