アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

福田村事件

2024-06-21 16:37:45 | 映画とドラマと本と絵画

  関東大震災のあと、東京のあちこちで起きた朝鮮人虐殺事件。朝鮮人が混乱に乗じて井戸に毒薬を投げ込んだ等の流言飛語が、千葉の片田舎までとどき、讃岐から来た日本人の一団を朝鮮人と思い込んで村人たちが殺したという実話を題材にした映画。福田村事件 (映画) - Wikipedia 監督の森達也はドキュメンタリー映画専門の監督だそうですが、この映画は彼の初の劇場映画だとのことです。

  昨年、震災100年目にできた映画です。映画の性格からマイナーで、あまり話題にならないかもしれないと思ったのですが、あにはからんや大きな劇場でも上映され、話題になりました。それでもわたしは、題材は衝撃的でも、日本映画にありがちな、焦点のぼやけた映画なのではないかと、あまり期待していませんでした。

  ところが、違っていた! よくできていました。

  しょっぱなから描かれていたのは、村の中の複雑な差別構造。在郷軍人の水道橋博士は、主人公の井村新や村長(ロンバケで杉崎さんを演じた人)に対するコンプレックスを、当時軍人に与えられた公式非公式(!)の権力で消そうと躍起。在郷軍人たちは、軍服を着る必要がないのに着ていた、ということをこの映画ではじめて知りました。軍服が彼らのステータスシンボルだったらしい。後家であっても当然ながら婚家先に縛られる。船頭の東出昌大は、村の最下層に位置するらしいのだけれど、軍隊経験があることで少し上位に見られ、「徴兵逃れ」で大学へ行ったと揶揄されるインテリ村長は、その分、引け目を感じながら村政をつかさどる。

  こういう村に遠方からやってきたのは、部落民たち。穢多と呼ばれ、明治以降は新平民として形は一般と同じ身分になったのですが、差別は変わらず。水平社宣言が出たばかりのころらしい。彼らは薬の行商をしながら四国各地から関東までやってきたのですが、部落民が行商などをして各地を渡り歩くこともあったということを、わたしは、知りませんでした。

  彼らは故郷の村で差別にあい続けていたと思われるのですが、その彼らも、朝鮮人に対しては差別者として接します。より下の身分があることで、彼らはかろうじて矜持を保てる。そういう構造が、きちんと描かれていました。

  いい映画でしたが、難点がふたつあります。ひとつは、日本語が聞き取りにくいこと。字幕はほしい。

  もう一つは、端折り過ぎではないかと思われるところがいくつもあったこと。ある程度当時の状況を知っていないと、わかりにくかったのではないかと思えます。

  それにしても有名な俳優がたくさん出ていました。友情出演かな。状況劇場の大久保鷹まで、ほんの短い場面でしたが出演していたのには驚きました。ちょっとうれしかった。

  ところで、この映画を見た着物好き仲間の友人から、「映画もよかったけれど、登場人物たちが着ている着物が素晴らしかった。ぜひあれを見てほしい」と言われていました。それで、いつもより気にして村人や部落民の人たちの貧し気な衣装を観察しました。たしかに、藍染めの縞柄布がつぎはぎだらけになっている、いわゆる「BORO」に近い衣装が美しかった。船頭と恋仲になっている後家さんの着ているものが、一番印象に残っています。朝鮮飴を売る少女の服も、素材や染料、形が気になりました。

  

  

  

 

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インド藍の染めと石窯ピザの会inどんぐり工房

2024-06-20 10:17:02 | 草木染め
   夏になると身にまといたくなるブルー。夏の野菜を使ったピザを作りながら、お手持ちの布類を美しい青に染めませんか? 染料は、インド藍。5月に引き続き、染めと石窯ピザの両方を楽しむ、欲張りの会です。標高600m近くある山里の夏の一日を、ご一緒にすごしましょう。
*日時:8月20日(火曜日)午前10時~午後3時頃
*場所:どんぐり工房(豊田市稲武地区)
*参加費:5000円+施設料頭割り
*講師:アンティマキ・村田牧子、オクダキヨミ
*問い合わせ先・申し込み先:村田牧子フェイスブックメッセンジャー・e-mail: auntie-maki@cb.wakwak.com
*染められる布:お一人だいたい300g程度まで。木綿、麻がおすすめです。絹も染められますが、アクリル、ポリエステルは染まりません。しっかり洗濯してお持ちください。あまりに大きすぎる布はご遠慮ください。ご不明な時は、村田までお問い合わせください。洗濯済みのスカーフ各種、バンダナ、エコバッグなどを実費で販売も致します。
  なお、どんぐり工房での夏の染め講習会でも、インド藍染め講座を開きます。
*7月27日(土曜日)10時~15時
*8月24日(土曜日)10時~15時
  ご予約は、どんぐり工房にご連絡ください。電話:0565833838 ホームページからもお申込みいただけます。
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映画「お嬢さん乾杯」

2024-06-19 17:57:17 | 映画とドラマと本と絵画

  「安城家の舞踏会」に続く、斜陽族もの。お嬢さん乾杯! - Wikipedia 昭和24年にできた木下恵介監督の作品です。そしてやはりヒロインは原節子。

   相手は佐野周二。冴えないけれど正直で金儲けはうまい貧農出の男。一家を救うために身分違いの結婚を決意する原節子に対し、彼女に一目ぼれした佐野は、彼女のこころが彼になびかないことに苛立ちを覚えます。しかし、しだいに・・・

   予想通りの結末なのですが、当時の日本映画としてはたぶん珍しいラブコメ。もしかしたら、初なのかも。佐田啓二が佐野修二の弟分で登場。痩身で額に垂らしている髪型は同じですが、まだ冴えません。

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映画「安城家の舞踏会」

2024-06-19 17:56:42 | 映画とドラマと本と絵画

  昭和22年の日本映画。安城家の舞踏会 - Wikipedia 主演は原節子。監督は吉村公三郎。原節子は家族の令嬢。戦後のいわゆる斜陽族一家を描いています。

  一家は元華族。主の滝沢修は世間知らずのお殿様。成金らしい男に騙され、家が抵当にわたり一家は没落寸前。お金がないのに、最後の舞踏会を開きます。元運転手が成功し、憧れのお嬢様(原節子の姉)のもとに求婚するも、彼女はプライドが許さず拒絶。森雅之扮する放蕩者の兄は、一家の凋落をシニカルに受け止めます。次女の原節子だけが冷静に時代の推移を受け止め、新しく人生をやり直そうとしています。

  脚本はステロタイプですが、当時は旧華族に対する同情もあれば、成金に対して喝采を送る向きもあったのではないかと思われます。殿山泰司が執事役で登場。まだかなり若かったと思うのですが、後年と同じく、禿げ頭としょぼくれた風情で演技しています。

 

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梅の実が不作

2024-06-05 00:05:40 | 手作りのたべもの
  恐れていたことが起きてしまった。梅の実がならない。
 
  裏作、なんてものではない。大木になった木の梢をいくら見つめても、一つも実が見つからない。かろうじて見つけたのはこれだけ。下に落ちていた未熟の実と、垂れ下がった一枝にだけついていた数個の実。
 
  FB友達の埼玉のガーデナーが、「裏作ということがないほどいつもたわわに実っていた梅の実が、今年はほんの少ししかとれないと聞いた。全国的に不作らしい」と投稿していましたが、こちらもやはり同じ状況らしい。
 
  彼女が紹介していた埼玉新聞では、原因を次のように分析しています。
 
  「(1)昨年秋の少雨で木に栄養が蓄えられなかった(2)2月の寒暖差が大きく不完全な花になった(3)その後に訪れた高温―が複合的に絡み合った結果だと推測している。「体力がなかったので、ただでさえ少ない実も木が耐えられずに落としてしまったのでは」と言う。 今シーズンは暖冬で梅の花が1週間ほど早く開いた一方、開花後に雪が降り受粉にも影響した。梅は同じ品種の花粉では受粉しても実がならない場合が多く、ミツバチを利用した受粉が広く行われている。ところが、開花後に寒の戻りが長引くと、ミツバチが飛ばなくなってしまう。近年は温暖化の影響で、開花期とミツバチが活動するタイミングを合わせるのが難しくなっている。」
 
  稲武の友人が分けてもらっている地元の農家でも、かなり少ないらしい。日進の親戚に聞いてみたら、2本ともにほぼ皆無。
 
  豊田市の別の山間地域に住む友人の家では、1本は例年通り。でも南高梅は2本ともほぼできていないそう。いつもたくさんの実をつけ、うちの梅よりはるかに採取しやすいので毎年大量にもらっている名倉の友人宅の梅のようすは、まだ知らせが来ないので不明ですが、私はだいぶ悲観的になっています。
 
  こんな時がいつかやってくるのではないかと思い、ここ数年、とりあえず梅干しだけは漬けていました。米と塩と味噌と醤油と梅干し。これだけはとりあえず確保しておきたい。
  
  果たして今年は無事、梅漬けをつくれるのだろうか。いつもなら見向きもしないでほうっていた未熟の梅、とりあえず醤油に漬けておきました。
 
 
 


 
 
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設楽町名倉のオープンガーデンに行ってきました。

2024-06-03 15:35:08 | 小さな旅
  名倉のオープンガーデンに行ってきました。パンデミック前の数年間、毎年6,7軒のお宅が参加していたのですが、パンデミックのため休止。去年再開し、今年は、3軒だけの開園となりました。
 
  駒が原の遊べる花屋の星庭→イオリスペース→後藤家のガーデン
 
  わたしたちは、この順に回りましたが、写真は、後藤家だけ。
 
  星庭は本格的なデザインのもと、迷路のような通路が作られていて、色や形をよく考えたうえで絵のように配置した(と思われる)植物が格好良く植わっています。オープンしたばかりの庭なので、まだまだ土の茶色が目立ちますが、これからの季節、ぐんぐん伸びると、さらにすてきな庭になりそう。遊べる花屋の営業中は、自由に回遊できるそう。テーブル席もいくつかあって、庭を眺めながら飲食もできるのかしら。大きなビニールハウスの中では苗の販売も。耐寒性があって旺盛に育ちそうな苗をひとつ買いました。
 
  イオリスペースの辻さんご夫婦は、星庭を設計した方たち。森の中の緑の庭は、周囲の自然に溶け込んでいて、自分も緑に染まりそう。うちにもいっぱいある野茨を上手に這わせたところが随所にあって、真っ白な花が美しい。こういうのを見ると真似したくなるけれど、触ると痛いので刈ってしまいたくなる。何とか生かせたらいいなあ。コアジサイの花もみごとでした。うちにもあって困るほどのドクダミやシャガが、辻さんのお庭でみるとなんだか特別の植物のようで、趣深い。植栽の仕方にちゃんと工夫があるからなのでしょう。
 
  後藤さんご夫婦は、無農薬栽培でトウモロコシを育てている方で、毎年いただいています。それで、彼女たちのお庭は見慣れているのですが、毎年どこか違っていて飽きません。こぼれ種で育った花もおおく、計算通りではなくて混在しているところが面白く、美しい。スイカズラの栽培種、ニンジンの花のようなイワミツバがかわいかった。増えて困るというオルレアは、遠景の田んぼとの境をきれいに縁どっているようでした。
 
 
 
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直線裁ちの手作りの服づくり~ミシン教室に通っています。

2024-06-01 23:39:12 | 手作りいろいろ
  昨日は、友人が主宰しているHappyCloset のミシン教室に行ってきました。こちらには、このところ、ほぼ毎月一回通い、何かを作っています。何か・・どれもこれも、私は直線裁ちのものばかり。一緒に通っている友人は、ちゃんとしたパンツやブラウスを作っています。
 
  昨日わたしが作ったのは、半幅帯と前掛け。
 
  半幅帯は、インドネシアのバティックの布を裁断して接着芯を張り付けて縫製。やることは単純なのですが、寸法を間違えないか、まっすぐ縫えるか、などなど気にしながら、結構緊張。出来上がった帯は、布地だった時より数段価値の高いものに思え、気に入りました。
  この教室で作った半幅帯は三本目。一本目は友人がほどいた帯を再度芯を入れてくっつけたもの。二本目は、よそからもらった紬の端切れを三枚合わせてつなげたもの。これは、帯芯は入れずに、洋裁の接着芯を圧着してから二つにおって縫いました。でも、薄地の接着芯を使ったため、かなりやわやわな帯となりました。
 
  3本目のこちらは、厚地の接着芯をくっつけて、二本目の帯と同じように作りました。高熱のアイロンをかけるので、少し皺が寄りましたが、出来上がった帯はしっかりしているのにしなやか。結びやすそうです。夏の、紺地や黒地の着物に似合いそう。
 
  前掛けの方は、10年以上前、古道具屋で1000円で買った前掛けを改良。両端についていた紐がちぎれたので、代わりに別の絣柄の布をくっつけました。思った以上にかわいい仕上がり♪ こういう昔の布の手縫いの後がステッチ刺繍のようでかわいい。破れを繕ったところもあって、しみじみいとしい。
どちらの布も、長いこと眠っていたもの。数時間の手仕事で蘇りました。
 
  こちらに通い出して作ったものは、草木染めした布の大きな前掛け、絞りの男物の浴衣地の簡単ブラウス、近江縮みほかの折り紙パンツ2枚、インドネシアのバティックの巻きスカート、紬の簡単直線裁ちコート、絣の木綿地のパンツ。草木染めした布以外は、すべてもらいものの生地でつくりました。そしてすべて直線裁ち。型紙を作ったり曲線を縫ったりといった面倒なことはまだまだできないし、なるべくしたくないので、とにかく直線縫いでできることばかりやっています。それでも、けっこう自己満足のできるものになります。それがうれしくてまた作りたくなる。
 
  次回は、新品の絹の着物の裏地をもらったので、それで夏のブラウス(もちろんほぼ直線裁ち)を作ろうと思います。
 
  
 
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