5月の染め講習会は、葛と藤と桑と蓬を使った緑葉染めを行いました。
庭先の石垣の間からぐんぐん伸び始めた藤。
こちらも伸び始めた、まだ柔らかい葛の蔓と葉っぱ。
桑も、伸び方が今年はいつも以上に早い気がします。そして蓬。こちらは工房の庭先で採取しました。
春の時期だけにできる緑葉染めは、水にソーダ灰を入れて煮だすことで、緑色の生まれる染め方です。黄色系の色の成分が先に出やすいので、一番液はいつもはあまり使わないのですが、今回は最初から渋い緑色が出ました。それで、1番液と2番液を足して染めたら、こんな色になりました。あざやかな緑ではないけれど、渋めのお茶色、とでも言いたい色。
こちらはコナラ。敷地内に育ちすぎたこの木を先日家人が伐り始めたのですが、わけあって、中断。講習会の前日、その場所に行ってなんとなくこの木を見ていたら、突然風が吹いてきて、ギシギシと音が。と、目の前で、どどっと木が倒れました。太さは直径15センチほど。高さは結構ありました。すぐに、倒れてきそうな場所から逃げたので、事なきを得ました。いいところ見られた! で、倒れた木の枝を採取してきて、枝葉の煮だしをしてみました。
こんな色です。黄色のようなベージュのような、穏やかな色です。クリやシラカシと、同じ系統の色が出ました。
鉄媒染したコナラ。左端の茶色の糸は、鉄媒染のあと、消石灰の上澄み液につけたものです。スカーフの模様は、紐をぐるぐると巻いただけ。おしゃれなスカーフになりました。
シミのついてしまった白いブラウスがよみがえりました。
こちらは昔のおかあさんたちのエプロン。
レースのピアノカバーを持参した方がいらっしゃいました。見ただけでは化繊か綿かわからなかったのですが、染めてみたら、冴えた黄緑色に。着物のショールになりそうなすてきな一品になりました。
こちらは蒸し器用のふきん。茶色っぽくなり、破れもあるものなのですが、こんなきれいな色に変身。粗い織なので、夏、首に巻くのによさそう。破れたところを繕うか隠すかしたら、りっぱなプチスカーフの出来上がりです。
古い木綿の蒲団綿をガラ紡の機械を使って紡いだ、アップサイクルの糸。右から、コナラ鉄媒染&消石灰、コナラ銅媒染、緑葉染め、コナラ銅媒染、コナラ鉄媒染。豊田市松平地区で、昔盛んだったガラ紡績の稼働の再開を始めたおぎゅうの里の野々山大輔さんの作品です。
ご自分で染めたり、わたしの講習会で染めたりした糸。それぞれに、日本の古い色の名前が付けられています。
一日かかって、たくさんの染めができました。やっぱり染めは楽しい。次回は6月30日金曜日。いつもはたいてい第四土曜日の開催なのですが、今回は特別に平日に開きます。くわしくは、どんぐり工房のHPをご覧ください。