こんなカワイイ子供たちの表情から、楽しいエンターテインメント映画をイメージしていたのですが、
子供たちの日常を通して、インドの児童労働にスポットを当てた映画だったのです。
日本では児童労働といわれてもピンときませんが、アジア、アフリカの発展途上国は勿論のこと、
ヨーロッパや北アメリカの先進国でも存在するそうです。
国際労働機関ILOの発表によると、2013年全世界の児童労働者推計は1億6795万人。
2008年からは6年間で4700万人減少しているそうですがまだまだ大きな数字です。
インドというと、昨今ITを中心とする経済の躍進や、二けたの九九など数学教育のレベルの高さに
注目が集まっていますが、貧富の格差は大きく「インド 児童労働」でググると、沢山の記事がヒット
するのです。
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ス タ ン リ ー の お 弁 当 箱
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< ストーリー >
明るい性格で、いつも楽しい物語を創作してクラスメートを笑わせているスタンリーは人気者だ。
ある日、顔にあざを作って登校したが、得意の話で皆を笑わせた。家庭に事情があるらしく、
スタンリーはお弁当を持ってこれないため、昼食の時間が近づくと教室をそっと抜け出し、水道水を飲んで
空腹を紛らせていた。そんな彼を見かねたクラスメイトたちは、自分たちのお弁当分を分けてあげることにする。
しかし、子供たちの弁当をあてにしている国語教師は自分が食べれないと激怒し、弁当を持ってこられないなら
学校に来る資格がないと言い放つ。
スタンリーはその日から学校に来なくなってしまい…。
スタンリーの事情は全く語られず、顔のあざやお弁当を持ってこられないことでなんとなく事情が察せられるも、
子供たちの屈託のない笑顔や、ともだちを思いやり助け合う微笑ましい姿に見ているこちらも微笑んでしまいます。
そんな中、社会情勢が日本とあまりに違うので、国語教師の行動に戸惑いました。
他人の弁当を盗み食いするは、子供の弁当も当然の如く食べ、スタンリーが分けてもらったことに
激しく怒り暴言を吐くのです。
ただでさえ肩身の狭い思いをしているスタンリーに、教師としてこの所業は如何なものか。
因みにかれらがかよう学校はカソリック系で校長先生は神父さん。
スタンリーのような境遇の子供たちになんとか配慮できないものかと胸が痛くなりました。
子供たちの無邪気な日常と、とんでもない国語教師とのストーリーの後語られる衝撃の事実~!
・・・ ネタバレあります ・・・・・
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実はスタンリーは、両親が亡くなり叔父に引き取られたのですが厄介者扱いされ、学校から帰ると
毎日夜遅くまで飲食店の厨房で働かされていたのでした。厨房の隅で寝起きし、身支度をして
学校へ通っていたのでした。
何と健気な・・・
事情を聴いた飲食店の料理人の優しいお兄さんが弁当を作ってくれるようになるのですが、
それをお母さんが作ってくれたとクラスメートたちと分け合うスタンリーにまたまた胸が痛くなりました。
ええ子やねぇ~。
最後に「インドの就労児童は1200万人、家業も含むと5000万人…」のテロップが出ます。
無邪気な子供たちの日常を描きつつ、自国の児童労働を見つめた社会派映画でした。
本作の監督は、件の非常識な国語教師を演じるアモール・グプテ氏。
そしてスタンリーを演じるのは監督の息子パルソー君なのでした。
本作の前売り特典は映画に出てくるスチール製3段重ねのインド式のお弁当箱だったらしいのです
特典のレベルをこえてるでしょう?!
欲しかったなぁ~!
思っていたよりも、もっと社会派の作品なんですね
機会があれば、観てみようと思います。
社会派作品だったので驚きました。
是非、子供たちが協力し合って可愛いです。