先日、風邪で臥せっていたとき、1996年に放映されたテレビドラマ「ロングバケーション」を見ました。当時、ビデオに録画しておいたものなのですが、また見たくなったのです。見るのは確か3回目。気が弱くなっているとき、このドラマ、効果的なのです。浸っていると気持ちがいいのです。
木村拓也扮する瀬名は、若手ピアニストとはいえ今一芽が出ず、山口智子が演じる南は30過ぎのとうの立ったモデル。人生に行き詰まりを感じている二人は、余儀ない事情でルームシェアすることに。彼らが自分の恋愛感情に気づく過程に、瀬名の憧れの人役の松たか子や、南の、ハンサムだけれどこれまたどうしようもない弟役の竹野内豊、それに、彼の恋人役のりょうがからんでいきます。
どの登場人物もいい人。悪い人はでてきません。深刻な話はほとんどなく、韓ドラみたいに家族や親族とのしがらみはなし。徹頭徹尾、本人たちの気持ちの問題なので、見ていて気楽なラブコメなのですが、泣けます。心地いい涙が出ます。
妻に逃げられた瀬名の音大の恩師・森本レオが、瀬名に向かってたびたび吐く言葉は、「壁、取っ払って下さい」。南の相棒のももちゃんこと、稲盛いずみは、ともすれば頭の中にいる「ピンクの像」のそばに逃げ込みます。主人公たちも周辺人物も、どことなく皆病んでいるのですが、言っていることはよくわかります。勝手に切れたり黙ったりすることはありません。だから安心して浸れるのでしょう。
思い出してつい笑うシーンがあります。南は、瀬名とルームシェアしていた男と結婚する予定だったのですが、結婚式当日男に逃げられます。その男から瀬名宛に、他の女と結婚したという写真入りのはがきが届きます。そのはがきを、瀬名は南の目から隠そうとしますが、南は目ざとく見つけ、奪おうとします。争ううちにはがきは半分に破れ、南が奪ったほうには、モーニングか羽織袴姿の男だけの写真と、「わたしたち結婚しま」までの言葉だけが書かれています。半狂乱になる南に、瀬名は「私たち結婚しま・・・せん、じゃないの?」といいます。「結婚しません」などと、わざわざ写真つきで知らせるやつなどいるわけないのですが、南の気持ちをなだめるためにすぐばれるような嘘をとっさにつく瀬名。で、南の気持ちはふっとなごみます。
泣くシーンで思い出すのは最終章のピアノコンクールの日の場面。瀬名の番になって会場が静まり返ったそのとき、大きな音がして客席のドアがあき、南が現れます。瀬名の緊張感がふっとほぐれ、演奏が始まります。このとき、わたしは、涙がわっと出てきます。
ロンバケの流行で、中年女性たちにピアノブームがおきました。瀬名のテーマを弾けるようになりたいといって。この曲、美しくていい曲です。これだけではなくて、ドラマ全体の音楽もいいし、音楽の入れ方もとてもうまい。今回、ロンバケで検索してみたら、脚本を書いた北川悦吏子が、ロンバケの成功以降、たいへんなプレッシャーに陥ったことを、彼女自身のブログで吐露していました。賞も獲っていて、名作みたいです。
木村拓也扮する瀬名は、若手ピアニストとはいえ今一芽が出ず、山口智子が演じる南は30過ぎのとうの立ったモデル。人生に行き詰まりを感じている二人は、余儀ない事情でルームシェアすることに。彼らが自分の恋愛感情に気づく過程に、瀬名の憧れの人役の松たか子や、南の、ハンサムだけれどこれまたどうしようもない弟役の竹野内豊、それに、彼の恋人役のりょうがからんでいきます。
どの登場人物もいい人。悪い人はでてきません。深刻な話はほとんどなく、韓ドラみたいに家族や親族とのしがらみはなし。徹頭徹尾、本人たちの気持ちの問題なので、見ていて気楽なラブコメなのですが、泣けます。心地いい涙が出ます。
妻に逃げられた瀬名の音大の恩師・森本レオが、瀬名に向かってたびたび吐く言葉は、「壁、取っ払って下さい」。南の相棒のももちゃんこと、稲盛いずみは、ともすれば頭の中にいる「ピンクの像」のそばに逃げ込みます。主人公たちも周辺人物も、どことなく皆病んでいるのですが、言っていることはよくわかります。勝手に切れたり黙ったりすることはありません。だから安心して浸れるのでしょう。
思い出してつい笑うシーンがあります。南は、瀬名とルームシェアしていた男と結婚する予定だったのですが、結婚式当日男に逃げられます。その男から瀬名宛に、他の女と結婚したという写真入りのはがきが届きます。そのはがきを、瀬名は南の目から隠そうとしますが、南は目ざとく見つけ、奪おうとします。争ううちにはがきは半分に破れ、南が奪ったほうには、モーニングか羽織袴姿の男だけの写真と、「わたしたち結婚しま」までの言葉だけが書かれています。半狂乱になる南に、瀬名は「私たち結婚しま・・・せん、じゃないの?」といいます。「結婚しません」などと、わざわざ写真つきで知らせるやつなどいるわけないのですが、南の気持ちをなだめるためにすぐばれるような嘘をとっさにつく瀬名。で、南の気持ちはふっとなごみます。
泣くシーンで思い出すのは最終章のピアノコンクールの日の場面。瀬名の番になって会場が静まり返ったそのとき、大きな音がして客席のドアがあき、南が現れます。瀬名の緊張感がふっとほぐれ、演奏が始まります。このとき、わたしは、涙がわっと出てきます。
ロンバケの流行で、中年女性たちにピアノブームがおきました。瀬名のテーマを弾けるようになりたいといって。この曲、美しくていい曲です。これだけではなくて、ドラマ全体の音楽もいいし、音楽の入れ方もとてもうまい。今回、ロンバケで検索してみたら、脚本を書いた北川悦吏子が、ロンバケの成功以降、たいへんなプレッシャーに陥ったことを、彼女自身のブログで吐露していました。賞も獲っていて、名作みたいです。
シーンがありましたよね?
納豆を焼いてレタスで包んで食べるというのが
その当時は、えぇ~と思ったのを思い出します。
二人がだんだん同じものを好きになり、同じ感想を持ち、同じ習慣を持つようになるところがさりげなく描かれていて、あの場面も、そのひとつですね。