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All Things Must Pass

森羅万象 ~ 歩く印象派

週のはじめに考える 私たちを侮辱するな

2012年11月18日 09時23分02秒 | 歩く印象派

 2012年11月18日  (東京新聞社説)

 見出しの「侮辱」とは極めて強い言葉です。ひどい扱いを受けた者の発する言葉です。政治にせよ、

原発にせよ、私たち国民は、侮辱されてはいないか。   手元に一通の手紙があります。学校で国語

を担当されていた元先生からです。この夏、東京であった脱原発の市民集会に出かけた時のことが記

されていました。 

 こんな内容です。 …何人もの演説の中、一番心に響いたのは作家の大江健三郎さんが述べた

「私たちは侮辱の中に生きている」という言葉でした。

◆大江さんのスピーチ   

その言葉は、大江さんも紹介していたそうですが、福井生まれの昭和の作家、中野重治の短編小説に

ある文句です。中野はプロレタリア文学で知られ、大戦前の思想統制では自身も激しい国家弾圧に遭

っています。   その短編小説は、昭和三(一九二八)年、全日本無産者芸術連盟(略称ナップ)の機

関誌に掲載された「春さきの風」。検挙された同志家族をモデルにしています。   思想をとがめられ

た検束で父とともに母と赤ん坊も警察署に連行される。その赤ちゃんの具合が悪くなる。ろくな手当

ても受けられずに亡くなってしまう。母親はもちろん医師を頼みましたが、無視された。理由のない

平手打ちを受けるばかり。   小説はそれらの動きを、きびきびとした文体で描き、最後は母親が留

置場の夫に手紙を書く場面で締めくくられます。   母親は砂を巻く春風の音の中、死んだ赤ん坊は

ケシ粒のように小さいと思う。そしてこう書く。   「わたしらは侮辱のなかに生きています。」

(「中野重治全集第一巻」筑摩書房より)   中野重治が実体験として記した侮辱という言葉、また

大江さんが原発に反対する集会で引いた侮辱という言葉、その意味は、もうお分かりでしょう。

◆デモクラシーの軽視   

権力が民衆を、国家が国民を、ほとんど人間扱いしていないのではないかという表現にちがいありま

せん。   つまり倫理違反なのです。   先日、東京電力は、原発事故時のテレビ会議記録を新たに公

開した。二回目の公開です。   その中に自家用車のバッテリーを集めるというやりとりがありました。

原子炉の圧力が上昇し、蒸気逃がし弁を動かすためバッテリーをつないで電源を確保しようというので

す。しかも足りなくて買うお金にも困る。   備えも何もなかったわけですから、社員らの苦労も分か

ります。しかし、これを知った福島の被災者らはどう思ったでしょう。   東電も国も、その程度の取

り組みと真剣さしかなかったのか。住民の守り方とはそのぐらいのものだったのか。言い換えれば、

それは侮辱に等しいでしょう。   侮辱は継続しています。しかもデモクラシー、民主主義の軽視とい

う形で。   原発で言えば、大飯の再稼働はろくな検証もなく、電気が足りなくなりそうだという理由

だけで決まりました。国民の安全がかかわる問題なのに、これほど非民主的な決定は前例がないでしょ

う。   沖縄へのオスプレイ配備も、米兵事件に対するその場しのぎの対応も侮辱にほかなりません。

国家が人間を軽視しているのです。   原発から離れれば、一票の格差を放置してきた国会とは、デモ

クラシーの不在も同然です。立法府だけではなく、最高裁が「違憲状態」と判示しつつ、違憲であると

踏み込めなかったことは、憲法の番人としての責務を果たしえたか。疑問は残ります。   今の政治に

は、ほとほとあきれたと多くの人が口にします。それはおそらくはデモクラシーの軽視に起因している

ことで、国民は自分の権利の蹂躙(じゅうりん)を痛々しく感じているのです。政治に侮辱されている

と言ってもいいでしょう。   その状況を変えるには、何より変えようという意思を各人がもつことで

す。デモや集会はその表れの一つであり、選挙こそはその重要な手段です。

◆戦うべき相手はだれ   

冒頭の国語の先生の手紙は今、自分の抱える恐ろしさをこんなふうに表していました。 

 …(中野重治の)戦前と違って現代は戦うべき相手の姿が明確に浮かび上がらない分、かえって恐ろ

しさを感じます…。   戦うべき相手は広範で、しかも悪賢く、しっぽすらつかませないかもしれませ

ん。政財官などにまたがる、もやもやとした霧のようなものかもしれない。   しかし、こう思ってそ

の相手を見つけようではありませんか。一体だれが私を侮辱しているのか、と。私たち自身の中にそれ

は忍び込んでいないか、と。投票の前に見つけようではありませんか。


「かわいい」で成績アップ 広島大准教授 動物写真使い実証

2012年09月28日 17時57分49秒 | 歩く印象派

2012年9月28日 東京新聞夕刊

 

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 かわいい動物の写真を見ると注意力を要する作業の成績が向上することを、広島大の入戸野宏准教授(心理生理学・工学心理学)らが大学生約百三十人を対象にした実験で明らかにし、米科学誌電子版に二十七日発表した。

 入戸野准教授は「日常生活や仕事場でも、かわいいものを身の回りに置くことで、作業効率を上げることができるかもしれない」と話している。

 実験では、ピンセットで小さな部品をつまんで穴から縁に触れずに取り出す作業や、数列から指定された数字を探し出す作業を各二回実施。学生を「幼 い猫や犬」「成長した猫や犬」「すしなどの食べ物」の写真を見せる三つのグループに分け、一回目と二回目の作業の間にそれぞれ七枚ずつ見せて、写真を見る 前後の成績を比較した。

 幼い動物の写真を見たグループの正確さや速さの成績は、部品を取り出す作業で44%、数字を探し出す作業で16%それぞれ向上。これに対し、他の写真の二グループは変化がなかった。

 入戸野准教授は「かわいいという感情には、対象に接近して詳しく知ろうとする機能があり、注意が集中する効果が生まれたのでは」と分析している。


駐日中国大使:程永華氏の書面インタビュー全文

2012年09月17日 19時10分00秒 | 歩く印象派

程永華・駐日中国大使

程永華・駐日中国大使
毎日新聞 2012年09月17日 00時55分(最終更新 09月17日 01時53分)

 中国の程永華駐日大使が16日、毎日新聞の書面インタビューに答えた全文は次の通り。

 −−今年は日中国交正常化40周年ですが、現在、両国関係は厳しい状況に直面し、日本の多くの人が憂慮を表明しています。中国側は両国関係の現状をどのように認識していますか。

 大使 日本政府が「釣魚島購入」を発表した後、中日関係は非常に厳しい情勢に直面している。これは中日両国民の利益に合致せず、中国が目にしたくないもので、事態悪化の責任は中国側にはない。

 今年は中日国交正常化40周年だ。両国にとってのこの40年間の中日友好協力発展の重要な意義を深く感 じている。40年前の中日が国交正常化を実現した時、2国間の貿易額は10億ドルにすぎず、人の行き来もわずか1万人だった。40年間の両国政府と各界の 関係者の不断の努力で、両国関係は各分野で大きく発展し、これまでにないレベルに達した。

 政治面で、双方は両国が平和、友好、協力関係を発展させる基本原則と精神を確立し、戦略的互恵関係の大方向を明確にした。経済面では、2国間の貿 易額が3400億ドル余りに達し、約340倍に増えた。中日は互いに重要な経済・貿易のパートナーとなり、中国は日本にとって最大の輸出市場となってい る。

 人文(人と文化)交流の面では、両国の人の行き来が500万人余りに達し、友好省・県と友好都市は 250組に上っている。毎日100便近く運航される航空便で約1万8000人が両国の間を行き来している。中日関係の発展は両国に大きな利益をもたらし、 両国人民に巨大な実益をもたらし、さらに地域の平和、安定、繁栄を力強く維持し、促している。

 中日国交正常化40周年を迎え、中国側はこの重要な年を両国関係において先人の後を引き継いで今後の道 を開く1年にすることをもともと希望していた。中国は日本側と多くの計画を立て、「中日国民交流友好年」のイベントを開催することを決定し、また600近 い交流・協力の催しを計画していた。

人民元と日本円の直接取引の実現は両国の金融協力が実質的に重要な一歩を踏み出したことを示している。両国はまたオープンスカイ(航空自由化)協定 に調印し、双方の人の行き来を拡大する条件を整えた。第7回中日省エネ・環境保護フォーラムが成功を収め、双方は47件の協力取り決めに調印した。中日韓 3カ国は投資協定に調印し、3カ国の自由貿易協定交渉を年内に始めることを予定している。今年、中日の各分野の交流と協力の成果は少なくないと言うべき だ。  両国各界が中日の協力がより大きく発展するよう広く期待している時に、日本側は中国側の立場と中国人民 の感情を顧みず、釣魚島の主権について係争の客観的事実を無視し、いわゆる「島購入」計画を進め、先ごろ、計画が完了したと宣言し、中日間の深刻な対立を 引き起こし、事態の重大なエスカレートを招いた。日本側は現在、中日関係が直面している厳しい局面を認識し、国交正常化と条約締結時の両国の合意と了解に 早期に立ち返り、釣魚島問題を適切に処理すべきだ。

−−日本政府は、「島購入」は平穏かつ安定的に管理し、東京都の島購入を阻止するためで、両国の対立を進んであおるものではないと言っていますが、中国側はなぜ断固反対し、激しく反応するのですか。

 大使 釣魚島問題には特殊な歴史的経緯があり、中国の領土主権にかかわるだけでなく、歴史問題にかかわ り、非常に敏感なものである。まさにそのために、中日が国交正常化を実現し、平和友好条約を締結した際、両国の指導者は「そのままにし、今後の解決にま つ」ことで重要な了解と合意に達した。長年にわたり、釣魚島問題は時に突出するものの、全体的に言って、双方は関連の了解と合意に基づいて、問題を大体適 切に処理してきた。

 今年4月中旬、東京都の石原慎太郎知事がほかでもなく米国に行って「島購入」を宣言したことで、人々はみな、それが挑発行為であることが分かった。また募金の形をとることで、矛盾を国民レベルにまで拡大し、両国民の対立を故意にあおろうとたくらんだ。

 日本政府はこうしたもめ事を起こす行為に対し、制限せず、逆にその勢いに乗って強硬に「島購入」をし、中日関係を重大に損なった。

 中国の指導者と外交当局は日本側に繰り返し厳正な立場を表明し、石原知事の「島購入」は無論、日本政府の「島購入」も性格は同じで、いずれも中国 の領土主権に対する重大な侵害であり、両国指導者のこれまでの合意に反するものであると強調し、中国は日本側が大局から出発し、いかなる形でも「島購入」 をやめることを要求した。

 日本側の以上の行動は、中国人民の激しい憤りを引き起こした。中国政府は日本側の中国の領土主権を侵犯する行為に強い反応に出ざるを得なくなった。中国がこのようにするのは、自らの領土主権を守るためであり、また中日関係の大局を守るためでもある。

 −−中国側が言っている国交正常化と条約締結時の両国の合意と了解は具体的に何を指しているのですか。

 大使 釣魚島問題は今に始まったことではなく、中日双方にそれぞれ主張がある。1972年、中日が国交 正常化を実現した際、周恩来首相と田中角栄首相は釣魚島問題について「今後の解決にまつ」ことで合意した。1978年、中日が平和友好条約を締結した際、 双方は釣魚島問題について「棚上げし、今後の解決にまつ」ことで了解に達した。

トウ小平氏は当時、「こうした問題はそのままにしておいてかまわない。われわれの世代は知恵が十分でなく、この問題は話がかみ合わない。次の世代は われわれより聡明(そうめい)だから、みなが受け入れられる良い方法を見つけ、この問題を解決するだろう」とはっきり語った。この合意は中日関係の健全か つ安定した発展の重要な保障と言える。

 当時、両国の前の世代の指導者は高度の戦略的視点と政治的知恵で釣魚島問題を適切に処理しなければ、また国交正常化以降のこの長い期間に双方がこうした精神で釣魚島問題を処理しなければ、中日関係のこの40年間の大きな発展はなかった。

 現在の事態の根本的原因は日本側が釣魚島問題に対する立場を後退させ、釣魚島の係争に面と向かおうとせず、認めようとせず、双方の重要な了解と合意を否定し、あくまでも誤った行動を取ることにある。これは非常に危険だ。

 日本政府のこうした立場は実際のところ、日本国内の一部の者が釣魚島問題を利用して騒ぎを起こし、中日関係を壊すことを奨励し、刺激するものだ。 釣魚島問題で「棚上げ」の合意がなくなれば、領土問題のために中日関係は永遠に平穏な日がなくなる恐れがあり、そうなれば、どうして安定や発展を語れるだ ろうか。

 その意味から言って、釣魚島問題を適切に処理し、危機を有効にコントロールするには、突き詰めれば、国交正常化と平和友好条約調印の時の双方の合意と了解に立ち戻り、領土紛争を交渉で解決する軌道に戻らなければならない。

 −−中国は、釣魚島は中国固有の領土と主張していますが、日本には、釣魚島付近で石油が見つかったことから中国は日本固有の領土を中国のものであると言い、さらには強硬な手段も辞さないのだと考えている人もいます。これについて中国はどのように見ていますか。

 大使 釣魚島およびその付属の島嶼(とうしょ)は古来、中国の神聖な領土で、歴史的証拠も法的根拠もある。釣魚島などの島嶼は中国人が最も早く発見し、命名、利用、管轄したことが大量の文献史料に示されている。

 15世紀以前に中国南東沿海部の商人や漁民は釣魚島などを航海の際の目印とし、以来これらの島嶼とその付近の海域で生産活動を行ってきた。中国の 明朝と清朝は釣魚島とその付属の島嶼に対してずっと主権を行使していた。早くも明代の初め、釣魚島とその付属の島嶼は中国の版図に入り、永楽年間(西暦 1403~1424年)に出版された「順風相送」という書物には、中国人が福建から琉球に行く途中に通った釣魚嶼、赤坎嶼(すなわち赤尾嶼)などの島嶼の 名称が明確に記載されている。明、清代に琉球王国に出向いた冊封使はその出使録の中で、釣魚島などの島嶼は中国の領土で、これらの島嶼を通った後、琉球の 領域に入ったと明確に指摘している。

 日本外務省の「日本外交文書」第18巻、第23巻には、日本政府が釣魚島について「無主地」ではなく、中国に属すと明らかに承知していたことが詳細に記載されている。

1895年、日本は甲午戦争(日清戦争)末期、清朝政府の敗戦が確定的になったすきに、釣魚島とその付属の島嶼を不法にかすめとった。続いて日本は清朝政府に不平等な「馬関条約」(下関条約)の調印を強要し、「台湾全島およびすべての付属の島嶼」を割譲させた。

 第二次世界大戦終結後、「カイロ宣言」と「ポツダム宣言」に基づき、中国は日本が占領した台湾、澎湖(ほうこ)諸島などの領土を取り戻し、釣魚島は台湾の付属島嶼として国際法上、中国に戻った。

 1951年、日本が米国などの国と一方的な「サンフランシスコ平和条約」に調印し、琉球諸島(現在の沖 縄)は米国の管理の下に引き渡された。1953年、米国琉球民政府は管轄範囲を勝手に拡大し、中国の領土である釣魚島とその付属の島嶼をその中に紛れ込ま せた。1971年、日米両国は「沖縄返還協定」の中で釣魚島などの島嶼を勝手に「返還区域」に入れた。

 中国政府は日米のこうしたやり方に対し、1950年代から何度も断固反対し、認めないと表明した。日本政府のいわゆる釣魚島は日本固有の領土で、 日中間に解決が必要な領土紛争はないという言い方は史実と法理に合致していない。いわゆる釣魚島海域で石油が見つけられて初めて、中国側が領土紛争を主張 したという言い方はまったく成り立たないものだ。

 −−日中関係の悪化がすでに経済分野に影響しています。日本の自動車の中国での販売が減り、日本製品の 一部ボイコットや、商務省の担当者がそうした行為に理解を示していると報じられています。そのほか両国間のさまざまな交流活動も影響を受け、次々に延期や 取り消しになっています。これについて中国はどのように見ていますか。

 大使 中日の協力関係が良好な発展を続けるには、政治、経済、人文など各分野で調和のとれた発展を実現する必要がある。中日経済・貿易協力の深化 は良好な政治関係や民意の基盤と切り離せない。現在、両国関係に厳しい局面が表れている直接の原因は日本政府の違法な「島購入」であり、13億の中国人民 の激しい憤りを引き起こしている。事態を放っておけば、両国の各分野の交流、協力がさらに大きな打撃をうけることは避けられない。日本側が実際行動をと り、間違ったやり方を直ちに改め、釣魚島問題を適切に処理し、中日関係の改善に確実に努力することを希望する。

 −−日中関係をどのように構築するかを巡って、両国民、特に若者に何か贈る言葉はありますか。

大使 中日両国の「和すれば共に利し、闘えば共に傷つく」は、2000年来の歴史で繰り返し証明されている道理である。前者は両国人民に非常に大きな利益 をもたらし、それぞれの発展を促し、後者は中国に深く重い災難をもたらし、日本人民もその被害を深く受けた。両国の内外情勢が共に推移し、変化する中で、 両国民衆、特に若者は歴史を真剣に学び、「歴史を鑑(かがみ)とし、未来に目を向ける」内容を深く理解し、中日関係の平和、友好、協力の大方向を常に堅持 し、しっかりつかんでいなければならない。


「氷河期の生き残り」が冬支度 北海道・大雪山で紅葉

2012年09月14日 19時07分27秒 | 歩く印象派

ウラシマツツジが色づく中、エサを集めるため、岩場から姿を見せるエゾナキウサギ=13日、北海道上川町の黒岳、杉本康弘撮影

2012年9月14日7時49分朝日COM

 北海道の大雪山系・黒岳(標高1984メートル)の山頂付近で紅葉が始まり、北海道の高山帯に生息するエゾナキウサギが冬支度を始めている。赤く色づい たウラシマツツジが広がる黒岳の岩場では、「ピチィ」、「ピチィーッ」と鋭い鳴き声が響く。口に草や枝をくわえ、登山客が行き交う脇を、エゾナキウサギは 忙しそうに動き回っていた。今年は残暑の影響で紅葉は1週間ほど遅れているという。

 エゾナキウサギは大陸と陸続きだった時代に渡ってきたとされ「氷河期の生き残り」と呼ばれる。

 


草むらに小さな命 日本最小のネズミの赤ちゃん保護

2012年09月05日 05時08分32秒 | 歩く印象派

2012年9月5日0時6分朝日COM

 日本最小のネズミで、山口県などで準絶滅危惧種になっている「ホンドカヤネズミ」の赤ちゃん4匹が、山口市のきらら浜自然観察公園で見つかった。

 体長約2.5センチ、体重約3.3グラムで、8月下旬に生まれたばかりらしい。高さ1メートルほどの草の茎に、球状の巣があることに、草刈り中の職員が気づいた。

 本州中部以南の草地や水田にすむが、激減していて、この公園で赤ちゃんが保護されたのは3年ぶり。小さな命は、公園に行けば見ることができる。

 

写真:山口市のきらら浜自然観察公園近くで保護されたホンドカヤネズミ拡大

山口市のきらら浜自然観察公園近くで保護されたホンドカヤネズミ


NASA、連星に二つの惑星発見 水が存在する可能性

2012年09月02日 08時56分38秒 | 歩く印象派

東京新聞2012年8月29日 08時28分

 
 

 【ワシントン共同】「連星」と呼ばれる双子の恒星群の周りを回っている二つの惑星を、地球から5千光年先で発見したと、米サンディエゴ州立大や米航空宇宙局(NASA)のチームが28日、米科学誌サイエンス電子版に発表した。

 一つの惑星を持つ連星は見つかっていたが、太陽系のように複数の惑星を持つ連星が見つかったのは初めて。惑星の直径はそれぞれ地球の3倍と4・6倍で、大きな方には生命に不可欠な水が存在する可能性があるという。

 チームはケプラー宇宙望遠鏡を使い、はくちょう座の方向にある連星「ケプラー47」を観測。二つの惑星を持つことを確かめた。

 


懐かしの家電で昭和感じて 足立区制80年 きょうから記念企画

2012年08月28日 21時56分51秒 | 歩く印象派

2012年8月28日東京新聞

 

トーストとホットミルクと目玉焼きが一度に調理できる「スナック3」を披露する増田さん=足立区で

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 昭和三十年代に使われていた家電などを集めた展覧会「タイムスリップ 昭和家電 増田健一コレクション」が、二十八日から足立区大谷田五の区立郷 土博物館で開かれる。「三種の神器」といわれた白黒テレビ、冷蔵庫、洗濯機などの懐かしい家電から、時代の空気を感じられる展示会だ。 

 足立区が区制八十周年を記念して企画した。昭和の家電コレクターで、「大阪市立住まいのミュージアム」研究員の増田健一さん(49)が集めた家電や生活用品約六百~七百点を展示する。三種の神器に加え、「平凡」などの雑誌や粉末ジュースなどがところ狭しと並ぶ。

 増田さんは小学生の時、写真集を見て当時の家電に興味を持ったという。十八歳のころから、古道具屋などを回り、コレクションを始めた。白黒テレビにビデオをつなぎ、当時の歌謡番組を再生しながら、古い冷蔵庫で冷やしたビールを飲むのが楽しみという。

 今回の展示品でお気に入りはトーストとホットミルク、目玉焼きを一度に調理することができる東芝製の「スナック3」だという。増田さんは「何でも 取りあえず作ってみようという気概を感じる。商品としてはあまり売れなかったが、そういうところがこの時代の良さ。ぜひ、みなさんにも懐かしんでもらいた い」と語った。

 十月八日まで。入場料は高校生以上二百円。問い合わせは区のホームページ参照。(土屋善文)


かき入れ時でもPRは「タブー」 じり貧続く関電「オール電化事業」の今

2012年08月26日 20時49分18秒 | 歩く印象派

産経新聞 8月25日(土)18時30分配信

 関西電力が管内の一般家庭、企業など全契約者を対象に要請していた今夏の節電期間が9月7日に終了する。この夏の需給ギャップは何とか乗り切れそうな状 況だが、一方で東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、ずっと辛抱を強いられているのが「オール電化事業」だ。管内に節電を強いる状況下にあっては、 PR活動などもできない。苦境に立つ関電のオール電化ビジネスの現状はどうなっているのか…。

[表] 関電、当初の節電目標「15%」で…東電は「ナシ」ってなんで!?

 自動車に代表される企業のショールーム。7~8月は夏休み中の親子連れの集客アップを目的に、ショールームの多くは子供向けイベントを開催するなど1年の中でもにぎわう。

 しかし、このかき入れ時にショールームを閉鎖せざるを得ないのが、オール電化を紹介する関電のショールーム「はぴeライフスクエア」だ。関電は大阪府堺 市や京都市中京区、神戸市中央区など管内7カ所に同ショールームを展開しているが、現在はいずれも臨時休館している。臨時休館期間は7月2日から9月7日 と、関電の今夏の節電要請期間と合わせている。「節電を要請しながら、オール電化のPRはできない」(関係者)ためだ。こうした臨時休館にとどまらず、6 月には「はぴeライフスクエア ハービス大阪」(大阪市北区)を閉館・撤退した。

 しかも、活動を中止しているのはショールームだけではない。オール電化の営業担当者もその活動を自粛している。その理由について、関電は「この夏、需要 増につながる取り組みを中断し、お客さまなどに対して節電に関する説明やお願いを最優先している」(担当者)と説明。今秋以降に関しては「能動的なオール 電化の販売活動を行っていく予定はない」(同)としている。ただ、顧客や販売店などから商品や料金メニューの特徴、効率的な利用方法について「丁寧に説明 させていただく」(同)と話す。こうした逆風下、関電のオール電化事業は厳しい状況を強いられている。平成23年度の関電管内のオール電化住宅の販売戸数 は前年度比約2割減の7万5千戸に落ち込んだ。ピーク時だった20年度の11万6千戸と比べると35%の減少で、今年度はさらに厳しい状況になる可能性も ある。

 「長期的にはエネルギーをいかに効率よく使うかという視点が必要」。関電の森詳介会長はこう述べ、オール電化事業を継続する考えを示している。だが、国 のエネルギー政策が見えない中、オール電化事業の置かれている状況はきわめて不透明で、今後も厳しい状況が続きそうだ。(香西広豊)


「諸国一ノ宮山歩(さんぽ)」 風媒社

2012年08月25日 10時40分42秒 | 歩く印象派

神々しさに魅了 全国の「一ノ宮」を訪問

[文]佐藤雄二  [掲載]2012年08月23日    以下はブックアサヒコムよりのコピペ

若山聡さん 拡大画像を見る
若山聡さん

表紙画像 著者:若山聡  出版社:風媒社 価格:¥ 1,680

 全国各地に存在する由緒ある神社「一ノ宮」とその御神体の山を訪ねた記録集「諸国一ノ宮山歩(さんぽ)」を、愛知県愛西市見越町の若山聡さん(54)がまとめ、風媒社(名古屋市)から出版された。
  若山さんは岐阜大在学中に山歩きを始め、国内の有名な山のほとんどを登ってきた。40歳を過ぎ、気分がふさぎ込んでいたころに山形県の出羽三山に登った。 そこで感じた「神々しさ」に動かされ、山岳信仰の歴史に興味を持ち、神社参拝と山歩きの両方を一緒に楽しむようになった。
 この本は「民俗学的山 登り」と称し、若山さんが10年近く続けている旅の果実だ。東海に始まり東北から九州まで、これまでに約40カ所の一ノ宮を訪ねた。それぞれの場所で、そ の地域の歴史に思いをはせ、聖域とされる山に登り、体感したあれこれを景観とともにつづっている。
 登頂の達成感がもたらしてくれる若返り気分を「山の霊力度」とみなし、踏破する「難易度」とともに、星の数で表示している。山の熟練者ならではの遊び心といえる。
  「十分な山の知識」が必要な最高難度の五つ星は、山形県の大物忌(おおものいみ)神社と鳥海山。「10歳は若返る」という最高霊力度の三つ星には岐阜県の 水無(みなし)神社と位山(くらいやま)、石川県の白山比●(しらやまひめ、●は口へんにひつじ)神社と白山などを挙げている。
 若山さんが原稿をまとめたのは昨年のことだ。「大震災があり、父親が亡くなり、自分が入院し、長男が婚約した。まだ全部の一ノ宮を巡ってはいないが、人生の節目を感じて療養期間中に書き上げた」
 本はA5判246ページ。本体価格1600円。問い合わせは風媒社(052・331・0008)。


働く14歳の命消えた 学校・市教委「職場体験」と容認

2012年08月21日 18時32分25秒 | 歩く印象派

2012年8月20日 朝刊 東京新聞

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 わずか十四歳の男子中学生が、真夏の工事現場で働き、事故に巻き込まれた。栃木県足利市立西中学校三年の石井誠人君はなぜ、現代日本では考えにく い状況で命を落としたのか。検証していくと、義務教育を投げ出し、労働基準法の認識も欠けた教育現場に行き当たった。 (稲垣太郎)

 炎天下、中学生のように見える少年が黙々と作業をしていた。西中の学区から渡良瀬川を渡ってほどない群馬県太田市の堤防近く。石井君がアルバイトをしていた会社の作業所は空き缶などが入ったビニール袋が山のように積まれ、高い鉄板で囲まれていた。

 石井君もここで空き缶などの分別や圧縮などの作業をしていた。こうした作業も労基法では十四歳の少年には禁止されているが、今月六日には、群馬県桐生市の中学校体育館改修工事に伴うがれき撤去作業の現場に出され、崩れてきた壁の下敷きになり、搬送先の病院で死亡した。

 伏線は五月下旬。同級生の男子生徒(15)の父親が、学校を休んで親戚の鮮魚店で働かせたいと求め、西中は了解した。授業を休んでのアルバイトが公然と認められれば、ほかに希望者が出てきてもおかしくない。

石井君が事故に遭った群馬県桐生市の中学校体育館の耐震改修工事現場。空き缶の分別をしていたはずの作業所から20キロ以上離れている

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 実際には鮮魚店でなく、太田市のこの会社で働いていたことが分かったが、学校は学習活動の一環である「職場体験」として認めた。板橋文夫教頭は「卒業後に土木の職に就きたいという希望があり、学校での様子や学習意欲の状況を見て判断した」と説明する。

 六月二十二日に岩下利宏校長と担任が作業所に社長(45)を訪ね、「よろしくお願いします」と依頼までしていた。

 一方、石井君は六月下旬から土曜日にこの会社で働き始めた。夏休みに入ると、平日は毎日働きたいと学校に希望。卒業後に建設会社への就職希望も あったため、これも職場体験として認められた。板橋教頭は「机に座ってじっとしているより、体を動かして働きたいという希望が本人にあった」と話す。

 ただ、足利市教育委員会から報告を受けた文部科学省によると、学校側は、二人のアルバイトが本来の職場体験とは異なることを当初から認識していた。

 学校の対応からは、労働基準法に対する意識が感じられない。同級生が学校を休んで働くことを認めたのは義務教育の放棄に映る。板橋教頭は会社と「長年の信頼関係があった」と言い「若い人たちを受け入れて仕事をさせる面倒見の良い会社」と評した。

 学校を管理する立場の市教委も、平日働くことに指導もせず、仕事内容も確認しないで認めてしまった。

 会社も違法の認識があった。社長は八年ほど前から計約二十人の中学生を日当五千円で雇ってきたと話し「親からも頼まれ、違法と知りながら義理人情で受け入れてしまった」と説明。石井君については「知らないうちに従業員が工事現場に出した」とずさんな管理を認めた。

 文科省の担当者は「学校、教育委員会とも労働基準法に関する認識が希薄だったために生徒が働くことを認めてしまい、亡くなった子どもが工事現場に 行ってしまった」と指摘。同級生が学校を休んで働くことを学校、市教委とも認めたことには「職場体験という誤った認識で認めてしまった。学校は保護者に就 学義務の履行を求めなければならなかったし、生徒には登校を促さなければならなかった」と批判する。

 西中が、教育機関としての責任を投げ出し、生徒のアルバイトを「職場体験」にすり替えて容認。市教委もチェックを怠り、会社も法を守らなかった果てに、将来のある子どもの命が犠牲になった。

<労働基準法> 労働に関する規制などを定めた法律。年少者が15歳に達した日から最初の3月31日が終わるまでの使用を原則として禁じている。

 主に非工業的な事業で健康と福祉に有害でなく、労働が軽易なものについては13歳以上、映画や演劇の仕事なら13歳未満の児童でも、勉強に差し支 えないことを証明する校長の証明書などを添えて申請して労働基準監督署が許可すれば、修学時間外に使用することを例外的に認めている。

<職場体験> 生徒が事業所などの職場で働くことを通じ職業や実際の仕事について、体験したり働く人と接したりする学習活動。2008年度の学習指 導要領の改定で、中学校では職場体験活動を重点的に推進することになり、10年度は公立中学校の97.1%で実施された。文部科学省によると、職場体験は 学校の教育活動として実施するもので、生徒や保護者が個別に希望して認められるものではない。