アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

あしたヘルシーメイト10%オフセール。納品します。

2022-06-20 23:28:34 | アンティマキの焼き菓子とパン

  きのうから、稲武は突然夏になったようです。いまもタンクトップでも平気。ついこの間まで、半袖でさえ寒くて、こんな遅い時間になると冷えてきてこたつの電気をつけていたというのに。

  さて、明日から、年に3度のヘルシーメイトの10%オフセールが始まります。パンデミック前は、店頭に立って納品した品を前に売り込みしていたのですが、今は中止。でも、品だけはお持ちします。

   明日初めて納品するのは、黒パン。有機全粒粉100%のパンです。全くこねずにしこみました。じっくり焼いて、その後もオーブンの庫内でしばらく放置しているので、周りは相当固い。でも中の方は結構柔らかくて食べやすいパンです。いわゆる黒パンよりもずっと軽いのが特長です。薄めに切って軽くトーストしてお召上がりください。

  パンはほかに、パラダイス酵母ジュースで仕込んだパンと玄米ご飯パンをお持ちします。自家製甘夏ピール入りのスコーンもひさびさに納品します。

  バター、卵入りの穀物クッキーは4種。定番のオートミールとクルミ、米粉と塩麴、有機コーヒーのほか、これも久しぶりの有機ほうじ茶入りも作りました。

  酵素玄米粒の入った米粉の味噌ビスコッティ、シードやレーズンのたっぷり入ったざくざくクッキー、アニスシード入りのビスケットのほか、設楽の三川農園の無農薬有機栽培のタマネギクラッカーもおもちします。米粉や玄米は、三川農園のものを使っていますが、タマネギは今年初めていただいたもの。甘くて柔らかくて、みずみずしいタマネギです。

  明日は早めに家を出て岡崎へ。開店とほぼ同時くらいに店頭に並ぶと思います。名古屋焼山店にはお昼くらいから。セールは、26日まで続きます。いつものお買い物がお得になるこの機会、ぜひおでかけください。初めての方もぜひどうぞ。面白い品がきっと見つかります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「赤い闇~スターリンの冷たい大地」

2022-06-15 17:43:27 | 映画とドラマと本と絵画

 ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから知った映画。赤い闇 スターリンの冷たい大地で - Wikipedia「バトル・フィールド」バトル・フィールド クルーティの戦い - アンティマキのいいかげん田舎暮らし (goo.ne.jp)のあと、2020年にできたばかりの映画です。「バトル・フィールド」同様、ウクライナはかねてよりロシアの脅威をひしひしと感じ、100年近く前のホロドモールホロドモール - Wikipediaをえがいて、大国ロシア(ソ連)との間に何があったのかを国民に知らせ、愛国心を鼓舞しようとした映画の一つのようです。

  この、100年前の飢餓は、高校の世界史の教科書にでてきました。スターリンの農業生産に関する計画がうまくいかず、肥沃な土地であるはずのウクライナ地方に多大の犠牲者を出した、と習った記憶があります。

  映画は、実在のイギリスの若い外交官が主人公。ウクライナの飢餓の実態をほの聞き、単身潜入して飢えにあえぐ村や町の様子を見て回り、自らも死に瀕しながらカメラに収め、記録をつづります。

  寒村で行き倒れ、気が付いたら子供たちに看病を受けていた彼。出されたスープの中の肉が、子供たちの兄の肉だと知り、嘔吐します。映画では出てきませんでしたが、当時街では市場で人肉が売られていたとか。

  ホロドモールは、凶作が続いた上に、とくにウクライナの農家から強制的に大量の穀物を供出させたり、計画経済を推進するため富農や自作農から、土地も種もとり上げたりしたために起きた飢餓といわれていますが、ソ連は、スターリン死後も、この飢餓はソ連全土に起きたことで、ウクライナにのみ人為的に起こされたものではないと否定しているそうです。

  主人公の告発によって、西側はソ連がウクライナに何をしたか知ることになります。でも、第二次大戦直前の一触即発の状態であったヨーロッパでは、積極的にソ連を批判することに躊躇。主人公と最終的に敵対するアメリカ人ジャーナリストは、スターリンの経済政策などを著作にまとめ、ピューリッツア賞を受賞します。

  映画は暗くて重くて、苦しい。苛政は虎よりも猛し。ウクライナの村で、子供たちや老人が、貧しく苦しい境遇を吐き出すように歌う声と歌詞が印象的でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ガキ大将養成講座さくら村の石窯を使って遊ぶ会の試作会

2022-06-14 14:52:03 | アンティマキの焼き菓子とパン

   旭地区のさくら村で、何回目かのお試し会を開きました。

   雨の降った日の翌日だったこともあり、火の付きがちょっと悪かったのですが、だんだん窯焚きに慣れてきたスタッフのおかげで、ほぼ2時間後には400度近くにまであがり、理想のピザ焼き温度になりました。

   この日のメニューはまず、カルツォーネ。餃子型のピザです。

   ゆでた白いんげんにタマネギ、キノコを入れて窯の中で蒸し煮。だいたい柔らかくなってきたら、セイタカアワダチソウとハルジオンの葉と花を投入。

   生地を伸ばして、半面に具材を載せてチーズを散らし、折り曲げて止めて焼きます。普通のピザの倍の厚さになるので、時間がちょっとかかります。

  かといって、入れすぎると、こんな風に。

   窯を暖めているときに窯の中に入れて置いた水と桑の葉。きれいな色のお茶になっていました。

   蓋つきの天板のような平たい鍋に入れて焼いたジャガイモ。焦げましたが、とてもおいしい。

   石窯では初めて焼いた、アンティマキのジャムスコーン。スタッフが持ってきてくれた自家製のキウイジャムとリンゴジャムを載せて焼きました。右手前のスコーンの裏は、じつは真っ黒。

   最後は、前回の会の折に要望のあったタマネギクラッカーを焼きました。焦げたところとそうでないところがまばらですが、なんとかサクッとしたクラッカーになりました。

   カルツォーネもスコーンもクラッカーも、今回は焼きすぎの箇所が多すぎましたが、不思議ところ焦げでも食べられました。かろうじて炭になる前に救出できたということなのでしょう。

   さくら村の石窯は小さいからこそささっと物が入れられて、様子を見ることのできるという良さがります。それにかかわっている人みんなが覗いたり、窯の中をいじったりも手軽にできるところがいいところです。もう少しなれると、野外にある台所の火元の一つくらいに、気軽に使えるようになりそうです。

    この日のメニューのうち、カルツォーネとタマネギクラッカーを作る会を、ガキ大将大将養成講座に通う子供たちのお母さんたちといっしょに、近々開くことになりました。またまた失敗するかもしれませんが、失敗も笑って楽しんでいただける会になるといいなとおもっています。

    

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

足助城に行ってきました。

2022-06-14 13:34:22 | 小さな旅

 今月の山歩きは、お隣の町、足助の足助城へ。21世紀の初めころ、ふるさと創生の目的で配られた一億円を使って、中世の山城の遺構を発掘。ついでその遺構に基づいて建物を再現したのが足助城。近いところにいながら、来そびれていたので、この月の目的地に選びました。

  山城なので、中腹から小山を上ってお城へ。入ってすぐのところにある大木は、ネズミサシ。スギの一種だそうですが、スギよりもっととげとげ。ネズミを刺すからネズミサシ。

   文書としての記録はほとんどなかったようで、発掘によって全体像はつかめたものの、遺跡の一つ一つが何の建物だったのかとか、なにに使われていたものなのか、と言ったことはあくまで想像の域を出ません。敷地内のあちこちに貼られたプレートには、「・・・・よくわかりません」の文字が散見されます。「・・・・不明」ではなくて「よくわかりません」という書き方に、調査にあたった学芸員の方たちの苦労と誠実さがにじみ出ているようで、好感が持てました。

   ところどころ、巨石も。

   運んだのか、もともとあったのかわからないのですが、もしかしたら石の町、岡崎から運んできたのかもしれないな、と勝手な想像をめぐらしました。

   シダの一種が出はじめているところ。やわらかくておいしそう。

   ちょっと高い建物から遠くを望むと、てっぺんに真っ白の花が。イワガラミの花らしいのですが、陽光を求めて、こんなに高いところまで登ってしまうとは生命力旺盛です。隣の木にはテイカカヅラが絡みついていました。

   建物を再現したのは30年前。釘を使わず、臍を切って伝統工法に基づいて建てているようです。当時はまだ、伝統工法を学んだ大工さんが結構いらしたのでしょう。

    野外の台所。中央の棒には鍋をひっかけられるようになっています。吊るしさえすれば、かまどの形はどうであっても大丈夫。簡素でいいなあ。

   屋内はいろり。

   左から二つめか三つ目のわらじは、足先の半分しかないもの。あえて足先だけのわらじにしたのは、早く走るためだそう。かかとを地につかないで走り続ける飛脚のような職業の人がはいていたらしい。名前がついていると思うのですが、忘れました。

 

   建物は壁土を塗り、板もわざわざふるぼけさせています。

  板ぶきの屋根には石が載せてあります。

   お城の最上階から撮った写真。こけら葺きというのだそうです。この最上階、だいたい8畳くらいしかなく、城主が客と応接するのに使ったと書かれていました。狭い。こんな場所では、客人が城主を殺そうとしても逃げられないからあきらめろ、ということなのでしょうか?

   子どものころよく見たことのある花。ニワゼキショウだそうです。かわいい。

   笹百合が結構咲いていました。

  ツタウルシ。こんな時期でも紅葉しています。きれいなので思わず触ろうとしたら、一緒にいた子供に止められました。「ツタウルシだよ」とのこと。かぶれるそうです。

   ツルアリドオシ。

   2個の花から1個の実ができるそうです。

   足助城の横から裏山に入ると、ミニ植物園のようなものができていました。途中まで行って引き返し、友人の、古民家を改修したカフェをめざして出発。

  

   カフェの名前は、アトリエ・チェルシー。生花やドライフラワーなどを使ったリースやブーケ、スワッグ、店内とかイベントなどでの花のアレンジ、装飾を手掛ける友人が、毎月1日から5日だけ山の中のアトリエで開いているカフェです。

  この日のメニューは、シカそぼろご飯。タケノコの汁に、このあたりで採れた素材で作った保存食~ゆべし、伽羅ブキ、甘い梅干し~がついています。どれも素朴な味わいのある食べ物でした。窓から窓へ抜ける風が心地よい。

   この月は、焼き菓子や古道具、エプロンなど、いろいろなものを作ったり売ったりしている人たちの品が並んでいました。

  軽いウォーキングと歴史のお勉強のあとは、おいしいものを食べながら、この日初参加のお城マニアの方から、珍しいお城の話をいろいろお聞きしました。こういう散策も楽しい。

  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

草を採り草を食べ草の話を聞く会を開きました。

2022-06-06 21:38:33 | アンティマキの場所に生きる動植物

  2年半ぶりに、草を採り草を食べ草の話を聞く会を開きました。場所はアンティマキの草の庭。

 

  講師はいつもの雑草料理研究家の前田純さん。この時期、お天気が心配でしたが、上天気にめぐまれ、しかも暑くはなく、さわやかな風の吹く気持ちのいい日となりました。

  先月末、前田さんが下見をした時に数えた雑草の数は、49種類。5年ほど前、この会を始めたときは20数種しかなかったのに、どんどん数が増え、2年半前、パンデミックの直前の年の秋には40種類ほどになりました。それが何と49種。

   増えたのには、はっきりした理由があります。敷地内の東隅の隣地に生えていた7,8本の杉の木を皆伐したからです。突然明るくなり、日が差すようになりました。

   増えた草の中には、毒草もあります。こちらは先年まではなかったカラスビシャク。三つ葉に似ているので要注意です。春先にマムシグサのミニチュアみたいな形の気味の悪い奴が生えているなと思っていましたが、それがカラスビシャクの花でした。花は、いかにも「毒ですよ~」と全身でアピールしている感じなのですが、葉っぱはのぺ~としていて、あまりに普通。気をつけよう。

   こちらは前からある、ムラサキケマン。ハーブのチャービルみたいな涼し気な葉っぱで花もかわいいのですが、これも毒草。ほかに、洋酒ヤマゴボウもあったそうですが、刈ってしまいました。

   昨年だったか、前田さんが見つけてくださった二ホン茜。写真中央の十字に葉が付き、蔓になって伸びている草です。どこにでも昔はあったと思うのですが、今はほぼ見つからない草。古代の衣装の赤い色はこの茜の根で染めていました。いまは、二ホン茜の10倍も根の太いインド茜や西洋茜が主流となっていて、二ホン茜だけで染色する方はごくまれだと思います。

   スミレを見つけようとして果たせず、かわりに見つけたのが自然薯。当然ですが、むかごから茎が伸び葉っぱが出ている! 地上部はしばしば見かけますが、全貌は初めて。

   子供たちは草遊び。

    ヤエムグラです。ひっつくので、アクセサリーに。

    草だらけの場所が、食べられる草や薬になる草、遊べる草を発見することで、とたんに輝いて見えてきます。セリや三つ葉、カキドオシ、ミョウガなど、山とある植物を、みなさんにお持ち帰りいただきました。数年前まで持て余していた草が前田さんに来ていただくようになってから、だいじな草の庭となりました。

   採取後は、ハウスポニーに移動。草ピザの用意を始めます。こちら右はカキドオシ、左は赤ツメグサ。

 

   下右からギシギシかしら。真ん中は、山ウド、左はセイタカアワダチソウ。上左はよく見えませんが隣は破竹、右端はヒメジオンかな。

   草は陰性が強いものが多いので、ピザの具には、ゴボウのささがきとチリメンジャコを加えました。

    草一杯のピザの出来上がり。

    下の写真のピザは、相当たくさんの草を入れたそうですが、十分おいしく食べられたそう。

   いつものようにかまどでスープを作りました。

   いつもと違うのは、草も出しにしていること。この日は、赤ツメグサを入れました。マメ科の植物はいい出しが出るのだそうです。

 

   草入りピザは、パクパク食べる子、草だけよける子、草だけ食べる子などなど反応はいろいろ。スープは全員召し上がってもらえました。   

 

   先月の石窯の会の時よりさらに緑が濃くなっています。

   こちらは、前田さんが持ってこられた葛の芯で作ったわらじ。稲のわらじより白くてすべすべしています。葛布を織るために繊維をとったそのあとの芯だけで作るのだそうです。葛なんていまは、その辺にわんさか生えている邪魔者なのに、昔は大事な植物だったということがひしひし伝わる工芸品です。芯まで使っていたとは知りませんでした。

  カラムシの乾燥した茎。自然に繊維がとれそうです。でも長くないから紡ぐのは大変そう。

  今ではカラムシの布は貴重品ですが、木綿が一般化するまでは庶民の衣類の材料として活用されていました。うちにも、結構生えています。一見、エゴマと似ているなと思っていたら、韓国では食べるそう。

   この日のために用意した草クッキー2種。こtらは、桑の葉とセイタカアワダチソウ入りのバタークッキーです。

  もう1種類は、塩気を強めにしたクラッカー。赤ツメグサやハルジオン、セリ、ミツバなど数種の草を入れました。2種の草入り焼き菓子は、お土産としてお渡ししました。

  久しぶりに開いた草の会。今回は若いおかあさんたちと小さな子供たちの参加が多く、にぎやかな会となりました。近い将来、気候変動による食糧危機が必ずやってくるといわれています。身近な雑草が食べ物にも栄養補助食品にも薬にもなることを知るのは、とても大事なことと思います。楽しくて有意義な草の会、この秋も開きます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする