40年ほど前のオーディオでは「38cmクラスウーハーを使ったものが1流品」との事が盛んに雑誌に書かれていた。実際に30cmクラスと38cmクラスでは低域の量感や最低域再生で大きな差が有る事を実感していた。
現在マルチアンプシステムを2セット組んで鳴らしているが、チャンデバで低域のみ、中域のみ、高域のみで音を出して見ると、全体のサウンドの約70%は500Hz以下の低域で出ている。約25%程が8000Hz以下の中域、8000Hz以上の高域は約5%くらいにしか聴こえない。高域の場合は聴こえない領域で「空気感」や「音色」、「定位」等に関係して来るので、聴こえないからとおろそかには出来ない。
最近のSPシステムは居住空間の関係か?AVとの同居でスペースの問題からか?トールボーイスタイルのSPが増えている。40年ほど前もトールボーイSPは有ったが、その頃は1級品とは認められてはいなかった様に思う。
実際に38cmウーハーを使ったシステムを5セット程鳴らしているが、20cmクラスのウーハーを2発使ったシステムとは「空気を振動させる」感覚が違う様に感じて、どうしてもトールボーイSPを使う気になれない。
38cmウーハーの振動板面積を100とした場合。
①20cmウーハー×2発の場合・・・55%の面積
②30cmウーハー×2発の場合・・・87%の面積
となり、数値上は振動板の面積では38cm×1発の面積に及ばない。
低域の量感が少なくなれば、中高域のユニットもバランスをとる為により小さなパワーにならざるを得ない。全体のパワーを稼ごうとするとアンプの出力を大きくしてやる方向になる。・・・なにか「悪循環」に入り込んだような印象を受けるのは私だけだろうか?