こちらに来てから知った
プレーパーク。別名冒険遊び場ともいうそうで、1990年代後半から日本での活動が始まったらしい。冒険遊び場とは、自然のなかで、遊具などを使わずに子供たちが自主的に遊ぶ場所のこと。昔の子供なら野山で遊ぶのは当たり前。でも、今の大方の子供は自然から遠ざかり、学校の放課後ただただ遊ぶということもなく、体を縦横に使うことがどんどん減っているようです。たぶんおしくらまんじゅうすらしていないとおもう。だから、あえて大人たちが、時には一緒に遊び、時にはそっと見守ってやれる場所と時間を提供したのがプレーパークのようです。
このあたりでは、刈谷、みよし、豊田で、毎月、あるいは毎週、ほぼ定期的に開いているようです。このプレーパークが、稲武にもできました。
道の駅・どんぐりの里から歩いて10分ほどの休耕地が、稲武プレイパークの場所となっている栗の木広場です。周りは山に囲まれていて、大きな栗の木や針葉樹も数本ある、気持ちのいい空間です。
この場所でできることはたくさんあります。小枝を使ってチャンバラごっこ。木の枝に絡み着いたつるをとってリースづくり。ただただ終日穴を掘り続ける、というのもあり。そしてもちろん、かけまわったりよじのぼったりも。
先々週の土曜日10日に今月最初のプレイパークが開かれたので、久々に見学に行ってきました。
今年は雪が多いわけではないのですが、低温が続き、日陰は雪が残ったままの場所が多く、格好のそりすべり場所に。
そりすべり~実はこちらに来るまでは未経験。来たばかりの15年前の冬、一度だけ夜中に自宅の裏道のスロープですべりました。以来、そのときにつかったそりはそのままほったらかしになっていたのですが、今年二度目のそり滑りを、この日のつい数日前、友人宅の裏山の坂道で体験。その家の5歳の女の子に乗り方、滑り方を教わって、ほんのわずかな距離をすべりました。それでも、スリル満点。ただ、それ以上の距離をのばす気になれず、その日は退散しました。
そしてこの日。友人に誘われるままにそりにのり、先日よりはるかに長い距離をすべりました。といっても、急坂は避けてなだらかなところだけを選んで。長い分、満足感は大きく、そのほんの数秒間、滑っていること以外なにもあたまにのぼらなかった。久々に味わった快感でした。
もくもくとそり滑りを続ける大人と子供がいるいっぽうで、広場のなかほどに組んである焚火スペースでは、おかあさんふたりが火をいじりながら歓談。昼ご飯は、たいていこの焚火に鍋をかけて汁をつくり、持参のおにぎりと一緒にみんなで食べるそうです。
こちらは、しっかり固定できるテープ。いまはやりの運動具?らしい。バランスを取りながら、あるいたり跳躍したり踊ったりするためのものなのだそうです。友人に手を取ってもらって、あるいてみました。それでもふらふらし続けで、途中でギブアップ。でも、あの緊張感、あとになってまた味わいたくなりました。
稲武プレイパークを運営しているのは、いなぶ地球子屋(てらこや)という、親子のサークルです。稲武を中心に、旭・足助地区や豊田市街地のメンバーで構成されています。7年ほど前に結成され、今はメンバーがほとんど一新。豊田市のわくわく事業の補助を受けて、童話作家・阿部夏丸さんをよんでの川遊び、城ケ山登山、草木染めなど、親子で自然と親しむさまざまなイベントを企画運営しています。昨秋は、映画「みんなの学校」の上映会を開催しました。
彼女たちのプレーパークのモットーは、「こころの根っこは遊びで育つ」。親たちはこどものすることにできる限り干渉せず、ほんとに危ないことになりそうなとき以外は、とにかく見守る、というルールを大切にしています。
20年以上前に聞いた話ですが、東京都内のある小学校で、朝授業の始まる前に子供たち全員を運動場に出してとにかく遊ばせたところ、数か月のうちに彼らの体力が向上したそうです。彼らがした遊びは、昔私たちがやっていた遊び。鬼ごっこ、陣取り、馬飛び、缶蹴り・・といった、遊具を使うのでもボウルを使うのでもなく、ただただ昔の子供の遊びを体験させたのだそうです。
また、最近ほの聞いた話では、子供たちを自然の中で好きなように遊ばせて、自ら工夫したり考えたり行動したりといった体験が多い子ほど、頭のいい子に育つとか。そういう研究論文が確か欧米で出ているそう。からだもあたまも、遊びで育つ。プレイパークのような場所で過ごす時間は、子供にとってつくづく大事な時間だなとおもいます。もちろん、子供のころ遊び足りなった私のような大人にとっても。
稲武プレーパークは、まだまだはじまったばかりなので、集まる人数はさほどおおくはありません。それで開催日はだいたい毎月1回か2回。今月は明後日土曜日24日です。来月は10日土曜日。お問い合わせはアンティマキまで。ご連絡いただいたら、地球子屋の担当者の連絡先をお教えします。