アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

7月のどんぐり工房の草木染め講習会、終わりました。

2013-07-30 11:58:23 | 手作りのたべもの
   昨日は、どんぐり工房の毎月定例の草木染め講習会でした。前夜から雨が降り続き、各地ではその前からゲリラ豪雨の被害が起きていたので、開催できるか心配でしたが、朝は小降りになったので、一安心。早朝起きて、敷地内の垣根を覆っているクズの茎葉を採取しました。

   そのクズの葉と茎を刻んで、アルカリ水で煮出しました。アルカリ水で煮出すと、緑っぽい色が引き出されるのです。

   この日の参加者は6名と小学生のお子さんふたり。全員豊田市街地から来て下さいました。

   雨のため、クズしか採取できなかったので、もう一種類の染め草には、どんぐり工房の冷凍庫にしまってあったマリーゴールドを使いました。   

    小学二年生のMくん、1学年下の妹が夏休みの工作として提出する予定のバンダナを洗っています。マリーゴールドを染めるのは久々ですが、やはり、この花から生まれる黄色は鮮やかです。

    クズの茎葉で染めた布を撮るのを忘れました。1,2番液で渋い緑系の色、3,4番液で、薄いながら冴えた緑色が生まれました。

    ほかに、鍋に残ったマリーゴールドといっしょにタマネギの皮を入れて煮出し、金茶色も作りました。参加者のお一人が友人に頼まれて持ってきたワンピースを、この液の中に入れて染めてみました。はげかかったベージュの色が、若干濃い目の茶色に変わり、もうしばらく着られそうな服に変身しました。たぶんきっと喜んでもらえることでしょう。

    さて、どんぐり工房の定例の講習会、来月8月はお休みです。次回は、9月22日(日)。詳しくは豊田市広報やどんぐり工房のHPをご覧ください。
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山里学校の草木染め講習会、終わりました。

2013-07-30 11:38:16 | 草木染め
    先週月曜日・22日は、とよた都市農山村交流ネットワークが毎年行なっている山里学校の草木染め講習会が、どんぐり工房で開かれました。

    この山里学校の講習会は、草木の採取から行うところがいつもの講習会と違います。この日は、山里学校開催の折はいつも採取させていただくHさんの土地に、マルバアカソを採りに行きました。Hさんは、アカソをちゃんと残して草刈りして下さっていたので、採取はかなり簡単に終わりました。採取した茎葉を押し切りで刻んだらこんな量に!

    初参加のSさんが汲んでいるのは、桑の茎葉を煮出した染め液です。桑はうちの敷地内に困るほど育っているので、この日の早朝枝をばさばさ切り落として持ってきました。

   濃染処理をすませたスカーフやバンダナなどの布類を参加者に選んでもらったあと、各自、模様付けをしていただきます。Iさんは、ビー玉を使って模様付けしています。

   5月から毎月定例の講習会に参加しているSさん。いつも丁寧な仕事をなさいます。

   マルバアカソの煮出し液を酸化させているところです。最初煮出すときにソーダ灰を入れてアルカリ水にすると、赤い色が引き出されるのですが、それだけではまだ茶色っぽい色のまま。空気に触れさせるとワインのような美しい色に変身します。

    桑の葉からはきれいな黄色が生まれます。このTシャツは、酢酸銅の溶液で媒染したもの。黄土色になりました。もようは、端を縛っただけでできたものです。

    いろんな模様のいろんな色の布ができあがりました。大勢で染めると、作る模様や選ぶ素材がバラエティーに富んでいるので、楽しめます。手前から3枚目の風呂敷模様は複雑。Nさんの作品です。すてき!

    一番奥、右端の小さなピンクの布は、濃染処理せずにアカソの液に入れたもの。その手前の黄色いシャツも同じです。濃染処理をすると、濃くはなるのですが、どうしても茶色っぽい色になってしまいます。とくに赤系の染め草は。生のままだと、薄いけれど、美しい色になります。

     マルバアカソは、毎年山里学校で使っている材料なのですが、今回は、これまでで最も鮮やかな赤が出ました。ちょうどふさわしい季節だったようです。奥に干してある五本指ソックスは、桑の茎葉で染めて鉄媒染したものです。写真ではねずみ色に見えますが、ほんとはカーキ色になっています。

    山里学校は、9月15日(日)にも開催します。秋は、ススキやどんぐりのカクトを使いたいと思っています。ぜひご一緒に秋の染めを楽しみましょう! 問い合わせ・申し込みは、とよた都市農山村交流ネットワークまで。


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アンティマキのパンとスコーンの講習会、終わりました。

2013-07-29 18:54:24 | アンティマキの焼き菓子とパン
   先々週の金曜日・19日に、今年初めての「アンティマキの易しく優しいパンとスコーンの講習会」を開きました。

   キャンセルなさった方が数名いらしたので、当日の参加者は10名。豊田市街地のほか、名古屋、岡崎などずいぶん遠くからもお越し下さいました。

    最初にしていただいた仕事は、前の晩私が一時発酵させた天然酵母パンの生地を分量ごとに分けて型に入れること。こねないパンは、水分量が多いので手でもつとべたべたします。さっととって計り、粉の入ったパッドで簡単に形を整えます。

     小さなお子さんも一緒に作りました。

     スコーンは、クルミ黒糖スコーンとジャムサンドスコーン3種。自家製のルバーブジャム、ラフランスジャム、ブルーベリージャムをはさんで頂きました。スープは、ありあわせの夏野菜で作りました。よくよく炒め蒸しすることで味を引き出します。動物性食品やスープの素をいれなくてもこくがあるので、いつも好評です。

     パンは、3種類。ハーブのフォカッチャと甘く煮た小豆入りのパン、それに最もシンプルな玄米ご飯パンです。

    たっぷりのスープとパンとスコーン。おなかいっぱいになり、満足して頂けました。お土産もどっさりあります。

    この講習会、できれば秋にまた開きたいと思っています。いずれ予定が立ったら告知します。
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8月の三好ヶ丘ラヴィマルシェに出ます。

2013-07-26 22:10:20 | イベント出店情報とそのほかのお知らせ
   6月にはじめて出店した、みよし市の住宅街・三好ヶ丘で毎月開かれている三好丘ラヴィマルシェ。今月14日にも出ました。ついで、来月、8月4日(日)にも、下記のとおり出店します。

   *日時 8月4日(日)10時から14時
   *場所 アールビル 裏手駐車場
        みよし市三好ヶ丘緑3-1-1 さんさんバス「三好ヶ丘緑」下車すぐ
   いつもは、毎月第二日曜に開催するのですが、来月は特別に第一日曜日に開かれます。

   このマルシェの主催はサフランファーム。無農薬のサフランを栽培している農園です。マルシェでも、サフランのほか、さまざまな野菜も販売しています。

   今度のマルシェには、アンティマキとMiki-Co-laboが参加します。Miki-Co-Laboは、各種コンフィチュールのほか、自園のベリー類もできれば販売する予定です。

   さて、7日のマルシェは、暑いさなかとはいえ、空は薄曇だったので、なんとかしのげる暑さでした。

   このマルシェはビルの駐車場内が会場。こんな感じです。

   今回は、屋根のあるところに設営させてもらえたので、準備はかなり楽でした。それにテントの下より涼しい。今度のマルシェも、屋根の下です。

   このマルシェは、ささやかながらいい品を売るお店がそろっています。隣は、あちこちのイベントでよくご一緒する玄米日和でした。沖縄の麩をゲット。チャンプルーにしたら、とてもおいしくて、やめられなくなりました。もっと買えばよかった。

    見慣れない野菜を売っていたのは、四郷で無農薬の野菜を育てているコハク農園。三豊ナスという大きなナスと白いタマネギを買いました。

    静かなたたずまいの家が並ぶ中で開かれている青空市場。お近くの方、ぜひのぞいてください。瀬戸の豆腐屋・しろも毎回出店していらっしゃいます。保冷ボックスをもていくのを、わたしも忘れないようにしなくちゃ。
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よさみガーデンマルシェに出店しました。

2013-07-25 19:14:48 | イベント記録
   だいぶ日が経ってしまいましたが、7月の第一日曜日、7日催された刈谷市のよさみガーデンマルシェの出店報告をします。このマルシェもたのしかった。ただし、かなり暑い日で、文字どおりうだってしまいましたが。

   このマルシェ、夏季は、食品のほとんどの店は屋内での販売をさせてもらえるので、助かります。この日、たぶん外は優に35度は超えていたと思う。公園内の噴水のある池では、子どもたちが歓声を上げて水遊びをしていました。

   刈谷市といっても、この公園のある場所は、安城市のすぐ隣。三河湾にも近いので、マルシェには海産物も登場します。この日は、篠島の漁師さんのお上さんが、しらす干しやわかめ、大アサリ、それにタコなどを持って店を出していました。わたしは、タコとわかめ、しらす干し、それにニシ貝という巻貝を買いました。

   向かいは、知多の黒田農園さん。無農薬や低農薬の夏野菜が並んでいます。奥三河Three trees+の出店は、この日三度目でしたが、黒田さんは、こちらの山里のイベントにもお越しくださったことがあり、メイルでのやりとりも何度かかさね、懇意にさせていただいています。イベントへの出店は、お客様と直接やり取りできるのがうれしいのですが、出店なさっている方々とお話できるのも楽しいものです。

   施設の外にお店を出していたふうあい堂。オーガニックのコットンの布類をいろいろおいています。黒田さんが出店時、いつも首に巻いているスカーフがかっこいい、と思っていたのですが、こちらで求めたとお聞きし、わたしも購入しました。

   左の生成りのスカーフがそれ。さっそく首に巻いたら、気持ちよくてやめられなくなりました。右の玄米は、黒田さんの農園産。一度だけ除草剤をまいた低農薬の栽培のお米です。今年は、無農薬栽培に挑戦なさっているとか。

   さて、篠島産の取れたてを冷凍したタコ。お上さんに教わったとおりに塩をふってぬめりをのぞき、15分ほど茹でました。タコの足だけを生で買って、処理したことはありますが、頭のワタまで付いているまるごと1匹をゆでたのは初めて。でも、丁寧に紙に書いて下さったので、ちゃんとゆであがりました。

   ぜいたくにぶつ切りにしたタコをほおばりました。うまい! こんなおいしいタコ、食べたことがない。100円ちょっとで、この日と翌日の夕食に、家人と二人、十分満喫できる量でした。この日以来、スーパーで売っている蒸しダコはもちろん、生のタコも買う気がしなくなりました。たぶん、あれほど新鮮でおいしいタコではなかろうと思って。

   さて、マルシェに出店しながら、自分が買った品物の話ばかり書きましたが、ちゃんと商売もいたしました。出店三度目なので、見覚えのあるお客様にもちらほらお会いできました。「またきてくださった」とわかるのは、とてもうれしいことです。

   なお、来月はよさみ出店はお休み。かわりに三好ヶ丘ラヴィマルシェに出ます。詳しくはおって告知します。よさみガーデンマルシェには、さ来月の9月1日(日)に出店する予定です。








   

  
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どんぐり工房、6月の草木染め

2013-07-25 18:33:54 | 草木染め
   ひとつき前の、どんぐり工房での毎月定例の講習会の報告です。6月22日日曜日に開かれました。

   この日の染め材料には、工房の庭に勝手に生えてきたアップルミントと、おなじく植木に絡まっていたクズの茎葉、それに私が持っていったタカキビの殻を使いました。

   クズの葉を採取してくださっているのは、Kさん。5月の講習会にはじめておいでになり、この日で二回目の体験をなさいました。5月はインド藍でスカーフを染めたのですが、ご家族に気に入られて「持っていかれてしまった」とか。それで、またこの日もスカーフを何枚か染められました。今度はご自分用にと。

   KさんとこられたのはSさん。かれも、先月につづく二度目の参加です。押し切りは、お二人とも昔使ったことがある道具だそうです。家畜の飼料となる草を刈るのに、子供の頃やらされていたそう。

   ミントとクズで黄色。銅の媒染にすると黄土色のような色になります。タカキビは美しいピンクに。何度染めてもきれいだな、と感嘆します。

   工房の建物の外側に新たに作られた物干しは、竹細工や木工のインストラクター、伊藤和久さんがg作ってくださったものです。木枠はチェーンで吊るされているので、高さの調節は自由。木枠に入れた切込みに細い竹の棒をかけて干します。狭い場所なのに、たくさん干せる優れた道具です。考案した伊藤さん、すごい! これまでは干すところが少なくて困っていたのですが、これからはかなりの量があっても、大丈夫です。

    この日の参加者は4名。和気藹々と楽しめました。
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三木さんの農園のカシスでジャムを作りました。

2013-07-25 17:34:51 | 稲武のモノ・コト・ヒト・バ
   はじめて、カシスのジャムを作りました。材料にしたカシスは、稲武野入町の三木さんの農園で採れた実です。


   三木さんの農園は、ブルーベリーを主に、ブラックベリー、クーズベリー、クランベリー、それにカシスなど、小さな実のできるべりー類の木々が豊かに育っています。この農園は、奥三河Three trees+のメンバーの一人、Miki-Co-Labo主宰のミキカズコのご主人が経営しています。

   いま、農園でたわわに実っているブルーベリー。北部ハイブッシュ系のブリジッタという品種です。大粒で甘い。

   葉陰に見えるのがカシス。和名はクロスグリです。昨年来、三木さんのベリー類のファンになった友人が、カシスのジャムの色のよさとおいしさをしきりに説くのでわたしも試してみたくなり、三木さんに頼んで、そろそろ収穫期が終わりかけた畑で最後の実を採らせてもらいました。

   カシスの香りは独特です。そのせいで、虫が少ないのだとか。わたしには芳香なのですが、虫にとっては避けたい臭いらしい。

   採った日の晩、重量の30%の粗糖をふりかけ、冷蔵庫に。翌々日鍋に移し変え、中火にかけました。ブルーベリーなら、一晩砂糖を降りかけておいたら、翌日はかなり水分が出るのですが、カシスは皮が固いせいか、あまり水分は出ていません。

  それでも、15分から20分ほど煮ると、トロッとしてきてジャム状に。ジャムの部分は真黒ですが、鍋肌は血のように赤い。

   熱いうちに熱湯消毒した瓶に詰め、軽く蓋をして10分ほど蒸しました。

   出来上がりです。皮は少し口に残りますが、障りは感じません。濃厚な味です。ほぼ満足のできる仕上がりになりました。

   上の写真は、今月9日に豊田市寺部町の守綱寺で開かれたグリーンママンの朝市に持っていった三木さんのクーズベリー。フサスグリです。緑色の天然石のようで、美しかった。

  さて、カシスもクーズベリーも旬は終り。ブルーベリーはもうしばらく採りどきが続き、ブラックベリーは今から。クランベリーはこれから色づくのだそうです。

   来月4日に行なわれる三好ヶ丘ラヴィマルシエには、あとしばらくベリーのリレーが続く三木さんの畑から、どれかベリー類をもって、ミキカズコさんがわたしと一緒に出店する予定になっています。ただし、お天気や畑の様子によっては、お持ちできないこともあるかもしれないので、ご了承下さい。
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シソジュースとシゾふりかけ

2013-07-23 15:47:19 | 手作りのたべもの
  梅びしおを作るのに赤紫蘇を手に入れたいと思ったのですが、地元の直売所では売っていなくて、グリーンママンの朝市やよさみガーデンマルシェなど、私が出向く市でみつからないかな、と期待したのですが、時期が違っていたのか手に入れられませんでした。仕方がないから、以前梅干しをつけたときの赤紫蘇を入れることにしようかな、とおもったのですが、念のため、豊田市街地に住む友人に、手に入る先はないだろうか、と相談しました。

  すると、すぐに彼女は自分の畑で3番手の赤しそが育っているからもって行く、と申し出てくれました。5日ほど前、彼女は、大きなビニール袋二つにいっぱい入った赤しそを畑で採れた夏野菜と一緒に届けてくれました。

  袋のひとつは三番手の彼女の畑の紫蘇、もう一つの袋は彼女の友人の畑の紫蘇だそうで、そちらで採れた青シソもおまけについてきました。家の中は、いっぺんに紫蘇のいい香りが漂い、さわやかな気分に。

  いただいた赤紫蘇の半分は梅びしおに入れ、残りはシソジュースにすることにしました。

  水2ℓを沸騰させたところに赤紫蘇を入れ、20分ほど煮詰めます。漉したあと、粗糖を400gほど入れてさらに加熱。日を止めてからレモン果汁100ccを加えました。粗糖は控えめにしました。5倍ほどの水で割ったのがこちら。きれいな色になりました。

   漉したあとの紫蘇の葉を使ってふりかけができる、とネットで検索したブログに載っていたので、真似してみました。

   まず、干します。ネットでは電子レンジで数分ずつ何回も加熱する、とありましたが、わたしは120度ほどのオーブンで20分くらい加熱してから葉っぱを広げ、さらに数分火を入れました。それでもまだ湿っている部分があったので、天日に干し、ほぼからからに乾燥したところで、フードプロセッサーに。

   塩を適宜焙烙で炒っておき、細かくしたシソと混ぜます。

   これで、できあがり。ゆかりほどの風味はありませんが、「全部無駄なく使った!」という満足感があります。おにぎりにまぜたり、おすしに混ぜたりできそうです。

   ところで、梅びしおのほうは、日にちが経つごとになじんできて、美しい色に変わってきました。このまま秋まで放置すれば、食べられるそうです。
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自然食料理の店・庵

2013-07-20 15:22:11 | たべもの
   先月末に、京都大阪に5日ほど滞在しました。ほぼたべあるきの旅だったのですが、帰宅してからあわただしい日が続き、まだわずかしかブログで紹介できていません。これからしばらく、折を見ては、報告したいと思います。

   さて、まず京都の料理屋さん、庵から。京都に行ったらぜひ寄りたいと思っていた、右京区宇多野にあるお店です。

   こちらのご主人、山崎かほるさんは、30年前に、私がマクロビオティックの雑誌の編集に携わっていた頃のお知り合いです。当時、いまほどは自然食もマクロビオティク(正食)も一般には知られていなかったのですが、それでもちらほら、体にいい食べ物を食べさせてくれるお店ができていました。

   仕事柄、そうしたお店にもあちこちでかけたのですが、そのなかで、この庵の料理は格別でした。今から思えば、「体にいいから、おいしいような気がする」料理をだすお店が多い中、こちらは、しみじみ味わい深かった。

   マクロビオティックの雑誌編集をやめてフリーになり、地方局のラジオ番組の構成にかかわっていたとき、山崎さんにスタジオにお越しいただき、玄米菜食の食事法についてお話してもらったことがあります。そのおり、彼女は、動物性食品を一切入れない、玄米散らし寿司を作ってきてくださいました。

   私以外は、玄米ご飯もマクロビオティック料理もほとんど初体験。でも、スタジオに居合わせたスタッフ全員が口をそろえて、「おいしい!」と言いました。薄焼き卵のかわりにおすしの上に散らしてあった黄色いゆばがきれいだったことを、何十年も経った今でも思い出します。

   それからずっとご無沙汰しているのですが、今回はぜひとも再訪したくて、旅行二日目の夕方、友人二人と一緒にお邪魔しました。

   京福電鉄宇多野駅のすぐそばに、変わらぬたたずまいで庵の暖簾がかかっていました。山崎さんは私よりちょっとだけ上の世代の女性ですが、あいかわらずお元気そう。きびきびした身じまいや話しぶりは昔と変わりません。

   旧交を温めた後、出してくださった八寸。数が多くてボリュームが多いのに、一同びっくり。

   いま、手帳を見たら、こちらの料理について、ほとんどなにもかいてありません。食べるのとおしゃべりに夢中だったみたいです。だから、それぞれの料理名をよく覚えていないのですが、たしか右上、はもに似たものは、お鮨、右側はみりんかすを使ったこぼれ梅、青唐辛子にはクズのようなものの詰め物がしてありました。どれもひとつひとつの味にメリハリが利いています。

  最近のマクロビ系のレストランでよく見られるのは、とにかく全体が優しい味になっていること。それはそれでおいしいのですが、せっかくの晴れの外食、インパクトがほしい。その点でも、こちらの料理は見ても食べても楽しい。

   次はたしか、豆腐の蒸し物が出てきたような気がしますが、写真を撮り忘れました。これが、おいしかった! おだしは、昆布と椎茸でとっていると思うのですが、味が奥深い。豆腐を上から崩して行くとだんだん違う味にあたります。最後の百合根がこれまた素晴らしかった。

   次が炊き合わせ。ぎりぎりまでの薄味。それだけに、野菜の味がしっかりします。右側の油揚げの巻物がとくにいい味でした。

   次がてんぷら。上に載っている長いのは、アスパラです。衣は米の粉なのか、カリカリしていて香ばしい。

    ゴマ豆腐です。ねっとり濃厚。これまでの料理と違って濃い味の醤油がたっぷりかかっています。

    焼き物は加茂なすの田楽。なすのとなりはたしか百合根の焼いたのです。このころになると、かなりおなかいっぱいに。途中、わたしだけ、玄妙という名前の純米酒をいただきました。精米歩合65%というのに、すっきりしたお酒です。

    こちらはたしか、生麩。枝豆かソラマメの煮汁のようなだしの味がおいしかった。

    もう、はいりそうにない、といいながら、「いつでもストップしますよ。遠慮なく申し出て下さいね」と、給仕に出た山崎さんのむすめさんがおっしゃってくださったにもかかわらず、次に何が出てくるかが楽しみで、食いしん坊のわたしは、中断せずに最後まで持ってきていただきました。で、最後に運んでくださったのが、こちらのお膳。これで、ご飯は締めです。

    締めにしては、立派なお膳です。玄米ご飯、味噌汁、漬物に和え物2種。それと、そうめんをサービスして下さいました。

    デザートはこれ。一番下は梅、上はブルーベリー、真ん中は豆腐の寒天寄せです。すべてぺろりと平らげ、大満足の豪華なディナーが終わりました。

    夕方の4時にうかがって、おいとましたのは8時。4時間近くかけておいしいご馳走とおしゃべりを楽しみました。こちらは、完全予約制。この日は、わたし達3人だけだったので、気兼ねなく長居してしまいました。お店の中の写真をとるのを忘れましたが、山崎さんのお宅のお座敷に招かれて、おいしい料理をご馳走していただくような感覚で過ごせます。

    庵
    京都市右京区宇多野御池町20-13
    ℡ 075-461-5911 
    午前11時半~午後6時半までに入店 
    不定休
    コース料理 3500円、4000円、4500円

    ちなみに、私たちは4500円のコースをいただきました。同行した京都在住の友人は食が細く、食事中何度も、「この先食べられるかしら」と気にしていましたが、結局わたし達と一緒に完食。あとで電話で話したところによると、危惧した胃もたれはまったくなかったとのこと。「こんなこと、珍しい」と感心していました。

   
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梅びしお

2013-07-20 11:23:47 | 手作りのたべもの
   今年は、家の梅は不作だし、よそからもらえそうにない、とあきらめていた梅ですが、友人から「もらってくれる?」と声がかかりました。

   ずっと昔、新聞記事で見つけて一度だけ作ったことがある梅漬けがあります。とてもおいしかったのですが、かなり面倒だったという記憶があります。最近になって、あの梅漬けをもう一度食べてみたいとおもったのですが、名前すら忘れていたので、探しようがありませんでした。

   梅をもらってから、ふと思いついて、昔のスクラップブックをめくってみたら、すぐに見つかりました! それで作ったのが、梅びしおです。紫錦梅(しきんばい)ともいう、水戸に古くから伝わる梅漬けだそうです。

   つくり方は単純です。梅の実と塩と赤紫蘇を漬けるだけ。普通の梅干しと同じなのですが、最初が違います。梅の実をすべて割って、種をのぞくのです。

   この工程が昔はやたらめんどうだったのです。でも、いま、わたしは梅の実割り、という道具を手に入れているので、簡単でした。この道具は、草木染めでクルミの青い実や渋柿を割るために買ったのですが、本来の役割を果たしたのは今回が初めて。けっこう楽しい作業です。

   この梅漬けは、落ち梅や完熟しすぎの、梅干しにならないような梅を処理するための加工食品。でも、私が友人からもらったのは、表面こそそばかすが出ていますが、まだりっぱに青い状態の梅です。完熟を待とうかとおもいましたが、熟さずに傷んでしまいそうだったので、青いまま、漬けることにしました。
   
    種をのぞいた梅2300gに、塩を、その2割の460g容器に入れ、混ぜます。その後、様子を見てはかきまわしました。新聞の切抜きには、「ガラス瓶に入れてよくまざるように振る」とありましたが、たくさん作ったので振るのは不可能。それで、手でかきまぜたのですが、これでは酵素ジュースを作るときと同じなので、酵素が出てしまってよくないかな、と途中で気がつき、しゃもじを使うようにしました。

   全体がなじみ、カビの心配がなくなった頃、赤紫蘇を梅の重量の1割用意します。よく洗ってから、紫蘇の量の1割の塩でよくもみ、固く絞ってから、梅漬けの上に広げます。そして、全体をかきまわします。そうしておいて一晩経ったのがこちら。

   まだ、赤いところと青いところがありますが、いずれ梅干し色になるはずです。ただし、昨夜紫蘇を入れた段階で、水気が少ないのが気になり、梅酢を足してやりました。

   完熟梅を使っていないので、じゅくじゅくした感じが少なくて、前に作ったときとは様子が違います。でも、そのうち、多分なじむのでしょう。この梅漬け、干す手間もないし、出来上がった梅の種をとる必要もないので、楽。和え物に使うときとかにも、すぐに利用できそうです。

   ところで、新聞の切抜きには、取り除いた種を煮出して漉せば、ふきんなどの消毒用に使える、と書いてありました。それで、何回も煮出して1リットルのペットボトル分1本半ほど液を作りました。ときどき、洗い物が終わったあと、流しに振り掛けたり、ふきんをつけておいたりして使っています。
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