17時頃、階下から、呼ぶ声。「ご飯出来てますよ。お腹空いとったら、どうぞ」。さすがに18時にしてもらいました。
321号線、工事してたり、拡張されてたり…。経済的に地元は潤うのでしょう。一見さんに近い身分から言うと少し残念。子供の字で自然を大切に!という看板が目に痛々しく焼き付きました。
《不動明王 ごとしケイトウの 花揺るる》
セイタカアワダチソウのような形態で赤いものが、でも、実はケイトウじゃないんです。
《干し柿と 軒下ひとり 戯れる》
昨日の宿の女将さんと、いろいろ話しをしました。すると「結局、あなたは帰るべきよ」。問題はどこへ? なんですけどね。話しの筋では、住んでる所なんですけど…。なんとも言い表しにくいのですが、「母なる故郷-Mother land」ってのがどっかにあって、そこに帰りたい、帰らなきゃと思っていまして…。歩いてると見つかるかなと。
明日は月山神社、小筑紫泊りです。明明後日に篠山に行ってみようかと計画変更中。
今日の一枚:県立土佐清水高校の校門に咲いてました。13時半頃。
この期に及んで、事前に確認しておくことを忘れていたことに気づきました。1.6キロのトンネルを歩きたくない…。前回、このトンネルの手前に旧道があるのを確認。使えるかどうか。343号線を海よりに迂回したら、何キロになるのか。着付けば出立のとき。仕方ありません、このトンネル、新伊豆田トンネルをぬけました。
事前確認がいい加減なのに加え、田野浦から四万十大橋にかけての広域農道で対応力の無さを突き突かれ…。最低な午前中。
ドライブイン水車が見えて、真念庵の文字。どうしょう。歩くにしても集中を欠いてる。700メートル…。エイ、ヤッと寄ることに。
《こと問えば モミジも揺るる 真念庵》
信心深いことなんてありません。が、この後集中を取り戻せました。
お宿、今夜は一人。前回もお世話に。聞けば、ご家族で、娘さんがこの地に嫁がれ、移住されたとか。ご主人、立川でお寿司屋さんをやってられた。女将さんと二時間話しを…。「空」の代わりに「叶う」「願う」という二字を頂く。
明日は38番を打ち、竜串を目指します。
今日の一枚:下ノ河江に向かう途中。徳島ではまだまだだったコスモスがいい感じに。
宿に着き、お風呂に入り、海岸に出ました。母なる海と大地が出会う場所…。風も凪いで波の打ち寄せる音だけ。気持ちいい…。酷暑の暗い気分を流してくれてます。
三十七番の宿坊を出ると朝靄。素泊まりだったので、朝のお勤めも失礼して路に飛び出しました。静かで、新聞配達の小母さんくらいでした。
《朝靄の 門前町に 秋の花》
市瀬遍路橋を過ぎた山道、やっと朝陽が差し込んで。
《朝陽照り 光る落ち葉の 神々し》
国道歩きは基本的に好きになれません。考えることが、どうもネガティブに。「存在の意義」なんて考えて歩くもんじゃないです。N師、Y女史からの応援メールに救われました。
灘の休憩所で、警備員の小父さんたちと話し込んできました。あれ、何を話したか…。「火水風」?
明日は足摺岬の根元に近い所まで進みます。もう、ここまで来ました。
昼飯をきちんと取らなかったので、五時半に夕食です。
今日の一枚:先ほど海岸に出ました。その時の画像です。
須崎、安和、海よりの320号線、久礼と抜け、大坂遍路道を通り、37番へと出ました。暑さがまた…。
320号線は静かで風景の素敵な道。ハマゴウが薄い紫の花を付けてました。この花、昔は浜一面に広がり、亀が上がってたそうです。
《ハマゴウと 幾年語らう 波の精》
前回見落としてたのが、久礼の街並み、漁師町のいい感じ。危なくその魔宮にはまるところ…。その魔宮じゃないのですが、新たな魔宮「存在の証明、その意味」に迷い込んでしまいました。今回、納経はしてません。もちろん本堂、大師堂で灯明し、お線香を上げ、般若心経を唱えます。だから、回っていることは証明出来ません。と言って、証明する必要があるのか…。またまた混沌です。アンジェラ・アキの「拝啓、将来の自分へ」?にあてはめて、十年後の自分に手紙を書き、その時読んだら、今回のことを証明出来るんでしょうか。
大坂遍路道に入っていけば、桜並木。春にはどうなるか…。七子峠の取り付きで休憩。
《つくつくし 背中ながるる 風涼し》
七子茶屋が営業を止めていました。56号線沿い仁井田と影野の間にあるコンビニもありません。どちらも、へんろみち保存協会の地図、P38、39に掲載されていますが。須崎から出るとお昼頃。使いたいところでしたが。
明日は中村辺りまで進みます。
今日の一枚:ハマゴウの花。7時頃。
横波スカイラインは、一人で歩くところではないかもしれません。初めは良かったのですが、だれてしまいました。浦の内の内側を歩くほうが一人歩きにはいい。
今日なにか新しいスタートをしたような気になりました。不思議なもんです。
《朝焼けに 一歩なり秋の 白ごろも》
土佐市を出て初めの汗かきポイントである塚地峠。結構、いいところです。
《野仏の 笑顔ぞうれし 彼岸花》
この峠、あちらこちらに石畳が続きます。どのようにひかれていったのか。コンクリートを使っているので古いものではない。あの石の数…。一人でやったものじゃない。以前山道の整備を二時間ほどやった事がありますが、大変でした。ちっとも進まない。地元の方々、通りがかったお遍路さんたちが持ち上げたことでしょう。ご苦労が偲ばれました。
明日は三十七番まで打ちます。泊まりはその宿坊です。
因みに、横波スカイライン、須崎の町中でまた桜を見つけました。
今日の一枚:横波スカイラインで見つけた桜。9時15分頃。
今日は日曜、なもんで二十数キロで終わり。三十五番の展望のいい石のベンチで地元の小母さんと二時間ほど話してきました。天気はそこそこ暑く蒸す感じがします。杖が湿っぽいです。
三十四番に向かう道すがら、桜が咲いてました。この時季にまさか! 道から離れ携帯にはおさめられない。デジカメに撮りました。三十四を出て、「はるの茶屋」でコーヒー。店の女主人、地元の小母さん、小父さんに見せたら、間違いない。そしたら小母さんの家ね庭では、桃が咲いたわよ、とのこと。店先のヤマブキも咲いたし…。一時、朝晩冷え込んだらしいです。曼珠沙華だけはお彼岸に狂わず咲く、不思議やねぇ、と女主人。
《花咲いて 秋のヘンロ路 多彩なり》
私の距離のリズムが変わっているのか、自転車組に歩きが多いというのですが、ほとんど会いません。不思議なもんです。
明日は三十六番を打ち、横波道路、須崎に泊まります。土佐市内「柚の木」にて本日二杯目のコーヒーをすすりながら。
今日の一枚:高知県営フェリー種崎渡船場にて、6時半頃。
いろんな事を考え想像しながら歩いた一日で、くたびれました。天気は雲り勝ちで暑くなく、今までの中で一番歩きやすかったかもしれません。
ですが、時折みる白花曼珠沙華がいけなかった。あの白というかクリーム色というか…。そして、それは二十九番に向かっている途中、前回Y君がお饅頭を買った「へんろ石饅頭」を過ぎた頃、突然訪れました。それまでいろんな事想像し歩いてたんですが、晴天の霹靂です。今まで認めたく無かったことを認めざるを得ないんだと…、認めなさいと。
《頬なみだ 稲藁焼きぞ 目にしみて》
しかし、それは大願にも成りうるかも…。「考える」「妄想する」なんて『歩き』の時間にはあります。
救いもありました。三十二番で逆打ちの行者、恵峰(えほう)さんという方に会えました。御年七十とおっしゃられるのですが、野宿をしながら、つまり修行に来られているとか。「道端にあるお地蔵さんの顔を見てごらん。いつも笑ってるよね。」「二度目、歩きたくたくなって、仕事辞めちゃた四十後半の人に会ったな」「弘法大師に会ったか。会いたいと念じ続けると、例えば、白い犬として出てくる」などなど話しをしている間、ずっと笑ってられました。ホッとした時間でした。
二十三番以降、野宿君と会えなくなりました。
明日は三十五番まで打ちます。
今日の一枚:土佐山田町に松本大師堂というが、二十八から二十九番に行く途中あります。その少し手前辺りの畑の片隅に咲いてたもの。8時過ぎ。
時間配分がおかしな一日でした。平地勝ちなところをいいことに、休みやスローダウンせず、テクテク、テクテクという感じ。暑さは多少引いて来たような気がします。それでも歩いていると暑い…。
朝の始業前、校舎から元気な声が響いてました。
《秋空に 響く子供らの 応援歌》
安芸市内の「野良時計」を見てきました。この後、ペースを崩してしまいました…。見終わって市内に戻った時、種苗店を二ヶ所見つけたのです。そこでこの辺りの在来種の種はないかと探し回っていたら、予想外に時間を食ってしまいました。安芸豆というのがあったのですが、在来種ではありませんでした。ツル有りのサヤ豆だそうです。これが原因、それ以降リズムが…。N師から奨められた夜須町の跳ね橋も赤岡町の絵金蔵も×。絵金蔵、面白ろそうだったんですが、向いの内子座を小さくしたような芝居小屋を見学しただけ。相変わらずペース配分がうまく出来ません。
結局、4時過ぎに二十八番に着きました。
明日は三十二番まで打ちます。前回お世話になった宿、市内で催し物があとかで、一杯。種崎渡船場近くの民宿の予定です。
今日の一枚:5時15分頃27番下の唐浜海岸、室戸岬方向を望む。
昔秩父を歩いていたとき、何も考えずひたすら歩けと教わりました。昨日あたりからでしょうか、暑さにかまかけてかも知れませんが、ひたすら何も考えず歩くことが多くなりました。
奈半利の町の神社に、お七夜参りの若夫婦、おばあちゃんたちと来られてました。赤ちゃんを旦那さんが抱きかかえている姿の初々しさ。それを目で追っている奥さんの初々しさ。なんともいい情景でした。
《初々し お七夜参りと 秋の空》
で、でなんです…。十善戒に反するのですが、つい奥さんの胸元に目がいってしまいました。なんていうんですか、「母」なんですね。
《お七夜の 母の胸元 秋の雲》
明日は二十八番を打ちます。
今日の一枚:遙か彼方に足摺岬が見えます。奈半利町須川辺りで11時頃。
忘れてました。アイスクリンを食べました! 最高でした。
暑さの下、ほぼ何も考えずひたすら歩いた、そんな一日でした。
波、面白いもので、二十四番までかなりのうねりがありました。が、そこを回り込むと、少し穏やかになったのでした。
《秋風に タバコの香り アミ繕い》
二十六番から室戸岬がきれいに見える。二十四番から街に下るジグザグの坂がみえるんですね。前回は雨の寒い日の印象で、そう言ったことに気付けませんでした。
明日は二十七番のピストンです。
今日の一枚:室戸岬を歩く。11時半頃。