アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

福蔵寺ご縁市に出ます。

2012-07-18 23:31:57 | イベント出店情報とそのほかのお知らせ
   今年2回目のご縁市がひらかれます。場所はいつもの豊田市旭地区の福蔵寺。農業での自立を目指して移り住んだ若者たちの会社m-easyが主宰しています。

   アンティマキは1回目の昨年7月の市から参加(コチラ→)。回を重ねるごとに、にぎやかで親しみのある楽しい市になっています。前回の市は5月の連休真っ只中の3日。お店も増え、訪れた人も増えていて、あっというまに忙しく終わった一日でした。帰り際、荷物を持ってお寺の前の坂を下りていると、地元のご婦人らしい人が私に向かって、「こういう市、いいねえ」と話しかけてきました。

   よそから参加したわたしたちも、都会から訪れたお客様も、地元の旭の人たちも、みんな満足できたイベントだったのだなあ、とあらためてそのとき思いました。きっと今度の市でも、なごやかで明るい笑顔がたくさん見られることでしょう。

   アンティマキは今度も参加。持っていく品はまだ検討中です。詳細は以下のとおりです。

  *日時;7月29日(日)10時から2時半ころまで
  *場所:豊田市旭地区福蔵寺 豊田市大田町蟹田6
  *問い合わせ;m-easy ℡0565-68-3025

   
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ムラサキ菜と金時草の染め

2012-07-18 21:11:10 | 草木染め
  私がひそかに「台所染色人」と呼んでいる北設楽郡東栄町の友人、Kさんから、彼女の畑で採れた金時草とムラサキ菜が届きました。Kさんは、昨年私の講習会で草木染めの楽しさを知って以来、いろんな野菜や草花を台所で煮出しては染めています。私が染めたことのない植物も多くて、とっても勉強になります。

   今回送ってくれた二つの野菜は、どちらも彼女が染めてみていい色が出たものです。それで、わたしにも染め材料として送ってくれました
 
  こちらが金時草。はじめてみた野菜です。食べてみたかったので、普通にゆでてゆで汁で染めてみました。

  Kさんはこの野菜からムラサキ色を出しました。でも、わたしは出なかった。そばにあった重曹を入れてみたら、かろうじて薄い緑色が。彼女は塩茹でしたそうなので、塩の影響が出たのかもしれません。左が金時草です。
  ムラサキ菜は、以前、彼女が青色が出ることを発見したからし菜(コチラ→)に似た野菜。やはり今回も彼女は青色を出しました。でも、私は何も出なかったので、重曹を入れてアルカリ水に。そうしたら、ようやく美しい濃い緑になりました。右のハンカチがそれです。

  彼女が染めた布の写真。携帯で送ってくれました。上の白っぽいのがムラサキ菜、下の紫っぽいのが金時草です。私の場合とはまるで違う色が出ています。何が違っていたのか。不思議です。

  Kさんから届いた荷物の中には、この二種の野菜以外に、北あかりという品種のじゃがいもときゅうり、それに、千成ほおずきという名の食べられるほおずきの苗もたくさん入っていました。今の季節、お天気がよければ終日畑に出ている彼女の、丹精こめた作物、よろこんでいただきました。
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グリーンママンの5周年記念朝市に出ました。

2012-07-17 22:12:05 | イベント記録
   昨16日、豊田市寺部の守綱寺の広い境内で、グリーンママン朝市の5周年記念際が行われました。一面の草地の周辺には大きな木々が生い茂り、空は真っ青。梅雨明けを思わせるような快晴の一日でした。

   前日深夜まで焼き菓子製造に追われていた私の睡眠時間は2時間。そのせいかどうか、いままでになく、忘れ物の続出でした。まずひとつはカメラのピクチャーカード。仕方なく携帯で撮ったため、こんな小さい写真になりました。大きくする方法はあるのでしょうが、知らないので、そのまま載せます。立っているのは、アンティマキと奥三河Three trees+のお助けウーマン、わこさんです。

   二つめの忘れものは、試食を入れる容器。お客様へのサービスのために持参したハーブティー用の紙コップで代用しました。たぶん、とても取りづらかったと思います。忘れ物はあとひとつあった気がしますが、何を忘れたか忘れました。

   この日は20店舗近くのお店が出ていたようで、かなりの賑わいでした。チエ流マクロビオティック料理教室や草木染め講習会、アンティマキのパンとスコーンの講習会などに参加してくださった方々もたくさん来られ、たのしいひとときを過ごしました。
  
   昨日朝の告知どおり(コチラ→)、ブルーベリーの生果ももって行きました。野入町でブルーベリー栽培を手がけている三木さんの農園で採れた実です。すばらしく大きくて、見た人はみんなびっくり。昼までにすべて売り切れました。

   アンティマキの焼き菓子とパンも売れ行き好調。夜なべした甲斐あって、こちらも完売しました。でも、いそがしくて、他のおみせにはほとんどよれずに終わってしまいました。

  午後1時から2時半までは、特別企画のスライド上映と対談が行われました。スライドは、写真家大西暢夫さんが撮った福島県新館村の写真、対談は、大西さんと名大準教授の高野雅夫氏(コチラ→)。わこさんは本堂でのスライド観賞と対談の聴講に。わたしはひとり店番していました。午前中は暑くて苦しいほどでしたが、平地の暑さに慣れてきたのか、午後は少しましに。いすに座っていると、木々をわたる風が心地よくふいてきて、何度も居眠りしてしまいました。

   イベントが終わるころ、足助の「りんごの木」のカキ氷を注文。最後の一個でした。梅シロップのかかったきめの細かい氷は渇いたのどにここちよく吸い込まれるよう。おしいかった! 氷はちゃんとしたガラス器に入っていて、+50円でその器ももらえるとか。わたしは最後ということでおまけしてもらえました。これです。
 
   グリーンママンの朝市、来月は夏休みのためお休み。9月から再開しますが、アンティマキは10月以降参加の予定です。またあらためて告知します。
 
   
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きょうはグリーンママンの5周年記念朝市!

2012-07-16 02:15:00 | イベント出店情報とそのほかのお知らせ
    毎月1回開かれるグリーンママンの朝市に出るようになって、ちょうど1年経ちました。今年は、朝市が始まって5周年め。きょう、16日に記念の市が開かれます。場所は、豊田市寺部の守綱寺。いつもと違って、広い境内でのイベントです。

   アンティマキが出品するものは、穀物クッキー4種にオートミールと玄米粉のクッキー、くるみ黒糖スコーン。こねないパンシリーズは、甘い小豆のパンとハーブとオイルのタカキビ入りパンのほか、チーズとドライバジルのパンも持っていきます。こちらは今日が新発売。チーズのうまみがよく出ている食事パンです。

   前回持っていって好評だった玄米おかゆパン、きょうは少しやわらかめの生地にしてみました。それに、おからのガトーショコラ。

   そして、きょうのおすすめは、生ブルーベリー! 稲武地区の野入町で4年前から栽培を始めている三木さんの農園で育った、大きくてジューシーなブルーベリーです。品種別に3種出品しますので、種類ごとに微妙に違う味を楽しんでください。本日アンティマキが持っていくブルーベリースコーンにはさんだジャムは、この三木さんの農園で育った実で作ったものです。


   イベントの詳細は以下のとおりです。

  *日時:7月16日(月)・祝日 10時から午後3時半ころまで
  *場所:豊田市寺部町2-27 守綱寺 駐車場は、近くの八幡神社かふれあい広場をお使い下さい。
  *問い合わせ先:080-5027-3022(グリーンママン 宇角さん)
  *グリーンママンblog:http://ameblo.jp/green-mamann/
  
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ねじ花が咲きました。

2012-07-15 09:28:37 | アンティマキの場所に生きる動植物
   今はほとんど見かけることのないねじ花。数年前1本見つけたのですが、その後毎年同じ場所に咲きます。

   今年は8本も咲きました。こんなにたくさん咲いたのは初めて。自宅から車庫に至る道なのに、草刈りを怠っているせいで、雑草がのびのびしてきたからかもしれません。

   ピンクのねじれを辿っていくと、小さな虫がついていました。不思議な形の、魅力的な花です。

   このねじ花を見るたびに思い出すことがあります。昔、滋賀県の琵琶湖博物館ができて間もないころだったか、取材に訪れました。そのおり、玄関前あたりの花壇に、このねじ花がたくさん咲いているのを見つけました。

   自生しているのかと思って驚く私に、館長が、「なるべくもともとあった草花を自然な形で育てたいとおもって栽培しているのです」と答えました。続けて館長は、苦笑しながらこんなことをいわれました。「地元の方々にはこの花壇、不評なのですよ。自分の町にできた立派な博物館の庭の花は、もっと華やかなものであってほしい、というのです」

   パンジーやマリーゴールドの派手な色彩に比べたら、たしかにねじ花は地味です。人目はあまり引かないかもしれませんが、楚々とした風情はこころ和むものがあります。

   15年以上経ったいま、滋賀の人たちの意識はたぶん変わり、ねじ花の魅力を再認識していることだろうとは思うのですが、当時すでに「栽培はなかなかむずかしい」と館長がおっしゃっていたので、いまも、あの玄関周辺にねじ花が咲いているかどうかわかりません。いつか機会があったら、知っている方に確かめてみたいとおもいます。
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おいでん・さんそんず

2012-07-15 01:22:58 | 稲武のモノ・コト・ヒト・バ
   豊田市の山間地域で、ブログやホームページ、フェイスブックなどを通じて情報発信しているUターンやIターン者の中から、「とよた山里暮らし通信員」が選ばれました。選ばれたのは、足助地区の高木伸泰さん、旭地区のM-easyの戸田友介さんと雨森あすかさん、同じく旭地区の横江克也さん、そしてアンティマキも。

   移住者の視点から、山里の魅力を農山村に興味のある都市部の人たちに伝えるのが、私たちの役目。豊田市のHPから、それぞれの通信員のブログなどにリンクできるようになっています。通信員の愛称は、「おいでん・さんそんず」。「おいでん」とは、このあたりの言葉で、「いらっしゃい」。「山村にいらっしゃい」と伝える人たち、という意味だそうです。

   7月14日夕方、豊田市長同席のもと、任命式が行われ、任命状をいただきました。軽い気持ちで引き受けた私は、このときになって、いささか緊張。

   お土産に、豊田市猿投地区の桃をいただきました。みずみずしくて、渇いたのどを気持ちよく通りました。自動車の町豊田は、農業県愛知を支える町でもあるのです。

   ブログでは、私の興味の赴くまま、いままでどおり多方面にわたって綴るつもりですが、通信員になったのを機会に、稲武の風物をもっと積極的に紹介したいとおもっています。
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地産地消のニンジンパン、作ってみました。

2012-07-14 10:27:45 | アンティマキの焼き菓子とパン
   アンティマキのスコーンやクッキーで使っている粉は、愛知県知多産の中力粉「アイリス」です。この中力粉で、こねないで作るパンシリーズのニンジンパンを焼いてみました。

   パンに使うのは普通強力粉。私がいつも使っているのは北海道産の強力粉「北の稔」です。立派に膨らむうえにもっちりした食感も旨みもあるいい粉です。不満があったわけではありませんが、好奇心からやってみました。

   前夜仕込んだ種を朝見ると、いつもより水気が多そうです。でも膨らんでいます。焼いてみると、過発酵気味にはなりましたが、ちゃんと膨らみました。味はわるくない。水分量をちょっと控えれば、十分おいしい。試してみてよかった。

   というわけで、本日どんぐり横丁に納めるニンジンパンは、愛知県知多産の中力粉を使ったパンとなりました。ついでにいうと、ニンジンは稲武産。意図したわけではありませんが、地産地消のニンジンパンができました。お昼過ぎに納品の予定です。
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チエ流マクロビオティック料理教室晩夏の部、開きます。

2012-07-13 17:34:05 | イベント出店情報とそのほかのお知らせ
   6年目を迎えたチエ流マクロビオティック料理教室、今年2回目の教室の案内をいたします。

   講師には、大阪在住の友人・初田智恵子さんにきていただいています。彼女は30代の野菜料理家。陶芸家や、妹の森ひろこさんと一緒に、食事のできる個展を開いたり、マクロビ風野菜料理のケータリングを引き受けたりと、多彩な活動を展開中です。

   彼女は一昨年から毎夏、イタリアの知人宅に滞在し、イタリアの食文化を学んでいます。今年も妹のイラストレーター・森ヒロコさん、大阪の有名なお蕎麦屋さん「凡愚」のご主人夫妻とともに出国し、14日から現地で、「野菜とお蕎麦の大サーカス」を開催の予定です(コチラ→)。   そんなわけで、今年の教室は昨年同様、夏のおわり・9月に開くことになりました。詳細は下記の通りです。 


   なお、この教室は毎回単発の講習会で、継続して行っているものではありません。マクロビオティックにちょっと興味のある方、あるいは、長年マクロビオティックをやっている方で、料理の幅を広げたい方にお勧めの講習会です。深くじっくりマクロビオティックを学びたい方には物足りないかもしれませんので、その点はご承知ください。

   ●日時:9月10日(月)・12日(水)午前10時~午後3時
   ●場所:どんぐり工房厨房(旧稲武地区・どんぐり温泉前)
   ●費用:2000円(材料費別途 1000円程度)
   ●申し込み:9月5日ころまで。先着順に受け付けます。
   ●定員:それぞれ15名。両日とも同じレシピで進めます。
   ●講師:初田智恵子(大阪在住・クシマクロビオティッククッキングスクール卒業)
   ●申し込み・問合せ先:アンティマキ(村田)℡fax 0565-82-3304
       e-mail: auntie-maki@cb.wakwak.com
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「ロングバケーション」

2012-07-13 17:14:30 | 映画とドラマと本と絵画
  先日、風邪で臥せっていたとき、1996年に放映されたテレビドラマ「ロングバケーション」を見ました。当時、ビデオに録画しておいたものなのですが、また見たくなったのです。見るのは確か3回目。気が弱くなっているとき、このドラマ、効果的なのです。浸っていると気持ちがいいのです。

   木村拓也扮する瀬名は、若手ピアニストとはいえ今一芽が出ず、山口智子が演じる南は30過ぎのとうの立ったモデル。人生に行き詰まりを感じている二人は、余儀ない事情でルームシェアすることに。彼らが自分の恋愛感情に気づく過程に、瀬名の憧れの人役の松たか子や、南の、ハンサムだけれどこれまたどうしようもない弟役の竹野内豊、それに、彼の恋人役のりょうがからんでいきます。

   どの登場人物もいい人。悪い人はでてきません。深刻な話はほとんどなく、韓ドラみたいに家族や親族とのしがらみはなし。徹頭徹尾、本人たちの気持ちの問題なので、見ていて気楽なラブコメなのですが、泣けます。心地いい涙が出ます。

   妻に逃げられた瀬名の音大の恩師・森本レオが、瀬名に向かってたびたび吐く言葉は、「壁、取っ払って下さい」。南の相棒のももちゃんこと、稲盛いずみは、ともすれば頭の中にいる「ピンクの像」のそばに逃げ込みます。主人公たちも周辺人物も、どことなく皆病んでいるのですが、言っていることはよくわかります。勝手に切れたり黙ったりすることはありません。だから安心して浸れるのでしょう。

   思い出してつい笑うシーンがあります。南は、瀬名とルームシェアしていた男と結婚する予定だったのですが、結婚式当日男に逃げられます。その男から瀬名宛に、他の女と結婚したという写真入りのはがきが届きます。そのはがきを、瀬名は南の目から隠そうとしますが、南は目ざとく見つけ、奪おうとします。争ううちにはがきは半分に破れ、南が奪ったほうには、モーニングか羽織袴姿の男だけの写真と、「わたしたち結婚しま」までの言葉だけが書かれています。半狂乱になる南に、瀬名は「私たち結婚しま・・・せん、じゃないの?」といいます。「結婚しません」などと、わざわざ写真つきで知らせるやつなどいるわけないのですが、南の気持ちをなだめるためにすぐばれるような嘘をとっさにつく瀬名。で、南の気持ちはふっとなごみます。

   泣くシーンで思い出すのは最終章のピアノコンクールの日の場面。瀬名の番になって会場が静まり返ったそのとき、大きな音がして客席のドアがあき、南が現れます。瀬名の緊張感がふっとほぐれ、演奏が始まります。このとき、わたしは、涙がわっと出てきます。

   ロンバケの流行で、中年女性たちにピアノブームがおきました。瀬名のテーマを弾けるようになりたいといって。この曲、美しくていい曲です。これだけではなくて、ドラマ全体の音楽もいいし、音楽の入れ方もとてもうまい。今回、ロンバケで検索してみたら、脚本を書いた北川悦吏子が、ロンバケの成功以降、たいへんなプレッシャーに陥ったことを、彼女自身のブログで吐露していました。賞も獲っていて、名作みたいです。

   
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「ありあまるごちそう」

2012-07-12 07:24:36 | 映画とドラマと本と絵画
  「フードインク」の前にオーストリアでできた映画で、ありあまる食べ物を捨てている一方で、餓死寸前の生活を余儀なくされている人びとがいる現実を紹介している作品です。

   のっけから衝撃的な映像がうつされます。大量のパンが運び込まれたごみ処理場。場所はオーストリアのウィーンで、次々に捨てられるパンは、全粒粉やライ麦入りのまだまだおいしそうな黒パンです。製造して2日めのパンだそうで、カビなど入っていなくて十分食べられそうなのに、なぜか捨てられています。ウィーンはオーストリア第一の大きな都市。ここで捨てられる1年間のパンの量は、第二の都市グラーツ市民の1日のパン消費量に匹敵するのだそうです。うーん、なんということだ!

   黒パンはパンの中でもとりわけ私が好きなパン。食べるとクシュッとつぶれるような白いつまらないパンなら、もったいないなと思う程度ですんだかもしれませんが、大好きな黒パンが大量にごみとして捨てられている光景に、涙が出そうになりました。

   フランスの漁場の場面では、小型漁船で獲った新鮮な魚が死後硬直で固くなっているところを写しています。身がしまっていておいしいそう。ところが、大型漁船の進出のせいで漁業もどんどん工業化されはじめ、この小型漁船の操業が年々できにくくなりつつあるというのです。大型漁船の漁法は、大きな網で深海にすんでいる魚も何もかも一挙に獲るというやり方です。しかも、長時間網の中に入れっぱなしにしているため、新鮮さが失われ、身は柔らかくなるばかり。見るからにまずそうです。それに乱獲のため、資源の枯渇につながるといいます。

    ブラジルのアマゾンでは、原生林を切り開いた土地が広大な大豆畑に変わっています。ここで作られた大豆は、ヨーロッパの家畜に食べさせる飼料にしているのだといいます。大豆はもともと北の地方のもの。それを暑いアマゾンで育てるのだから無理があります。だから遺伝子組み換えした種を蒔き、大量の化学肥料を使って土地改良し、大量の農薬を投与して育てているのです。

   そのアマゾンで、たぶん森を追われた原住民一家が、餓死寸前の日々を送っていました。彼らは、水溜りにたまった汚い水を唯一の飲料水としています。上澄みをすくってそのまま赤ちゃんにも飲ませていました。病気になるかもしれないという知識がないわけではなく、ほかに飲むものが手に入らないからそうせざるを得ないのです。彼らがなぜあのような生活をさせられているのか、映画ではよくわかりませんでしたが、アマゾンの土地の所有権は原住民にはないからなのでしょう。ではだれのものなのか? 映画のナレーターは、大豆の生産をしている大会社の社長は、その地方の県か州の知事だと、さりげなく語っていました。

  映画の中で何度か登場する食糧問題の専門家は、こう言っていました。「今の発達した世界経済なら、全人口120億を食べさせることは可能だ」 人口が多過ぎて食糧が不足しているという認識は嘘だと、彼は言うのです。ありあまっているところから足りないところにうまく食糧が回れば、餓死はなくなる、ということなのですが、この映画を見たあとでは、確かにうなづける話でした。

   でも、その回し方には触れず、映画は最後まで希望的観測を与えることなく終わっています。あくまで現実を見せてくれているのでしょう。「フードインク」と両方見ると、ちょっと救われる道がありそうな気になります。   
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