アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

ことクラス会に出店します。

2015-04-26 23:15:20 | イベント出店情報とそのほかのお知らせ
   この春、豊田市や近隣地域をエリアにした子育て情報誌が誕生しました。その名は、「ことくら」。「子と暮らす」の略だそうです。発行人は岩田牧子さん。わたしと一字違いの、子育て中のおかあさん。アンティマキの焼き菓子やパンの講習会を市街地で開いてくださっている方たちのおひとりです。

   だいぶ前の話になりますが、あるお母さんがこんなことを感慨深げに話しているのをどこかで聞きました。「ある年配の女性に「子供が熱を出してとても心配だ」と話したら、その方がひとこと、「子供は熱を出すものだよ」とおっしゃった。その一言をきいてとても安心できた」

    子供を育てた経験のない私でも、核家族で子どもを育てるのはたいへんなことだろうなと容易に想像できます。何気ないことであっても、経験者や同様に苦労している人の話をじかに聞くことは、とても助けになると思います。

    焼き菓子を作ってイベントなどで販売するようになってから、若いお母さん方と接する機会に恵まれるようになりました。私が出あうお母さんたちは、それぞれいろんなグループに属していて、つながりが多く、たのしげ。でも、たぶんつながりを持てないまま、孤立しているお母さんも多いはずです。

    この情報を立ち上げた岩田さんも、お子さんが小さかったころは、まさにそういう体験をしたのだそうです。だからこそ、よりいい出あいが生まれそうな情報をたくさん発信したくて、発刊を決意したのだそう。「ことくら」は、季刊。次号は6月に発行の予定です。市内のいくつかの場所で手にとっていただけますが、イベント時、アンティマキのブースでも入手できます。

    さて、前置きが長くなりましたが、この「ことくら」がイベントを催します。しあさっての29日、祝日です。イベント名はことクラス会。アンティマキも出店します。Artsan MIKIのコンフィチュール、明子さんの花屋もいっしょです。詳細は以下の通りです。

    *日時 4月29日(水)10時~午後
    *場所 多世代交流サロンひだまり
          豊田市吉原町屋敷畠64

  以下、「ことクラス会」のフェイスブックから、抜粋しました。

    ****
    ことクラス会は、子と暮らす時間を豊かにするためのイベントです。【シェア歓迎】自由参加です。こどもが楽しみ、大人もゆとりをもてる、そしてたくさんの人と人との繋がりができる。そんなイベントを目指しています。

詳細は決まり次第こちらにお知らせします。
このイベントの収益は、必要経費を除き残りは『ことくら』発行に利用させて頂きます。

出店者、イベント等決まった物からこちらに載せて行きます。

■親と子に優しいものたち
 こだわりいっぱい販売ブース

・アンティマキ
 優しい、美味しいお菓子。

・シフォン屋ゆらり
 しゅわーっととけちゃうような、こだわりシフォン

・hitotsudake
 丁寧に作られた、オリジナルのこだわりの手作り品など

・いのはな農園(旭地区)
 農薬、化学肥料不使用のお米と米ぬか、山菜など

・ちんちゃん亭
 こだわりのスープ

・名古屋生活クラブ(食品)
 
・きらず揚げの販売

・きらずや(おからと野菜のお菓子)

・明子さんのおはなやさん

※お弁当
・1つ500円(Cafe MusuB.)予約販売です。
・予約を行っています。別の投稿をご覧ください。
・分からない方はメッセージをください。

■こどもの楽しみ
 こどもの楽しめるワークショップなど

・こいけやクリエイトさんのアートメガネ
・紙の宝島(紙でいっぱい遊んじゃおう!)
・読み聞かせ(読んでくれる人募集中)
・こどもマッサージ ごっとはんど


■親の心と体のゆとり
・小黒整体院 一歩

・ビアンネートル
 ハンドトリートメント、オリジナルルームコロンの販売

・(株)eight ひたかちひろ
 ワークカードセッション
 【見つけたい 探したい 自信をつけたい】を叶えてくれるカードです。

■まぁ・カフェ
・フリーカフェです。基本無料。持ち込みOK。
みなさんの飲まないお茶、珈琲などがあればお持ちください。
まぁ・カフェで活用するか、同じような活動を考えていらっしゃる方に回すなどし、活用させて頂きます。
・今回、特別ゲストでハーブに詳しいナースが来てくれます!

■バザー
余剰品バザーします。以下のものがあればお持ちください。売り上げをことくらの発行に活用させて頂きます。
基本、値付けはしません。お買い上げの際には、買う方が値段を決めて、お代金箱の中に入れて頂ければOKです。ただし1つにつき10円以上入れて頂けると嬉しいです。(一部商品についてはこの限りではありません)

・余剰品
・読まなくなって人にゆずってもいい「絵本」
・着れなくなったけどまだまだ着れるお洋服(こどもサイズ)
・ほぼ着てないか新品の大人のお洋服
・マタニティのお洋服
・赤ちゃん用品でまだまだ使えそうな物。
・使わなくなったおもちゃでまだ使えるもの(マックのおまけとかは×。すみませんが、各種バザーでも処理に困ったので。)


協賛
・多世代交流サロンひだまり
・NPO法人まほうのらんぷ
・こいけやクリエイト
・名古屋生活クラブ
・(株)eight
・NPO法人ブルーバード

Special Thanks
・NPO法人ブルーバード
・市民活動センター「とよた流社会的起業セミナー」
***
         
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アンティマキの易しく優しいパンとスコーンの講習会

2015-04-25 00:32:02 | アンティマキの焼き菓子とパン
 アンティマキの講習会を、1年ぶりに稲武で開きます。

  講習内容は、アンティマキ定番のこねないで作るパンと、動物性食品を使わないで作るスコーンとスープ。昨年の6月以来の開催です。

  昨年から、豊田市街地そのほかでの出張講習会が増え、講習内容も、主催してくださる方の要望に応じて、グラノーラや米ぬかクッキー、おからのガトーショコラ、リンゴケーキなどなど、多岐にわたっています。でも、最も簡単で、「易しく優しい焼き菓子とパン」というアンティマキのキャッチフレーズにぴったりの、こねないパンとスコーンもぜひみなさんにして知っていただきたくて、企画いたしました。詳細は以下の通りです。

   *日時 6月17日(水)10時~3時ころ
   *場所 稲武地区どんぐり工房調理室
   *講師 アンティマキ主宰 村田牧子
   *講習内容 全くこねないで作るパン
         おなじくフォカッチャ
         豆乳とこめ油のスコーン数種
         動物性食品もスープの素も使わない野菜スープ
   *講習料  3000円
*定員 15名(最少携行人数10名)
   *申し込み先 アンティマキ auntie-maki@cb.wakwak.com

    同じ内容の講習会を、6月2日にみよしで開きます。告知した翌日にほぼ定員に達したので、ブログでの告知に至りませんでした。稲武だとちょっと遠くまでお越しいただくことになりますが、新緑のうつくしい季節、ドライブがてらたのしみにいらっしゃいませんか?



   
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Chieさんの<マクロビオティック>野菜料理教室、春の部を開きます。

2015-04-22 00:51:09 | マクロビオティック
    お待たせしました! 大阪在住のChieさんの<マクロビオティック>野菜料理教室、春の部の日取りがやっと決まりました。6月14日(日)と15日(月)です。

    今年で9年目に入るこの教室は、野菜をこよなく愛するChieさんから、気持ちも舌も体も満足する料理を教えていただく、たのしい会です。

    昨年秋の教室の写真です。Chieさんが選んだ野菜を厨房に並べたとたん、その野菜が輝いて見えるから不思議。

   エビフライに見えるのは、ヒエのフライ。タルタルソースが絶品でした。

   春の部は5月半ばに開く予定で、豊田の情報誌「耕ライフ」や、同じく豊田の子育て情報誌「ことくら」にそのように載せたのですが、Chieさんの都合で、ひと月延びました。
   
   *日時 6月14日(日)15日(月)10時~15時ころ
   *場所 どんぐり工房(稲武地区)
   *講習料 3500円(材料費込)
   *講師 Chie(大阪在住 クシマクロビオテジックスクール卒業)
   *定員 各15名(先着順)
   *申し込み締め切り 6月10日頃
   *申し込み先 アンティマキ(村田)auntie-maki@cb.wakwak.com
またはアンティマキのフェイスブックページのメッセージから、お申し込みください。

   稲武は今、連日の雨で桜が散ったところ。でも水仙はまだしおれておらず、昨日庭先のシャクナゲがひとつだけ咲いているのを見つけました。6月中ごろは、新緑の名残が見られるかも。気持ちのいい季節が始まっています。どうぞ、行楽がてら、山里の工房にお出かけください。   
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あした三好ケ丘ラヴィマルシェに出店します。

2015-04-11 21:50:22 | イベント出店情報とそのほかのお知らせ
    昨年末以来、数か月ぶりにみよし市の三好ケ丘で開かれるラヴィマルシェに出店します。

    こちらはただいま梅が終わり、水仙が盛りで、チューリップのつぼみが膨らんでいます。瑞龍寺の枝垂れ桜も、今が見ごろだそうです。でも、朝も夜も結構寒くて、家の中ではセーターを着て、薪ストーブを焚いています。
    
    さて、明日持っていくのは、おからのガトーショコラ、ブルーベリースコーン、穀物クッキー3種、こめぬかクッキーのカレー粉入り、グラノーラ、それに、黒ビールケーキと発売したばかりのライ麦パンです。

    上の写真の一番右が黒ビールケーキ。袋に入っているのでわかりづらいのですが、今日焼いたケーキ、色が薄いのです。実は、いつもいれているスパイス3種、シナモン、ナツメグ、グローブを全部入れ忘れたのです。生地ができた時、なんだか色が薄いな、とは思ったのですが、気が付いたのは焼き終わってから。後の祭りです。

    で、食べてみました。いつもよりさっぱりしています。でも、重要な材料はすべて入っているので、十分おいしい。販売をやめるのは残念なので、一応店頭に並べます。試食なさってからご購入ください。いつもどこか、ぬけています。黒ビールを楽しみにしてくださっている方があしたいらっしゃるはずなのですが、ごめんなさい。

    ライ麦パンはやわらかめです。前回紹介しましたが、まったくこねないで作りました。いつものこねないパンと違って、外皮が固くありません。なかなかいいパンだと自負しています。ぜひ、お試しください。

    Miki-Co-Laboあらため、Artisan MIKIのコンフィチュール3種~自家農園のブルーベリー、蒲郡産の無農薬甘夏ミカン、おなじくキンカン~も並べます。三木さんの、薫り高いコンフィチュール、おたのしみに。

    時間は9時から12時。場所はみよし市三好ケ丘緑3-1-1 アールビル裏手駐車場。わたしは、9時ぎりぎりの出店になるかもしれません。あしたは、近隣の、有機栽培や自然農の農家、農園の春の野菜がたくさん出そろいそう。楽しみです。
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あしたのタキソウ朝市で、ライ麦パンを新発売します。

2015-04-08 20:50:36 | イベント出店情報とそのほかのお知らせ
   またまた告知が遅くなりました。グリーンママンのタキソウ朝市、あしたです。4月9日木曜日、朝10時から12時まで。豊田市街地の国道248号線沿いの大きな家具屋さん、タキソウの店内での朝市です。はじまって、1年半ちょっと。二度目の春です。

    さて、あしたアンティマキが持っていくのは、穀物クッキー4種、スコーン2種、黒ビールケーキ、酒粕クッキぬかクッキーカレー粉入り、グラノーラ、ハーブのフォカッチャ、それに、ライ麦パンです。

    ライ麦パンは、あしたが初めてのお目見え。粗びきの有機ライ麦粉が20%ほど入った天然酵母パンです。

    上の写真は、3回目か4回目の試作品。粉を振るのを忘れたのですが、あした販売するパンもこんな感じです。ライ麦パンにしては少々柔らかめ。「あなたのパンとは思えないくらい柔らかい」と、試食してもらった友人たちがいうほど、けっこうふわふわしています。

     このパン、昨年の春以来、ほぼ毎月通っている岡崎市額田の倉橋知栄さんのパン教室で習ったパンをもとにしてできました。彼女は、パンの種類によっては50回から100回こねる程度で、あとは放置によってグルテンを作るという方法をとっています。このライ麦パンも、そうした方法で、わりに手軽にできるのですが、先日彼女の教室に参加した時に私の作ったライ麦パンを食べた彼女が、「もしかしたら、まったくこねないで、数時間おきにパンチを繰り返すだけでちゃんとできるかもしれない」と言い出しました。

      「パンチ」というのは、発酵している途中で生地のガスを抜くこと。酵母の活性化を促す効果があります。普通はこの「パンチ」をするのは、一次発酵の間一回くらい。それを数回やってみたら、こねる代わりになるかもしれない、というのです。

      で、やってみました。第1回目は、一次発酵(20度で10時間)の間、ほぼ2~3時間おきに「パンチ」をしました。ガス抜きしてそのあと、生地を引っ張るようにしてまるめるだけです。はじめはあらかった生地が、「パンチ」を重ねるたびにしっとりしたいい生地になり、焼き上がりは、こねた時とほとんど変わらないものになりました。

     でも、この方法だと、昼間の時間を使って発酵させなければなりません。できれば寝ている間に発酵させたいので、さらに大胆なことをしてみました。材料を全部混ぜてから、最初は15分、その後、1~1時間おきにほぼ3回ほど「パンチ」し、それから6時間ほど、つまり寝ている間、発酵器に入れっぱなしにしたのです。

     それでも、できました! しっとりした食感はかわりません。手をかけないわりには、かなり上等のパンができた、と自負しています。材料は、国内産強力粉、ライ麦粉、ホシノ天然酵母、海塩のほか、オーサワの圧搾一番搾り菜種油がかなりたくさん入っています。この菜種油のおいしさも、パンの出来上がりのよさにかなり貢献していると思います。7個限定です。お早目にお越しください。

     つぎは、カンパーニュを、この方法で試してみたいと思います。


     

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今年の醤油仕込み、始まりました。

2015-04-05 00:04:30 | 手作りのたべもの
   3月27日、2年めの醤油作りを開始しました。

   昨年は通常の半分の量を仕込みましたが、今年はひとたる分に挑戦。一升瓶にして、およそ30本分位できる勘定になります。4人で携わっているので、ひとりおよそ8本の醤油ができることに。これだけあれば、ほぼ一家族の1年分を賄えるのではないかと思います。

   当日は、私宅に塩と水、そのほかの道具類を持って集合。醤油麹の到着を待ちました。醤油麹は安曇野から。予定より少し遅れてとどきました。冷蔵できたはずなのに、なぜか麹はあたたかい。道中、発酵が進んだようです。急いで、塩と混ぜ、さまします。

    ついで桶に入れ、水を注ぎます。水はメンバーの一人の家の井戸水を使いました。昨年と同じです。

    仕事はこれだけ。三日後、天地返し、その5日後また天地返しをします。

     こちらが4月4日、きょうの写真です。9日たっています。最初の麹の温度が高かったので心配しましたが、問題は起きていないようです。よかった。

    仕込みの日に、醤油のなめくらべをしました。左から、一昨年の私たちの醤油、昨年仕込んで今年1月に絞った醤油、右2本は、市販されているわりと値段の高い醤油です。

    私が一番おいしいと思ったのは、御用蔵。味がまとまっていてまろやかです。2番目は、昨年仕込だ醤油、左から2番目です。一昨年の醤油に比べて、塩気が立っていなくて、なじんでいます。けっこうおいしい。

    メンバーの、もうじき小学校に上がる子供に、「どの醤油がおいしいとおもう?」ときいたら、すかさず、この醤油の入った皿を指さしました。このところ、彼女の家ではこの醤油を使い始めているので、慣れているのかも知れません。どちらにしても、ちゃんとした舌を持っているな、と感心したことでした。

    
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テレビドラマ「ザ・パシフィック」

2015-04-02 16:25:43 | 映画とドラマと本と絵画
    「ザ・パシフィック」は、全10話、DVDにして5巻のシリーズもの。太平洋戦争における激戦地、ガダルカナル、ぺりリュー島、硫黄島、沖縄での日本兵とのたたかいのようすを描いたドラマです。制作総指揮は、スピルバーグ、トム・ハンクス。日本でも、5年ほど前、放映されたようです。      。

    どの話も、息苦しくて見ているのがつらかった。物語は三人ほどの、当時の海兵隊員が実際の体験をノンフィクションや回想録にまとめたものをもとにして、作り上げています。だから、ほぼ実話のようです。CGが随所に使われているせいで、これまでの戦争映画では表現できなかったすさまじいシーンが、かなり細かく描かれています。

    たとえば、激戦の後、米兵たちが銃をかまえて敵の陣地に乗り込むと、あちこちで無残な死に方をしている日本兵の姿が映されます。とくにひどいなと思ったのは、頭の半分が吹っ飛んだまま座り込んでいる兵隊。たぶん、ほんとに米兵が見た光景なのでしょう。

    ミッドウェー海戦後、米軍は、圧倒的な物量作戦で、日本軍の拠点を次々に攻撃していった、となんとなくおもっていました。日本軍の、自殺行為としか見えない抵抗によって手こずりはしても、おおむね楽に勝ち続けたのだろうと思っていました。でも、そうであったとしても、実際の戦場で戦っている兵士にとっては、悲惨なものだったのだな、とあらためて知りました。彼らもものすごく犠牲を強いられたのです。

    末端の兵士たちは、日本兵であろうと米兵であろうと、戦争の大義も大勢もわからず、ただやみくもに眼の前の敵と戦うことだけを強いられています。感傷を排し、かっこいいところがどこにもない戦争ドラマです。こういうの、はじめて見たように思います。でも、これが実際の戦場なのでしょう。製作者たちも、意識してそのように作ったと思います。見終わった後、疲労感がぐぐっと重くのしかかりました。

    それにしても、日本でも、今もときどき、先の戦争を題材にした映画もドラマも作られているようですが、こういう、有無を言わさないリアリティのあるものを、なぜ作らないのだろうと不思議に思ったことでした。ここ数年来、戦争体験者たちがやっと重かった口を開き始めて得られたあらたな証言とか、新しく発掘された文書とか、材料には事欠かないと思うのですが。
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「神社が語る古代12氏族の正体」

2015-04-01 22:24:57 | 映画とドラマと本と絵画
    前から、日本の神道とはいったいどんなものなのか気になっていたので、たまたま本屋に平積みされていた本書を手に入れました。

     「伊勢神宮にしても、道教の思想がふんだんに盛り込まれている。深い森の中にたたずむ社殿を見れば、日本人の感覚がすみずみまで息づいていると思ってしまうが、じつは、当時の最先端の外来文化や「観念」を借りていたわけである」

      筆者によれば、神道や伊勢神宮がいまのかたちに整備されたのは8世紀ごろ。律令体制がほぼ完成したころのこと。このころ、新興氏族であった藤原氏が、急速に力を持ち始めて他の氏族を追い落とし、独裁体制を固めていきました。

     「正史とされる「日本書紀」は編纂され、歴史は塗り替えられた。藤原氏の正当性が強調され、(中略)新たな「神道」が生み出されていく。こうして、古代豪族や士族たちの凋落とともに、「神道以前」の信仰もまた、失われていった」

      たとえば、蘇我氏。「日本書紀」では、天皇家をないがしろにした悪人ということになっていて、教科書にもその様にかかれていたとおもうのですが、じつはこれ、藤原一族の脚色の一つだというのです。漫画「天智と天武」も、本書のようなあたらしい説をもとにして構想されたのでしょう。

      「日本書紀の編者(編纂時の権力者は藤原の不比等・鎌足の子)は、蘇我氏の手柄を横取りするために、「蘇我系皇族・聖徳太子」という虚像を用意したのである。蘇我氏の業績をすべて聖徳太子に預けて、その子や孫を蘇我入鹿が滅亡に追いこめば、「聖者殺しの蘇我氏」のレッテルを貼ることができる。また、もともと聖徳太子などどこにもいなかったのだから、上宮王家に丸ごと蒸発してもらえば、完全犯罪が成立する・・・これが、筆者が考えるカラクリである」

      藤原氏による歴史の改ざん、神道の改変がかなり大規模になされ、それがいまにいたるまで解明されずに信じられている、というのが筆者の意見です。正史にのみ目を向けるのではなく、稗史にひそかに記された記述や、今ではほとんど参拝する人のいないような神社のもともとのご神体をしらべることによって見えてくるとされる事柄には、いろいろおどろかされます。

     といっても、細かい事柄が多くて、読んだ端からわすれているのですが、とにもかくにも、日本人の信仰について、なんであれ、簡単に言ってのけることはできない、ということがよくわかりました。     
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