アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

竹の葉染めワークショップを開きました。

2020-08-30 14:16:46 | 草木染め
   一昨日は、豊田市旭地区の施設・つくラッセルで、竹々木々工房主催の竹の葉染めワークショップを開きました。

   竹々木々工房は、豊田市山間地域に移住した5人の女性たちのグループ。豊田の山で増えすぎて厄介者になっている竹や、人工林の間伐材を資源として見直し、生かすことを活動の中心に据えています。

   その活動のひとつとして竹の葉染めも加えたいというので、講師を引き受けました。

   集まったのは、近隣の親子10人ほどにスタッフ数名。まず、竹伐りからはじめます。採取場所まで軽トラで。私はお留守番です。

   30分後、孟宗竹1本を伐り出してご帰還。男の子は竹の葉ベッドがお気に入りのようです。

   竹の葉染めは、秋から冬にかけてしばしばおこなっていましたが、この季節でも染められると聞いたのは数か月前。この日のワークショップのために、7月中旬のどんぐり工房での染めの会の折に、同じ場所で採取した竹を使って、染めてみました。でも、この日は、だいぶ煮だしても色は薄い黄色のまま。媒染で色は出ましたが、冬の笹のような冴えた黄色にはなりませんでした。

   竹は、普通の木々と逆に、冬は青々していて、春になると黄色っぽい色に変わります。竹の伐り時が11月から2月頃までと聞くので、染めも同様にこの時期の色がいいのだなと思ったことでした。

   そういうわけで、終わりかけといえど、夏は夏なので、まず期待はできないなと思っていました。

   ところが、ほぼ50日経った一昨日。軽トラで運ばれた笹の葉は、まず色が違う。緑が濃くなっています。葉っぱだけちぎって(この作業が結構大変でした)煮だしを始めると、意外にはやく、液が黄色になり始めました。

   お昼ご飯終了後、染め液につけておいた布類を媒染液に。アルミ溶液では、やはり薄めの黄色でしたが、前回よりはずっと濃い。酢酸銅溶液に入れたものは、さらに鮮やかな黄色になりました。

   竹々木々のメンバーの話では、竹の伐採は秋からとは言うものの、夏が過ぎたら伐ってもいいともいわれているとか。葉染めも、夏の終わりだからこそ、濃い目の黄色が出たのではないかとおもわれます。まずまず成功してよかった。

   手前のオリーブ色は、鉄媒染液につけたもの。濃い黄色が出たときだけ、このオリーブ色に出会えます。

   こどもたちは、途中から染めの模様付けをするために用意した割りばしや輪ゴム、ビー玉、洗濯ばさみを使った工作のほうに夢中になり、染めはそっちのけになりましたが、最後の洗いで、模様がくっきり浮かび上がると、歓声をあげました。
    
   秋の終わりから早春しか染めに使えないと思っていた竹の葉が、こんな暑い時から使えると知ってうれしい。そのうち、どんぐり工房の定例講習でも、使いたいとおもいます。
   


   
   

   
   
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夏の簡単ご飯3種

2020-08-26 13:35:24 | 手作りのたべもの
   先日どんぐり工房での染め講習会で、はじめて冷房をかけてもらいました。この時期でも、稲武はいつも、窓を開けて扇風機をかけさえすればいい風が入り、室内で汗が出る、などということはほとんどありませんでした。ところが今年は異常。梅雨が長くて体が弱っていることもあってなのか、ちょっと外に出ただけでも頭が痛くなることがあるほど。平地ではたぶんもっともっと耐えられない暑さになっていることとおもいます。

   でも、これまで、夏だからといって食欲がなくなることはまずありませんでした。今年も食欲だけはかわらない。でも、何を食べたいか、となると話は別。こんな時こそ玄米と味噌汁がいいのだけれど、とおもいながら、そうめん、冷や麦、冷やしうどん、ざるそばの出番のかなり多かった夏でした。

   さて、夏になると何度かつくる、ごくごく簡単なご飯を紹介します。ぜんぜん手が込んでないし、恥ずかしいような料理ですが、簡単な割においしいので、載せます。

   まず、こちらはごちそう麺と称している麺料理。冷や麦やそうめんをゆでて、めんつゆをかけ、ありあわせの夏野菜そのほかの具を盛るだけ。だいたい必ず入れるのは、油揚げを炒めて味付けしたもの。これがあれば、ハムも卵もいりません。

   めんつゆは、自家製。水を入れるボトルに、鰹節と昆布をふわっと一杯に入れておきます。鍋に、醤油:みりんを1.5:1くらいの割合で入れ、点火。沸騰直前で火を止め、ボトルの中にどぼどぼ入れます。一晩くらい置いて、漉したらできあがり。水で適宜薄めてつかいます。

   こちらは冷や汁です。すり鉢にごまを入れてすり、そこに焼いたアジの干物のほぐし身を入れてさらにすります。そして味噌投入。私は米味噌と白味噌を適当な量入れて、そこに豆腐を加えてすり混ぜます。だしがつくってあるときはだしを、ないときは、いつもかつおといりこと昆布とシイタケの超微細粉末のはいった「未来だし」を使います。

   先日は、アジの干物なしで作りましたが、まあまあいけます。ネット情報によれば、アジの干物を入れるのは九州のどこだったかの郷土料理。東のほうのどこかは、キュウリを薄く切って、味噌によく混ぜるだけなのだそうです。熱いご飯にかけて、キュウリの塩もみやシソの千切り、ミョウガなどをかけていただきます。味噌は濃い目のほうが私は好き。

    最後は、簡単なちらし寿司を。

    まず、米酢、塩、はちみつかメイプルシロップですし酢を作っておきます。炊き立てのご飯にすし酢を混ぜて、酢飯を作ります。そこに、梅漬けのシソを刻んだもの、あればしらす干しかちりめんじゃこ(できたら酢にちょっとつけておく)、薄切りキュウリ、いりごまを混ぜるだけ。甘酢漬けの生姜があれば散らします。ごくごく簡単なお寿司ですが、意外とおいしい。食が進みます。

    昔仕事でお世話になった、自然食料理研究家の丸山光代さんの『私の健康料理』で知って以来、何度も何度も作っているちらし寿司です。

    おまけのこちらは、Facebookで知人がコメントして教えてくれたおかずみそ。

    甘みそを作っておいて、そこにローストして刻んだクルミと、刻んだ青じそをたっぷり混ぜたもの。ご飯はもちろん、豆腐やうどん、お肉や魚にもあいます。

     今年初めて作った梅塩も、暑い時にいろいろ役に立ってくれています。

     瓶に詰めた塩の中にどぼどぼと梅酢を入れてしばらくおきます。おかなくてもいいかもしれませんが、ま、なじむまで。

     どろどろの塩を炎天下で一週間ほど干したのがこのお塩。ほんのりピンクでちょっぴり梅の香りのする塩ができました。おにぎりを握ると、なんだかおいしい。水を飲んだらこの塩をなめたり、麦茶を携帯するときにこの塩を混ぜたりなど、いろいろ使っています。今年は作りませんでしたが、梅酢と水に、はちみつかメイプルシロップをたらした自家製スポーツドリンクにも入れると、より暑さしのぎになりそうです。

      なんだかんだといいながら、山里では夏の終わりを思わせる景色に変わりつつあります。夏が来るのが遅かったので、いざ終わるとなるとなんだか物寂しいこのごろです。

     

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晩夏のアンティマキの場所

2020-08-24 15:00:56 | アンティマキの場所に生きる動植物
    先週末から一日おきくらいに、数時間ずつ土砂降りになり、その後、めっきりひんやりした空気が流れるようになりました。

    昨年は、まったくひとつも落ちなかった栗。あんな年は初めてでしたが、今年は未熟果がもうこんなに落ちています。木を見上げても、実がどれほどなっているのかわからないのですが、去年よりましのようです。安心しました。これからは周辺の草をよく刈り、イノシシやサルより先に栗の実拾いに駆け付けないと。

    水やりをさぼっていたせいで枯れかけていた琉球藍は、一気に元の青々した生命力盛んな姿を取り戻しました。それで、やっと枝を数本切って、挿し木してみる気になりました。ここでまた水やりを怠ると、枯れてしまいそう。心せねば。

    無農薬栽培のミニトマの苗を、今年は2軒から購入し、獣の目に止まりにくいと思われる場所に植えました。はじめは支柱を立てて縛ったのですが、途中から伸び放題にまかせました。

    このずぼらな栽培は、なかばあえてやったこと。雑草の中でトマトの茎があちこち無尽に伸びていますので、トマトの実は、下のほうに隠れて見えにくくなっています。

    無事、この計画は成功しました。昨日初収穫。ほんとに隠れたところで赤くなっているので、見つけにくいのですがしかたありません。完熟まで待つのは危険なので、早どりしました。彼らとの競争です。

    カボチャも植えました。その蔓も行きたいところに伸びています。まだ大きくはなっていないので目につきにくいけれど、こちらはかなり心配です。イノシシやシカは完熟したおいしいものをとるようですが、サルは食べるつもりがなくてもとります。いたずらするのです。それが悔しい。収穫できる大きさになるまで土の栄養がいきわたるかどうか心配ですが、その前に、彼らに気が付かれないことを願うばかりです。

    猫じゃらしが風に揺れ、野菊やキンミズヒキ、ゲンノショウコの花が咲き始めました。山里の秋の到来です。



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8月のどんぐり工房の染め講習会終わりました。

2020-08-22 23:14:27 | 草木染め
  本日、今月の、どんぐり工房の定例草木染め講習会を終えました。 

  今月は、「インド藍で夏の青を染めよう!」。先月末の岡崎暮らしの学校での講座に続き、今年二回目のインド藍講座です。

  今日は、名古屋、豊橋、岡崎、豊田市街地、と遠方からの参加者がほとんど。朝から稲武も暑い日差しが注いでいましたが、「炎天下で普通に過ごせていられるということが驚き。気持ちいい」とおっしゃっていただきました。

  今年の夏は、標高600mの場所にある私宅でも過ごしづらくて、扇風機を回す時間がいつもよりそうとう多くなっているほど暑い。でも、まだ、クーラーが必要というほどの暑さになっていないのが救いです。

  さて、こんな稲武での一日、皆さんがお持ちになったシャツやブラウス、スカーフ、絹布などで、こんなにたくさんの染めができました。

  割りばしの板締め。

  洗濯ばさみとビー玉と紐で作った模様がユニーク。

  こちらは、お孫さんに描いてもらった絵をラップで防染して白抜きした手ぬぐい。かわいい。

  こちらも、同様に花を描いた部分を防染しています。

   古道具屋で仕入れた絹の白布を紐で縛っても模様付けしてありあす。女の子のワンピースになるそうです。 

   ほぼ最後の水洗いを終えたころから雲行きがあやしくなり、干し終わった途端、大粒の雨が降ってきました。稲武はずっと好天が続いていたので、ありがたい雨です。

   きょうも、たくさんの布がいい色に染まりました。参加者のお一人が、「しばらく自粛で何かを見に行ったり作ったりといったことを控えていました。今日はほんとに久しぶり。一日充実していました。楽しかった!」とおっしゃっいました。6月から再開したこの講座、密接になるのを避けるよう、注意はしているものの、ともすれば接近してしまうことも。いろいろ気にしながらの開講なのですが、こういうご感想をいただくと、開いてよかった、とおもいます。

   というわけで、来月も開きます。来月は9月22日(火曜日・祝日)の開講です。染め材料は、葛かヨモギ、そのほかもう一種類、なにかつかいます。山里の初秋の草木染め、たのしみにいらしてください。
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ガキ大将養成講座の拠点さくら村を見学しました。

2020-08-11 14:15:48 | 小さな旅
   先月、豊田市旧旭地区にある、さくら村を見学しました。

   さくら村とは、ガキ大将養成座の拠点となる場所。この講座には前から興味があり、いつかお訪ねしたいと思っていました。

   写真は、さくら村のシンボルツリーである桜の大木を中心に作り続けられている、ツリーハウス。全体がらせん状にできていて、右から左に次第にせりあがっている構造になっています。しかも、この建物にはどこにも直角がありません。側面も屋根もすべて台形のユニットが組み合わさってできています。複雑な形のこの建物、完成時には何人もの人たちが寝泊まりできるというりっぱなものになります。

   驚いたことに、壁板や屋根の板、雨よけシートなど、手作業でできることはすべて、子供たちの手でできているそう。いささか高所恐怖症気味の私は、カメラをもって上がるのがこわくて、屋根が見える場所には何も持たずにおっかなびっくりであがりました。小学生の子どもたちが、この高い場所で、釘を打ったりシートを広げたりといった仕事をこなすとは、すごいことです。

   ガキ大将養成講座を企画、運営なさっているのは、安藤征夫さん。さくら村のある山は、彼の持ち山です。6年前にガキ大将養成講座を立ち上げ、今に至るのですが、年々この講座の人気は沸騰。お訪ねした前夜、今期の講座の告知をしたのだそうですが、募集を始めて1時間後には定員いっぱいとなったとか。人気のほどがうかがえます。

   さくら村にあるのはツリーハウスだけではありません。長い滑り台のほか、わっかにしたロープがいくつもぶら下がっていて、ターザンのようにつるつると移動できるものや、グラグラ揺れる木切れの上をロープに伝わりながら先に進むことのできるものなど、活発な子供なら、見るだけでわくわくするような遊具がいくつもあります。

   ピザ窯も、バーベキューのできる場もあります。遊具もほかの設備も、すべてみんなほとんど子どもたちの手でつくりました。最近できたばかりという休憩所の小屋は、土壁づくり。さくら村にある赤土を掘ってきて刻んだわらと混ぜ、ひと月寝かせてできた壁土で塗り固められています。小屋の前には、ピンクのドアが。どこでもドアだそうです。

   「ガキ大将養成講座はプレイパークなどとは違って、遊びが目的ではありません。あくまで学びの場。ちゃんと生きることのできる子供たちを養成するための講座です」と安藤さん。ひとつの遊具や構造物を作るのに、子供たちは企画を出し合って計画を練る。そして手分けして作業が始まる。うまく行かないことがあればそこで立ち止まる。反省する。仲間の意見、大人のアドバイスを聞く。そしてまた作業を進める。これらの繰り返しが彼らを成長させるのでしょう。安藤さんのフェイスブックには、働いている子供たちの笑顔が溢れています。たくましくすがすがしい笑顔。惹き付けられます。 

    「私たちは、まず、道具の使い方をおしえます。どうやったら効率よく使え、どう仕損じたらどんな危険なことになるのかについて、みっちり伝えます。あとは、子供たちが質問してきたとき、ちょっとしたアイデアを伝えるくらい。最初はなかなか仲間に入れない子もいますが、いつのまにかお互い相談しながら何かを作り始めています」
 
   ピザを食べたいからピザ窯を、ターザンごっこをしたいからその道具を、それぞれいちから作る。こどもたちにとって、おそらくこれまでにしたことのない体験の連続だろうと思われます。

   働く目標が明瞭なので、頑張ろうという気になる。友達とのやり取りをしないと先に進まない。ときには危険を伴うので、勝手にだまって知らん顔しているわけにはいかない。だから、コミュニケーション能力は自然に身についてくるのだとおもいます。働くことは楽しく、人とかかわることはおもしろい。そういう気持ちが知らず知らずのうちにはぐくまれるのではないかと思えました。

   「仲間に入れなかった子供が、平気でみんなと行動するようになっています。不登校だった子が登校するようになったこともあります」と安藤さん。小学生の頃、通知表にしばしば私は、「協調性がない」と書かれました。とりわけ孤立していたわけではないし、教師に反抗的であったわけでもないのですが、今思えば、コミュニケーションの仕方が下手だったから、教師にはそう見えたのだろうと思われます。ガキ大将養成講座のような場所にいたら、たぶん自然に身につくことがらのひとつが、学校では育たなかったということなのでしょう。

   宙づりのトンネルの中にいるのが安藤さんです。うれしそう。彼がそもそもガキ大将だったから、こんなこころみを思いついたのだな、と納得できる写真です。
  
    彼らの親御さんたちも、作業には一緒に参加。その親御さんたちが遊べる場所も、この近くに作りました。そこには広いデッキが作られていて、見晴らしがとてもいい。キャンプできる場所ももちろんあるし、大きな焚火を囲める場所も作られています。こちらもすべて子供たちと親御さんたちの工夫と作業で生まれました。

    ガキ大将養成講座では、「生きる力」を養うために、ほかにもいろいろな活動を行っています。

    そのなかのひとつは、「小遣い稼ぎ」。昨冬は、さくら村で伐採した木々を薪にする作業を子どもたちが実施。束にして販売したそうです。彼らの時間給は500円。子どもにしては大金です。

    今年は開催中止でしたが、旭地区の福蔵寺で毎年三回開いている福蔵寺ご縁市では、ガキ大将養成講座の子供たちが、地元特産の自然薯やかけそばの販売にいそしんでいます。いつも近くで出店しながら、彼らの威勢のよさ、元気さに感心していました。最初からそういう子たちばかりが集まったとはかぎらず、元気な子どもに育っていったのだな、といま、思い返しています。

    そのほか、登山やシャワークライミング、農作業などなど、盛りだくさんの講座が用意されています。いずれも安藤さんの考える「生きる力を培うための養成講座」。そのプログラムの一つに、今年は、草木染め体験が加わりました。その講師としてお呼びいただき、この日下見を兼ねて伺ったしだいです。

    秋の終わりころの開催となるので、クリにしようか、あるいはさくら村で育っているほかの木々の枝葉をつかおうか、ただいま思案中です。養成講座に集う子どもたちと一緒に一日作業できるのが、今からとても楽しみです。

*当日撮った写真を収めたカードが壊れて使えなくなったため、本ブログにつかった写真はすべて、安藤さんと当日スタッフとして同席してくださった野中佳美さんにお借りした写真です。



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