アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

こめこなクラブの収穫祭おわりました。

2014-12-20 17:17:22 | こめこなクラブ
   今年も、筒井重之さんのお米は豊作でした。稲刈りは、10月半ば。いつもより少し早目だった気がします。稲刈りは一週間ほど続いたのですが、雨が多くて、なかなかお手伝いに行けませんでした。やっと私が参加できた日は、子供が総勢6人、大人が5人集まりました。

    男の子たちは、すぐになぜか競い合いに。こちらは稲が何束持てるかの競争をしているところです。
   
    それになぜか、彼らは車好き。筒井さんの稲を集めて運ぶ車?に群がっています。
   
     そして、稲刈り機を初めて扱うお母さんの前後を、またまたなぜか一緒についていく男の子たち。

     筒井さんの田んぼのある大野瀬町大桑の静かな山里は、この日一角だけ、小さな子供たちの声でひとときの賑わいを見せました。

     さて、こののちひと月ほどはざかけした稲は、11月の終わり、新米になりました。そして、12月10日、どんぐり工房で恒例の収穫祭を行いました。

     収穫祭といっても、新米で五平餅を作り、新餅米で餅をつき、冬の野菜で汁を作ってみんなで食べるというささやかな行事なのですが、今年は、メンバー以外にも筒井さんの仕事を手伝ってくれた人たちも集まり、子供を入れておよそ30人近くの人たちが参加しました。

      このご飯は、メンバーの中の二人が、今年筒井さんの田んぼを借りて作った新米。ぬかくどで炊いておにぎりにしました。

      収穫祭では、毎年五平餅は玄米でつくります。今年は参加者も多いけれど、作り手も多かったので、けっこう手早くできました。たれは、甘酒とごまと醤油のほか、ピーナッツだれも。

      もちは、餅つき機が途中で動かなくなったので、急きょどんぐり工房にある臼と杵を借りて本格的な餅つきに変更。杵をもっているのは筒井さん。手返しになれている人がいて、助かりました。

    玄米五平もちは60本ほどできました。今年は、野菜の差し入れが多かったので、新鮮な野菜料理も次々に。料理好きが多くて、ありがたいことです。

     もちも、玄米餅。きなこもちとだいこんおろし餅になりました。

      食後は、今年みんなで作った小麦のとうみ作業に移りました。はざかけして石を抜いた小麦をとうみにかけ、ごみを飛ばすのです。メンバーの倉庫にしまってあったとうみを工房の庭まではこんでもらいました。

     こどもたちはとうみから吹き飛ばされたごみを受けて、喜んでいます。なんでも楽しく遊びにしてしまうようです。

     結局この作業も、筒井さんの手に頼りました。

     小麦は持った限り、およそ50キロ前後。わずかではありますが、今年は、この小麦を知多半島にあるわっぱの会の作業所に頼んで、製粉してもらうことにしました。来春、粉になって戻ってきたら、またあつまって、うどんかピザか、できることなら石窯を使ってパンを焼きたいものと思っています。ただし、この粉は中力粉のはずなので、パン焼きは難しいかも。春までに、いろいろ調べてみようと思います。
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麦刈りしました。

2014-07-16 16:06:00 | こめこなクラブ
  もうそろそろ麦刈りができそう、と思ってから半月以上たって、昨日、やっと大野瀬町・大桑の畑の麦刈りに行くことができました。

  台風8号、突然の大雨などなどで、畑はこんな状態に。草は、雨の降るごとにどんどん麦より伸びてしまいました。

  麦を育てて3回目。今年は大粒のぷくぷくした麦粒になったので、きっといい粉ができるだろうと期待していたのですが、最後の最後になって、刈り取り時期を逸してしまいました。

  それでも、落穂は多少ありはしますが、かろうじて穂に粒はついています。わらは触るとすぐ折れてしまうほど乾燥しているので、そっと手にとり、鎌で刈ります。草をかきわけての作業なので、たいして面積はないのに、けっこうな時間がかかりました。

  なかには、穂が地に付いて新芽がでたものも。こんなのはじめてみました。

  茎がポキポキ折れるので、穂だけになったのもたくさん。はざにかけて干すことができないので、シートの上で干すつもり。それができなかったら、鶏の餌になります。

   昨日は、標高700mの大桑でもかなりの暑さでした。外仕事に慣れないわたしは、ともすれば心臓がおどるので、何度も休み休み仕事しました。

   こめこなメンバーのご主人が作ったスイカ。筒井重之さんの家の、湧き水を引いている池で冷やしました。あまくておいしい! トウモロコシも彼が友人たちと作ったもの。自家採取した種を育てたそう。スイートコーンなのでしょうが、穀物の味のするしっかりしたトウモロコシでした。こういうコーンが食べたかった。

    持参のストローが折れたので、正真正銘の「ストロー」でジュースを飲むMちゃん。私が小さい頃は、田舎の親戚に行くと、このストローでシャボン玉をやらせてもらいました。一緒に作業した同世代の友人は、このストローでヤギの乳を飲んだのだとか。

    友人のご主人作の麦わら人形。稲わらではないけれど、わら人形というものをじかに見たのははじめてです。

    さて、なんとか麦は刈り終え、筒井さんのハウス内に設置したはざに干しました。来週か再来週にはとりあえず脱穀を終え、できればつづいてとう箕にかけたいとおもっています。
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麦畑のただいまのようす

2014-06-24 01:17:28 | こめこなクラブ
    小麦のようすを見に、大桑の集落まで行ってきました。ひと月ほど前にみたときは、まだ青かったのに、もうだいぶ黄金色にかわってきました。

    上がひと月まえの写真、下が昨日撮った写真です。

    筒井重之さんの畑を借りて麦を作り始めてから、もう4回ほどになるのですが、今年の実入りはすばらしい。ぷくぷくしています。

    前回見に来たときに書いたブログに、「肥料なしでできた」と書きましたが、まちがいでした。実は、こめこなくらぶの一人が、昨秋、畑をおこすまえに、草木灰と牛糞を施していたとのこと。わたしは今回、ほとんどお手伝いできなかったので、知らずにいました。苦労のかいあって、この立派な穂になりました。

    あと、半月かひと月のうちに、収穫できそうです。刈り取り後、筒井さん宅のハウスをお借りしてはざかけする予定なので、ハウスの整理もついでにしてきました。

    今年はちゃんと製粉所で粉にしてもらい、稲武地区の大きな石窯を使って、大きなパンをいくつも焼くことができそうです。楽しみ! といっても。あとしばらく、イノシシとネズミにやられないでいてくれたら、の話ですが。
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今年の麦畑

2014-05-26 17:07:28 | こめこなクラブ
   今年になってはじめて、大野瀬町の筒井さんの畑に行ってきました。昨秋、麦を植えてから半年振り。その間、こめこなクラブの有志が、何度か麦の様子を見に行ってくれたり、草をとりに行ってくれたりしたのですが、わたしはなかなか機会に恵まれず、こんな季節に訪れることになってしまいました。

   麦は、耕して畝たてしたところにじか蒔きしたもの。肥料も施さず、麦踏みもしなかったのですが、こんなに実っていました! 

   畑の手前には空き家が。それで日当たりが悪いせいか、手前のほうは背丈が低く、まだ実っている穂は少ないのですが、日当たりのいいほうは熟し始めているようです。

   きょう行ったのは、畑の草をとるため。でも、小さな草はたくさんありましたが、丈の高い草はわずか。それもほとんどオドリコソウ。ほかにスギナが少しとナズナくらい。スギナはともかく、ナズナもオドリコソウも引っ張るとすぐぬけるので、草取りは簡単にすみました。麦のまわりの短い草は、残したほうが地面の乾燥を防げていいかな、とおもってあえてとらずにおきました。

   きょうも、大桑では筒井さんのご家族以外、だれひとり出会わないまま帰路に。過疎化している稲武地区の中でも大桑は、最も若い方でも40代半ばという限界集落。空き家が目立ちます。

   帰り道、山の崖一面に美しい黄色い花が咲いているのを見つけました。筒井さん宅でも見かけた花です。フェイスブックに載せたら、クサノオウという在来の花だとFB友達が教えてくれました。瘡の王とも草の王とも書き、薬になる草だそう。ただしかなりの毒性があるようです。

   この崖には、キイチゴの木も2本ほど。未熟ですがたくさん実をつけていました。そばには、タラの木も数本立っています。わずか、数メートル四方に、人間にとって有用な植物を三種類も見つけました。なにも採取してこなかったけれど、見つけただけで得した気分になりました。

   麦は、あとひと月もしたら、刈りとりができそう。完熟したら鳥除けを考えないといけないかもしれません。
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今年はじめてのこめこなクラブの作業

2013-04-24 15:54:11 | こめこなクラブ
   2週間近く前、今年初のこめこなクラブの作業を行ないました。

   稲武地区大野瀬町大桑の筒井重之さんの畑で、昨年作らせていただいた小麦畑の整理作業です。

   昨年初夏に収穫したまま、ほとんど放置していた畑は、枯れ草がぎっりしはびこっていました。防草シートやマルチシートが見えなくなるくらい。

   草を刈ったり抜き取ったりして、シートをはがす作業、けっこう時間がかかりました。もう、太いミミズや、小さな蛇がこの畑には住み付いています。

   子供たちは、ふかふかの土に、シートを押さえる太いピン?をブスブス突き刺す遊びに夢中。この土はどれくらいの力で刺すとすっと突き刺せるのか突き刺せないのか、そういうことを知るのは、とてもだいじなことです。土や石、植物や動物をさわったりなめたりつかんだりけったりすることで、こどもは現実感を得て行くのだと思います。とにかく、彼らは真剣に遊んでいました!

   今年は、こめこなメンバーが少し増えました。これまで、メンバーの都合がつかなくてなかなか筒井さんのお手伝いができなかったのですが、今年はメンバー以外にもイネのはざかけ作業を手伝って下さる方々も見つかりそう。ほんのささやであっても、大桑の自然のかたすみで、遊んだり働いたりして気持ちのいいひとときを過ごすことができたらいいなと思っています。

   昨年は、諸般の事情から、秋に小麦の種をまくことができませんでした。今年はこのあと、耕運してシートをしきなおし、秋口に小麦の種をまきます。わずかでも、一から作った小麦を口にできるのは、ほんとにうれしいこと。ことしもまた、来年の収穫に向けて、少しずついそしみたいとおもいます。
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こめこなクラブの収穫祭

2012-12-18 00:21:30 | こめこなクラブ
   一昨年の春に誕生したこめこなクラブ。きょう、どんぐり工房で、この秋の収穫祭を開きました。

   Tちゃんがお母さんと一緒にすっているのはエゴマ。五平餅のたれに使います。Tちゃんは今年も何度か、大野瀬町の筒井重之さんの田んぼや畑で手伝ってくれました。

   Hさんがさらにすり続けて、Kさん手製の甘酒と混ぜます。手前は、クルミと粗糖。ずいぶん濃厚なたれができました。

    Yさんが形作っているのは、皆で作った小麦のだんご。すいとん汁にしました。

    こちらは、筒井さんの田んぼでとれた新玄米のおもちです。いったん3分搗きにしてから糠と一緒に蒸し、搗いたところです。

    どんぐり工房には長細い囲炉裏があります。五平餅はここで焼きます。

   3時間かかってやっとできあがり、筒井さんを囲んで昼食会の開始。もちよりのおかずやケーキもいっぱいです。食べるのに夢中になっていたら、目の前の五平餅が真黒にこげてしまいました。

    五平餅を置く箱。パン屋で使うバンジュウに半割りにして切れ目を入れた竹を置いただけの簡単な仕組みなのですが、とても便利です。どんぐり工房のインストラクターの方たちが工夫して作ったのだそうです。うちも作ることにしよう。

   気心の知れた人たちと長い時間をかけて料理を作り、そして一緒に食べる、言ってしまえばただそれだけの行為なのですが、楽しい。そういえば、こちらに来てからこういう機会をよく持つようになりました。
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こめこなクラブの麦、粉にしました。

2012-11-23 21:45:30 | こめこなクラブ
 夏の終りに、足踏み脱穀機を使って穂から外した私たちの小麦(コチラ→)。筒井重之さんが小石を機械で取り除いてくれて、やっと選別作業ができるまでになったので、先日久しぶりにメンバーが集まりました。

   選別作業は、唐箕でおこないます。この唐箕は設楽町の古民家で不要になったのをもらい、こめこなクラブのメンバーの一人に譲ったもの。もらってから、私も友人もまともには一度も使っていなくて、ちゃんと作動するかどうかおぼつかないまま作業の日を迎えました。

    この日集まったメンバーの中で、唐箕経験者は二人。私はほとんどいじったことがなかったので、この道具が実は下の口がなくなっていて、選別された穀物がスムースに出て行くようになっていないことに気づきませんでした。彼女たちの発案で、急遽ダンボール箱を下に入れて作業を開始。

     昨年春まきして作った小麦は、できが悪くてぺちゃんこの軽い実が多かったのですが、今年はぷくっとしていて重い。けっこう飛ばずに下に順調に落ちていきました。遠いところに飛ばされた実を、はじめはあわてて拾い集めていましたが、よくみると、そういう粒は軽すぎてごみ同然とわかり、唐箕近くに落ちた粒だけかき集めました。

    20キロの米袋にほぼいっぱいあった麦粒は、約1時間で選別できました。

    そのあと、私宅の家庭用製粉機で製粉。電動ですが、石臼だからか、ゆっくりしか挽けません。粉を挽く一方で、昨夜仕込んだピザ生地を伸ばし、庭の隅にある小さな石窯を温めます。

    久々に焚いた石窯は、時間を掛けたせいか庫内が十分熱くなっていて、数分でピザが焼けました。ピザ生地はいつも私が使っている国産の強力粉と薄力粉、それに全粒粉をあわせたものです。

    焼きたてはおいしい! すでに、持参のおにぎりやお好み焼きを食べておなかは十分足りているはずの子供たちなのですが、ピザにもついつい手が伸びます。

    挽いたばかりの新小麦は塩と水をまぜてまるめ、野菜スープに入れました。玄麦をそのまま挽いたものなので、見た目はミートボールそっくりです。味も、お肉っぽい。

    新小麦団子の残りを平たくして焼いてみました。

    灰だらけの平焼きパン。香ばしいにおいが漂います。

    このパン、1枚目は固めのせんべい、2枚目は少し柔らかめのパンケーキ風、3枚目は中が空洞になり、ピタみたいになりました。どれも、それぞれ違うおいしさ! 

    Tちゃんは、ほうばるなり、「甘過ぎる!」とさけびました。確かに、甘みを感じます。新米を食べる機会はあっても、新小麦や挽きたて小麦を食べるのははじめて。小麦も新しいと甘いのだと、知りました。

   ピザ生地の残りは、丸めて二次発酵をさせましたが、薄力粉が半分近く入っているせいか、ふくらみがイマイチ。だめもとで、熾き火になった窯に入れて、蓋を閉めました。

   15分後、蓋を開けてみたら、こんなにぷくぷくにふくらんだパンができていました。しっとりした食感がたもたれているのに、水っぽくなくてとてもおいしい。いままで食べてパンのうち、そうとう上位にランク付けできるパンになっていました! 生地はいつもと変わらないので、石窯の威力としか言いようがありません。

   今度は、挽きたての新小麦の全粒粉だけで仕込んだピザ生地を石窯で焼いてみたい! 煙突もないとても素朴な窯ですが、今回も十分役に立ってくれました。

   今年の秋は、いろいろ忙しかったせいで、麦を蒔くことをすっかり忘れてしまいました。かわりに来春、麦の畑に藍やタカキビなど、あまり手のかからないものを植えようか、と検討しているところです。
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筒井さんの田んぼではざかけ作業

2012-10-19 09:12:03 | こめこなクラブ
  大野瀬町の筒井重之さんの田んぼの稲刈りとはざかけ作業がはじまりました。10月16日、こめこなクラブの私とMさん一家も、お手伝いに行ってきました。

  久しぶりに来た大桑集落はすっかり秋の装いに。黄金色の稲穂がたわわに実り、豊かな秋の風景が広がっています。寒冷地に強い品種のミネハルカ。今年も例年通りの豊作です。

   筒井さんは、いったん縮小した耕地面積をまたもとにもどし、昨年の1.5倍ほどのお米を作りました。今年は、たくさんの方に、筒井さんのおいしいお米を食べて頂けそうです。

   はざかけの支柱を組む筒井さん。手伝いに来ていた近所のお年よりが、「あんた、ていねいなやり方しとるなあ」とほめていました。

   農作業では、さまざまな場面で「結ぶ」という仕事が必要になります。筒井さんの仕事をみていると、この「結ぶ」仕事の手際のよさに驚きます。みんな昔からのやり方らしいのですが、うまくできてる。でも、私はこの日も、稲束をわらで結ぶ方法をまた忘れてしまって、筒井さんの手を煩わせました。

   はざが並んだ田んぼ。壮観です。全部筒井さんたちの仕事です。

   Mさん親子。昨年から何度も経験しているので慣れています。Tちゃんは、お手伝いもできるようになりました。彼女は、この山里が大好きだそうです。

    この日は、2ヶ月前に生まれたばかりのKちゃんも田んぼデビュー。乳母車に寝かせられたKちゃんは、青空を見上げながら、ときどき声を出して手足を動かしていました。揺れている電線や木々の葉、鳥の姿でもみたのでしょうか?

    筒井さんがもいできてくれたトマト。甘過ぎずすっぱ過ぎず、おいしいトマトです。私はこの日も微熱があり、寒さと疲れを感じながら田んぼに出たのですが、陽に当り、爽やかな空気を吸ううちに、気分がよくなってきました。トマトをみたら無性に食べたくなり、まるごとパクリ。二つも食べました。たぶん、体内で何かが不足していたのでしょう。お土産にたくさんいただいて帰りました。

    筒井さんのところのはざかけ作業はやっと半分がおわったところ。来週また、折をみて行くつもりです。
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イネの苗の再植のはなし

2012-08-08 10:25:15 | こめこなクラブ
   先日小麦の脱穀のため、大野瀬町の筒井さんのところにいったとき、彼からおもしろい話を聞きました。昔の米作りのことです。

   彼が育った岐阜県現恵那市上矢作地区は、今住んでいる大野瀬町大桑集落の山を越えた隣町。そこで昔行われていたのが、「再植」という方法だそうです。

   「再植」とは文字通り、苗を再び植えること。通常、田植えというのは、苗床で育った苗を田んぼに植える作業を指します。でも、上矢作地区では、苗床で育った苗を特別に設けた場所にいったん植えておいて、ひと月ほどしてから本田に再び植えなおすという方法をとっていた、というのです。

   たくさんの苗を2度も植えるというのは、手間のかかる作業なのですが、この方法を取る利点は2つある、と筒井さんは言います。

   ひとつは、仮植えしている間に苗は根を伸ばし、初夏の気温でぐんと背丈も伸びます。そのよく育った苗を田んぼに植えると、根が長いので、通常の場合より水深が深くても大丈夫です。こうすると、生えかけた雑草は水の中で育たず、死んでしまうのだそうです。死んでしまうといっても、全滅はしないのでしょうが、その後の草取りの手間がかなり省けるのだそうです。

   もうひとつの利点は、麦との二毛作ができること。今回、私たちが秋蒔きの麦の収穫をしたのは、6月下旬でした。蒔きどきがちょっと遅かったかもしれませんが、それでも、収穫はどうしても6月中旬ころになるはずです。田植えはだいたい5月から6月半ばころまで。そうすると、麦刈りから田植えまでの間がかなり少ないので、麦を畑ではざ干しする時間がとれません。

   いまは、ほとんど二毛作などしないだろうけれど、昔はどうやって麦作と米作の切り換えをしていたのだろう、と不思議に思っていたところでした。

   筒井さんの話を聞いて納得。寒い稲武ではたぶん二毛作は行われていなかったとおもわれるので、この方法はある程度あたたかいところでのやり方なのでしょう。農業機械が普及する前の話なので、田植えはどちらにしろ手植え。田植えのしんどさが2倍になるこの方法、いま知っている人はもうほとんどいないだろう、と筒井さんはおっしゃっていました。
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小麦の脱穀

2012-08-06 18:42:44 | こめこなクラブ
  先日、大野瀬町大桑の筒井重之さん宅で小麦の脱穀をしました。

  小麦は、筒井さんのハウスの中でほぼひと月天井近くに積んであったので、完全に乾いています。

  おろしてみると、けっこうな量です。この日集まれたのは3人だけ。一日で終わるかどうかこころもとなかったのですが、とにかくはじめました。

  筒井さんが持ってきてくれたのは足踏み式の千歯こぎ。割り竹を2本取り付けます。

  その竹の上にござをかぶせ、針金でとめて覆いにします。そして脱穀。

  足でそうとう強く踏み続けないと回転が遅くなり、うまく脱穀できません。菅笠、手甲、もんぺのよく似合うYさん、がんばっています。私は結局、足を踏み込み続けられなくて、リタイア。この仕事は、若い二人に任せました。

  Tさんが作業しているのは、麦の頭ごと機械の中に入ってしまったものを、手でばらばらにする仕事。けっこう大変です。
  標高700mほどの山里とはいえ、日中は日差しがきつくてかなりの高温になります。炎天下での仕事が続き、だんだんくたびれてきました。すぐそばの湧き水で手と顔を洗い、のどを潤します。

  車道脇の溝に流れ込んでくる水なのですが、まっさらの山の水だとか。冷たくておいしい。

  筒井さんが「このまんま食べてみろ。うまいぞ」といって持ってきてくれたずんぐりむっくりの採りたてのキュウリ。地の野菜だそうで、皮が柔らかいのに驚きました。Yさん持参の塩をつけて食べたら、おいしかった。ただし、上のほうか下のほう、どちらかは苦くて、私は食べられませんでしたが。

  さて、脱穀機の下には、実と一緒に茎や殻やごみがたくさんたまります。大きな茎やごみを取り除き、袋に入れます。

  ほとんど殻とごみばかりなのではないかと思うほど軽い。でも、実らしい粒を拾って食べてみると、ちゃんと穀物の味がします。甘い。昨年収穫した麦とは大違い(コチラ→)です。

  結局この日では片付かず、若干の麦束とごみ除去の仕事を残し、作業はひとまず終了することにしました。足踏み式の脱穀機ではかなり大変なので、筒井さんの倉庫に眠っている動力式の脱穀機を筒井さんが修理してから、それを使うことになりました。
 
  残った麦わらをもらっていこうとござに包んでいたら、筒井さんが稲わらをもってきてくれて、こんなふうに稲わら束同士を結んで長い紐にし、ぎゅっとくるんでくれました。この結び方を、筒井さんたちは「すがい」と呼んでいるそうです。

  で、閉じるときはこれ。麦や稲の束を縛るときの縛り方です。「相当力をかけても稲わらは切れない。麦わらではだめだ。昔芝刈りにいったときに芝を縛るときにこの結び方や縛り方をしたものだ。稲わらは百姓にはなくてはならないもんだった」

  いかにも簡単そうに見えるのですが、マスターできたとはいいがたいこの結び方、覚えておくと便利そう。稲わらもすごいけれど、次々に利用法を考えた昔の人たちの知恵もすごい。

     
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