若尾文子主演の、1965年の映画。清作の妻 (1965年の映画) - Wikipedia
時は明治。日露戦争開戦前夜。貧乏で村から夜逃げした一家は、都会のあばら家で暮らしている。一人娘のヒロインお兼は、呉服屋のご隠居の妾になって、一家は何とか糊口をしのいでいます。
殿山泰司ふんするご隠居は、妾にも遺産を残して突然死します。父親の病死を機に、母とお兼は村へ帰りますが、妾だったというだけで村八分に。そこへ、「模範兵」として表彰された?青年、清作(田村高広)が村に戻ってきます。彼は恩賞金?で鐘を作り、丘の上につるして毎朝叩き、村人たちを起こします。真面目過ぎて敬遠される彼は、村人が毛嫌いするお兼にも誠実に接します。
惹かれあうようになった二人は夫婦に。でも、清作の家族は大反対。母の死後ひとりとなったお兼の住む小屋で暮らし始めます。
日露戦争がはじまり、清作は出征。一人になったお兼は周囲の白眼視と寂しさに耐えられない。清作は負傷して病院で治療を受けたあと、いったん帰郷を許されます。しかし、彼はすぐに戦場に戻らねばならない。そこで、お兼がとった行動は・・・・
清作を再び見送るための宴会の席上、乃木大将の203高地での惨敗について取沙汰されていました。明治のころはまだ軍部の悪口を言っても許されていたのでしょう。一方、「死んで来い!」と言い放つ村人も。太平洋戦争のころならともかく、日露戦争時にすでに「死にに行け」などと言っていたのでしょうか。ちょっと気になりました。
反戦映画なのですが、元妾というだけで村八分のように扱ったり、ひどい障がい者になったにもかかわらず、清作を徴兵忌避者のように糾弾したりする村人たちが、私には頑迷で狭量で、映画が終わったあとも、しばらくいやな気分になりました。