アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

あした、ヘルシーメイトと暮らしの学校に納品します。

2024-02-19 15:49:57 | アンティマキの焼き菓子とパン

  明日から日曜日まで、自然食品店ヘルシーメイトでは、年3回だけの恒例の10%割引セールがはじまります。アンティマキの商品は、割引はありませんが、いつもの焼き菓子など賞味期限の長い品に加えて、パンやケーキも一緒に納品します。

  お持ちするパンは、有機クルミとラム酒浸けの有機レーズンの入ったカンパーニュ。

   スコーンは、無農薬甘夏みかんのピール入りを。ケーキは、昨秋もらった熟柿と干し柿のスパイス煮の入った、バター卵なしのしっとりした食感のものをお持ちします。

   焼き菓子は、穀物クッキー4種のほか、ざくざくクッキー、味噌ビスコッティ、玄米おかき、それに、初登場のレモン果汁入りのブロッククッキーです。こちらは、バター入りの少し固めのクッキーですが、レモンの味が新鮮。食べ始めたらやめられなくなります。

   昨夜、パン生地を発酵器に入れようとして庫内の温度を見たら21度。真冬の2月の発酵器の庫内が21度なんて、びっくりのことです。先週だったか仕込んだときは、たしか11度でした。今週末はまた急激に温度が下がるとか。寒さではなくて、気温の激しすぎる変化に体がついていけなくて、悲鳴を挙げそうです。

  なお、あしたは、キヨミさんのこんにゃくも一緒にヘルシーメイトまで運びます。ヘルシーメイトに納品後、暮らしの学校にも、焼き菓子とビスコッティなどをもって、参ります。

 

 

   

 

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マンガ「あしたも着物日和」

2024-02-14 00:13:17 | 映画とドラマと本と絵画

  一昨年末ころから、友人に着付けを習い始めました。と言っても、習うのは月一回。普段の練習は皆無なので、全く上達しないまま一年たちました。でも、ごくたまに着物を着て出かけたり、それをSNSに投稿するようになったりするうちに、だんだん恥ずかしさは消え始め、下手でも着物を着るのが楽しいとおもうようなりました。

  先日、お若いころから着物が大好きで、上手に着こなしていらっしゃる知人から、漫画家の近藤ようこが書いた「明日も着物日和」をもらいました。

  私よりも少し若い彼女の着物遍歴が、あれこれの知識とともに描かれていて、ごくごく初心者のわたしには、興味深いものでした。

「絽は六月末から着てもいいけど 紗や麻はだめ? 単衣の時の半襟は絽ちりめん? 大島紬を真冬に着るのはいけないの?」

「誰が決めたルールなんだろ こういうルールを守らないとどうなるんだろ 街を歩いている時に笑われるのかなー でも誰に? なんのためのルールなんだろ  伝統ってなに?」

  私の子供のころまでは、女性たちはほぼ着物でした。母が庭先で洗い張りしていたことも覚えています。当時の映画やニュース映像を見ると、女性たちの着物の襟もとはやわやわっとしていて、今のようにピシッとなどしていないし、うなじはさほど開けていない。母も祖母も、なんでもなくササっと着ていました。当時は日常着ですものね、あたりまえ。

  ある時から一気に和服が高級なイメージにかわり、着付けをちゃんと習って、それなりの和服を持っていないと、そんじょそこらの人は着られないイメージにかわっていきました。着物を着たいと思ってもなかなか踏み切れなかったのは、そのせいもありました。着付け教室の隆盛が、かえって着物の敷居を高くして着物離れを助長した気がしていました。

  作者は80年代に、ある画期的な和装に関する本を読んで、得心します。

「この本で一番感銘をうけたのが 今の着物のルールは戦後作られたものが多いとか」

「そうかー 暑ければ四月から単衣でいいんだー 暑がりのわたしには助かるー」

  最近は、タートルネックのセーターにベレー帽、ブーツで和服を楽しむといった人も増えてきて、ずいぶん和服の門戸が広がりましたが、まだまだ、「ルール」なるものは厳然としてあるようです。着物を着るようになって、「着物警察」ということばも知りました。

  先日もらった古い着物のなかに単衣がたくさんあったので、4月頃から着たいなあ、と思っていたところでした。わたしも、ルールなるものを無視して、着物生活を楽しもう、とこの本を読んで決めました。

 

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映画「ひとにぎりの塩」

2024-02-05 22:32:42 | 映画とドラマと本と絵画

  能登半島で伝統的に行われている塩づくりのドキュメンタリーを見ました。制作年は2011年。正月の震災の後、この映画の監督の石井かほりさんが、復興支援を目的とした上映会の開催を推進していると知ったので、友人が催しているスローシネマカフェにて上映の運びとなりました。

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<映画の解説>

“奥能登”と呼ばれる能登半島の最北端で、日本最古の「揚げ浜式」という方法でつくり続けられる「揚げ浜塩」の職人たちの姿を追ったドキュメンタリー。監督は「めぐる」の石井かほり。ナレーションを「インスタント沼」のはなが担当する。かつて日本各地で生産されていた塩は“より安価で安定した塩を自国で供給すること”を目指し、1905年、国による専売制が始まった。以後、戦争や戦後の高度成長で大量需要を満たすための技術開発が繰り返された結果、古来より続く製塩技法「揚げ浜式」はあえなく姿を消す。ところが、日本で唯一「揚げ浜式」で作り続けられていたのが雄大な日本海を臨む“奥能登” 珠洲であった。石川県珠洲市仁江海岸。ここでは、海水を汲み上げて、天日と風の力を借りて乾燥させ、平釜で昼夜焚き上げるという途方もなく手間のかかる製法で塩づくりが行われている。塩づくりの家に生まれ5代目として唯一、珠洲で一家相伝で揚げ浜塩を守ってきた角花豊さんと、息子で6代目の洋さん。二人にとって伝統の技を守るとはどういうことなのか……。
<石井監督からのメッセージ>
『塩は今や大量生産できる状態にあり、そこでなぜ手間暇かかる「揚げ浜式」による塩づくりが行われているのか、作り手の想いを記録しました。
そして、この度の能登半島の震災では、その塩田が津波により浸水してしまったこと、まだ連絡が取れずにいる方がいらっしゃることに胸が詰まる思いです。
どうぞご無事でありますように。そして、再びこの美しい精神性による塩づくりが再開される日が来ますように、と願っています。』
能登半島地震チャリティー自主上映グループ↓
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  能登半島先端の珠洲市は、米作りの難しい土地。そこで古くから塩田が作られ、江戸時代には、米の代わりに塩で年貢を納めていたそう。
  
  日本で岩塩は取れません。それで、塩はもっぱら海から採取するしかない。海岸近くでは、各地で昔から塩づくりが行われてきました。森鴎外の「山椒大夫」では、安寿が潮汲みをさせられますが、山椒大夫の屋敷があるのは丹後。能登の西です。稲武の幹線道路国道153号線、別名中馬街道は、「塩の道」とも呼ばれ、海で採った塩を内陸部に運ぶ重要な道でもありました。
 
  しかし、明治時代に専売制が敷かれ、その後、化学的な製法で塩が作られるようになって安い塩が出回り、ミネラル豊富な本来の塩の需要はどんどんなくなりました。専売制のため、製造にも販売にも厳しい制限が加わったこともあって、海辺の人々の生活のタツキであった昔ながらの塩づくりはどんどん姿を消していきました。
 
  90年代、ようやく専売制がなくなり、塩は自由に製造販売できるようになりました。
 
  能登半島で唯一伝統的な塩づくりを続けてきた角花さん一家。お父さんの遺志を継いだ角花豊さんが、窯で海水を煮詰めながらインタビューに答えた言葉が、印象的でした。
  
  「伝統を受け継ぐとかなんとか、そういったことを思ったことはないね。ただ、いい塩を作る。それだけしか思わん」といった意味のことを、淡々と語りました。
 
  珠洲市にはこの映画の撮影当時、浜士と呼ばれる塩づくりに携わる人が次第に増え、観光の担い手にもなっていました。昔ながらの製法のほかに、一気に効率よくミネラル豊富な塩を作る流下式と呼ばれる加工場も稼働を始めました。彼らがこのたびの震災でどのような被害を受け、何より塩田や塩づくりの加工場がどのような壊滅的な状況になったかと思うと、胸がつぶれる思いです。
 
  ところで私は、80年代中頃、伊豆大島でミネラル分豊富な、公社塩とは全く違う塩づくりに挑む人たちがいることを知りました。
 
  彼らは、手間暇のかかる塩づくりを近代的なシステムで効率よく生み出す方法を考え出し、「日本食用塩研究会」として活動していました。仕組みは忘れましたが「タワー塩」という名で知られ、彼らの活動が、日本の塩事情を変えていきました。けれども専売制のもとでは、この塩は販売できず、試作品として会員に頒布するという形しかとれませんでした。私は当時、こちらの塩を舐め、塩がおいしいのだということに初めて気が付きました。現在この塩は、「海の精」という名前で、自然食品などで普通に取り扱われています。
  
  この塩に関する事柄は、こちらでごらんください。
  
  
 
  
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