映画の話でコーヒーブレイク

映画の話を中心に、TVドラマや旅行の話などを綴ります

世界一美しいボルドーの秘密 Red Obsession 2013

2015-07-23 | ドキュメンタリー
     

20代の頃はお酒強かったのですが…
あまり飲まない時期を経て、若かりし頃の勢いで飲んで、初めて二日酔いというものを経験しました。
えっ、この頭痛とムカムカ感はなに?!二日酔いってやつ?
体調が悪かったんだぁ~っと再挑戦し、またまた気持ちが悪くなり、
やっとお酒に弱くなったんだ~っと気が付きました
飲めなくなったのではなく、まぁ普通。強いわけではないというレベルです。
一番好きだった日本酒がいけません。日本酒を飲むと頭痛・ムカムカです。
そんな訳で、ビールとワインを嗜んでます。
これまた不思議なことに、白ワインが好きだったのに、あるときからすっかり赤ワイン派になりました。
何があったわけでもないのに、渋くて苦手だった赤ワインを美味しいと感じ、スッキリ感が好きだった
白ワインがなんだかなぁ~と美味いと思えなくなりました。
何なんでしょうね? 未だ謎。加齢による味覚の変化でしょうか。
お酒好きの年上の女性の友人数人にリサーチするも、そんな変化はないとのこと。ムムム…。
そして私は赤ワインを適量楽しんでいます

      *************************

         世 界 一 美 し い ボ ル ド ー の 秘 密
 
      *************************



フランス ボルドーワインのビジネスの側面と赤ワインに魅せられた人々を追うドキュメンタリー。
2000年前にボルドーにブドウ峨伝えられ以来何世紀にもわたって育み守り続けられたボルドーワイン。
子供を育てるがごとく、恋人に愛を語るがごとく愛情を持って関わっていると篤く語るシャトーCEOたち。
受け継がれた歴史であり、魂であり、スタイル・DNAなのだと。
自らもワイナリーを持つコッポラは「単なる農産物でなく『奇跡』だ」と語ります。
ワインの味を左右するのは、気温・雨量・日照に風。
ワインの格付けを初めて命じたのは、かのナポレオン3世(1885年)だそうです。
ヴィンテージと言われる物は100年に5回ほどしか出ないそうなのですが、1961年、1982年、
次いで2009年と2010年は連続で当たり年だったそうです。
そして飲み物というより投資対象になり、1982年以降は株や金よりワイン投資の方が分がいいとか。
投資ったって本来飲み物だし、飲んだら終わりでしょ?長く置き過ぎたら品質が変わって酢になるよ
と思うのですが…。
1本500ユーロ、12本入りケースが40000箱→2億4千ユーロ。ざっとこんなもんさと笑いが止まらない
輸出マネージャー。買っても箱を開けずに数年寝かせて転売すれば大儲けさ~。
2010年物の価格は2009年の4割増し!値段の高騰と金融危機で従来の顧客が離れ、代わりに登場
したのは・・・そう、中国人。そして価格は一気に急上昇
中国人にとって、ワインは成功の証。中国人はやっぱり「爆買い」ですわ。
家に飾った大量のボトルを前に、一番高いワインは1本50000ドルと言って高笑いするおっちゃん。
中国人の好みのシャトーは「ラフィット」と「ラトゥール」だそうです。
中国人の縁起担ぎに合わせ、2008年のボトルに縁起の良い漢字「八」の付けて媚びるフランスシャトー。
80ケース(1億5千万円)を即決、キャッシュで支払った人がいるって
香港のオークションで1本150万ドルで落札したわと笑顔で語る女性は一体何者?!
欲しいものは絶対だれにも渡さない、自分の物にするのが目的で飲むかどうかも分からないと。
そして次に起こるのは・・・?    偽造です。
有名シャトーの空瓶が500ドルで売買されるので飲み終わったら瓶を割るか持ち帰るという件の女性。
皮肉なことに偽造品がでるのは価値ある高級品の証と苦笑いするフランスのシャトーオーナー。
模倣は偽造ではなく、素晴らしい作品への尊敬の証だという中国人。
そして…なんと中国にフランスそっくりのシャトーを作る者。(真似ではなく自分のイメージだと胸を張るオーナー)
フランスのシャトーを買い、熟練の職人を雇いフランスで生産したワインを中国で売る者。
中国本土で本格的にワイン生産を行う者。
最大顧客がいつの間にかフランスワインのライバルに。
40年後には巨大マーケットの需要を満たすべく、中国は世界最大のワイン生産国になるだろうと。
実際、西部の砂漠地帯の自治区に巨大プラントができ、2011年中国ワインが国際的な賞を受賞!
一方、2011年ボルドーは気候不順で不作となり価格は大暴落。バブルは弾け中国人のボルドー熱も
陰りを見せる。狂乱の時は過ぎ、祭りの後はなんだか物悲しい。
ボルドーワイン生産者の落胆と長い歴史の中浮き沈みを繰り返し生き残ってきたんだからという矜持で
本作は幕を閉じる。

クリス・パイン主演の「ボトル・ドリーム カリフォルニアワインの奇跡」では1976年のテースティングで
ボルドーワインがカリフォルニアワイン惨敗という事件が描かれています。
今やドイツ、イタリア、スペイン、オーストラリアに加えニュージーランドにチリやアルゼンチン、南アフリカなども存在感を高めているようです。今では中国には2000に迫るワイナリーがあるそうです。
いまアルゼンチンワインがお気に入りなのですが、本作を見て一度中国のワインを試してみたくなりました。

日本語タイトルからボルドーワインの歴史のような展開かと思ったのですが、さに非ず。
原題の「RED OBSESSION 赤い執着」(このREDはワインの赤と中国とかけてあるんでしょう)は
本作にピッタリです。
ワインを通して人間の果てしない欲望が生む価格の暴走と偽造、バブル崩壊という経済の流れと
中国人の逞しさを学んだ気がします。
爆買いは「超過需要」をうみ、様々な混乱を招きます。
中国人の各国での爆買いはいつまで続くのか?その先にあるものは?

日本各地で繰り広げられている炊飯器やウォシュレット、化粧品から医薬品、お菓子などの爆買いは
今後の日本経済にとって吉と出るのか凶と出るのか?
面白いドキュメンタリーでした。

ナレーションはラッセル・クロウです。



 にほんブログ村 映画ブログへ



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。