2年半ぶりに、草を採り草を食べ草の話を聞く会を開きました。場所はアンティマキの草の庭。
講師はいつもの雑草料理研究家の前田純さん。この時期、お天気が心配でしたが、上天気にめぐまれ、しかも暑くはなく、さわやかな風の吹く気持ちのいい日となりました。
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先月末、前田さんが下見をした時に数えた雑草の数は、49種類。5年ほど前、この会を始めたときは20数種しかなかったのに、どんどん数が増え、2年半前、パンデミックの直前の年の秋には40種類ほどになりました。それが何と49種。
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増えたのには、はっきりした理由があります。敷地内の東隅の隣地に生えていた7,8本の杉の木を皆伐したからです。突然明るくなり、日が差すようになりました。
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増えた草の中には、毒草もあります。こちらは先年まではなかったカラスビシャク。三つ葉に似ているので要注意です。春先にマムシグサのミニチュアみたいな形の気味の悪い奴が生えているなと思っていましたが、それがカラスビシャクの花でした。花は、いかにも「毒ですよ~」と全身でアピールしている感じなのですが、葉っぱはのぺ~としていて、あまりに普通。気をつけよう。
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こちらは前からある、ムラサキケマン。ハーブのチャービルみたいな涼し気な葉っぱで花もかわいいのですが、これも毒草。ほかに、洋酒ヤマゴボウもあったそうですが、刈ってしまいました。
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昨年だったか、前田さんが見つけてくださった二ホン茜。写真中央の十字に葉が付き、蔓になって伸びている草です。どこにでも昔はあったと思うのですが、今はほぼ見つからない草。古代の衣装の赤い色はこの茜の根で染めていました。いまは、二ホン茜の10倍も根の太いインド茜や西洋茜が主流となっていて、二ホン茜だけで染色する方はごくまれだと思います。
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スミレを見つけようとして果たせず、かわりに見つけたのが自然薯。当然ですが、むかごから茎が伸び葉っぱが出ている! 地上部はしばしば見かけますが、全貌は初めて。
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子供たちは草遊び。
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ヤエムグラです。ひっつくので、アクセサリーに。
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草だらけの場所が、食べられる草や薬になる草、遊べる草を発見することで、とたんに輝いて見えてきます。セリや三つ葉、カキドオシ、ミョウガなど、山とある植物を、みなさんにお持ち帰りいただきました。数年前まで持て余していた草が前田さんに来ていただくようになってから、だいじな草の庭となりました。
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採取後は、ハウスポニーに移動。草ピザの用意を始めます。こちら右はカキドオシ、左は赤ツメグサ。
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下右からギシギシかしら。真ん中は、山ウド、左はセイタカアワダチソウ。上左はよく見えませんが隣は破竹、右端はヒメジオンかな。
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草は陰性が強いものが多いので、ピザの具には、ゴボウのささがきとチリメンジャコを加えました。
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草一杯のピザの出来上がり。
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下の写真のピザは、相当たくさんの草を入れたそうですが、十分おいしく食べられたそう。![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/ac/bc2d6fe179b2a060fa450a48c56fb64a.jpg)
いつものようにかまどでスープを作りました。
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いつもと違うのは、草も出しにしていること。この日は、赤ツメグサを入れました。マメ科の植物はいい出しが出るのだそうです。
草入りピザは、パクパク食べる子、草だけよける子、草だけ食べる子などなど反応はいろいろ。スープは全員召し上がってもらえました。
先月の石窯の会の時よりさらに緑が濃くなっています。
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こちらは、前田さんが持ってこられた葛の芯で作ったわらじ。稲のわらじより白くてすべすべしています。葛布を織るために繊維をとったそのあとの芯だけで作るのだそうです。葛なんていまは、その辺にわんさか生えている邪魔者なのに、昔は大事な植物だったということがひしひし伝わる工芸品です。芯まで使っていたとは知りませんでした。
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カラムシの乾燥した茎。自然に繊維がとれそうです。でも長くないから紡ぐのは大変そう。
今ではカラムシの布は貴重品ですが、木綿が一般化するまでは庶民の衣類の材料として活用されていました。うちにも、結構生えています。一見、エゴマと似ているなと思っていたら、韓国では食べるそう。
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この日のために用意した草クッキー2種。こtらは、桑の葉とセイタカアワダチソウ入りのバタークッキーです。
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もう1種類は、塩気を強めにしたクラッカー。赤ツメグサやハルジオン、セリ、ミツバなど数種の草を入れました。2種の草入り焼き菓子は、お土産としてお渡ししました。
久しぶりに開いた草の会。今回は若いおかあさんたちと小さな子供たちの参加が多く、にぎやかな会となりました。近い将来、気候変動による食糧危機が必ずやってくるといわれています。身近な雑草が食べ物にも栄養補助食品にも薬にもなることを知るのは、とても大事なことと思います。楽しくて有意義な草の会、この秋も開きます。