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ずっと前から、精油や蒸留水を作る手軽な装置を買おうかどうしようか、迷っていました。大きいのはとても高い。でも小さいのならさほどの値段ではないので買ってもいいなとは思うのですが、それでも使わなかったら邪魔なだけ。持っている友人に聞いたら、蒸留水ですらできるのはほんの少しだけ、とのことなので、なおのこと、一歩踏み出せないでいました。
ところが最近ときたまお会いする機会のある方が、幡豆の工房で蒸留水の講座を開いているとお聞きし、さっそく友人たちとお訪ねしました。
彼女は小久保亮子さん。ハーブをこよなく愛し、海の見える小高い丘にあるご自宅兼工房の庭で何種類ものハーブを育てていて、そのハーブで種々の蒸留水を作っています。養蜂も手掛けているので、みつろうを使ってクリームなども手作り。工房の中はかぐわしい香りに満ちていました。
彼女のモットーは、身近にある道具で手軽にハーブを利用すること。私の希望にピッタリです。
蒸留に使ったのは、ステンレスの蒸し器。耐熱ガラスかステンレスが蒸留にはふさわしいそうです。
この日は、同行した友人が山で採取したクロモジとタムシバ、それにコアジサイの花を使って、蒸留水の作り方を教えていただきました。真ん中に匂いのつきにくい陶器や耐熱ガラスの器を置き、刻んだ材料を周りに入れます。
クロモジとタムシバはどちらも大好きな香り。少し量がすくなめなので、お庭のレモングラスも足します。
蒸し器の上にふたをします。この蓋が大事。ひっくり返して蒸し器の中の容器に水滴がしたたり落ちやすいように、なるべく円錐形のものをえらびます。そうすると漏斗状の蓋を伝って水滴が中央の容器に落ちる、というわけです。
蓋が大きくても、蒸し器とぴったり重なるものを選びます。下の鍋に水を入れて点火。蓋の上に用意しておいた氷と湧き水か浄水を入れ、加熱し続けます。どんどん氷を入れると、蒸留が早いのだそうです。
思ったより早めに、植物の匂いがしてきます。植物によって量が採れるものと採れないものがあるそうで、レモングラスは別名「香水ガヤ」といわれるほど、水が採れるけれど、ミントや花は少なめだそう。
加熱の具合は草それぞれ。ある程度の蒸留水が採れたら、植物の様子を見て続行するかどうか決めたらいいのだそうです。
ほぼ20~30分ほどでこれだけ採れました。意外に多い。レモングラスの匂いの中に、クロモジやタムシバの匂いが混ざり、いつまでも嗅いでいたいいい香りになりました。
コアジサイは、鼻を近づけるとほんのり独特の優しい香りがする花です。アジサイは本来毒なのだそうですが、コアジサイは毒のないアジサイ。このコアジサイの花も試しに蒸留水にしてみました。
花の量が少ないこともあって、レモングラス・クロモジ・タムシバのミックス水より少なめの量しかできませんでしたが、香りはしっかり残っていました。
亮子さんの作った、ティートゥリーとラベンダー&ローズマリーの蒸留水も含めて、この4本がお土産。
蒸留水は、本来エッセンシャルオイル(精油)を採るときにできる副産物。精油は古くから自然療法に使われていますが、蒸留水も精油とは異なる効果がたくさんあるのだそうです。
「精油を作るのはたいへん。でも、ハーブウォーターは誰にでも作れます。ということは、植物のいいところを利用した薬も、誰にでも作れる、と私は考えています」と亮子さん。
たとえば、彼女は以前目薬を手放せないほどいつも目が痛かったのだそうですが、目をつぶったまま目の前辺りでハーブウォーターの霧を作り、目を開いて開けたりとじたりを繰り返す、ということをしばしば行っているうちに、目の痛みがすっかりなくなったとか。今は市販の目薬を一切使っていないそうです。
コモンセージやクラリーセージの蒸留水をマウスウォッシュとして使うと、のどの痛みが消えることもしばしば体験済み。蒸し器の下の鍋に残った湯は、足湯や風呂に使うといいそうです。
「植物はいくつかの機能を持っています。一つだけではない。だから、いくつかの植物を合わせて使うことで、足りないものを補ってくれるので、より多機能の効果を手に入れることができます」
蒸し器がない場合は、普通の鍋でも代用できるというので、実演してもらいました。
鍋の中央に容器を置いて、周りに植物を敷き詰めるところは一緒。そのあと、鍋肌から深さ3センチほど水をそっと入れます。蒸し器の場合は最初は強火がいいのですが、こちらは最初から中弱火か弱火で。蒸し器の場合よりしばしば様子を見ないといけないけれど、ほぼ同じように蒸留水ができるそうです。
化粧水やリンスやシャンプーそのほかいろいろ利用できそうな蒸留水。家にある鍋で結構な量ができると知って、わくわくしました。
帰宅後さっそく、亮子さんおすすめの本を一冊注文。ハーブウォーターのからだに対する作用~鎮静効果とか消炎効果とかが詳しく書かれていて、42種類のハーブとハーブウォーターについて、とても詳しく書かれています。辞典のような本なので、いざというとき役に立ちそうです。
近々、試みる予定なのは、ローズマリー。若返りのハーブといわれる植物だそうで、日々の生活にふんだんに使えたらいいなとおもっています。いずれ、近くに住む友人の庭で咲いていたエキナセアも試してみたい。手ごろの蒸し器が家にないので、しばらくは深めのステンレスの鍋で代用するつもりです。
たしか6年ほど前、家人の背中に大きなできものができて、枇杷の葉で治したことがありました。以下、3枚がその折の写真です。
患部に枇杷の葉をすりおろしたものを塗ってガーゼで押さえ、テープで止めただけの枇杷の葉療法。半信半疑で始めたのですが、数日後には、膿が出てきて、腫れが引いてきました。
その後、膿は数か所の穴から噴出。
おさえるとまだ固くはあったのですが、かなり腫れが引いてきたので、このあたりで治療は終了したらしく、こののちの写真はありません。ともあれ、患部のありかははっきりわかるものの、痛みはないし、目立つほどの腫れもなかったので、そのまま放置していました。
ところが、このおできが、この冬また腫れてきたのです。暮れの中ごろのことです。その前はいっときより固さが取れて、むしろより治ってきたようにみえたのですが、突然痛むようになり、腫れも、以前の時よりひどいほど。パンパンに腫れあがり、今にも破裂しそうでした。
最初は葉がなかったので枇杷の葉エキスのみで、手に入れてからは、ガーゼに枇杷の葉エキスをたっぷりしみこませて、その上にちぎった葉を並べて、患部に貼りました。効果は数日で現れました。
一日3~4回交換したのですが、そのたびに膿がどんどん出てきました。血も出ました。出るごとに腫れは引いていきました。上の写真は、ほぼ半月後ほどのようす。実は、最初からずっと撮影したのですが、トラブルが生じてアップできなくなったため、ほぼ治りかけの写真しか載せられません。
貼り替えるたびに患部を抑えて膿を出しているのですが、今日のはすごかった。まず先に、これまでの膿とは違う、脂の塊のようなものがドロッと出てきて、そのあと、水気の多いいつもの膿がものすごい勢いで、飛び出てきました。
手前の影の上方にある、チューブから出した軟膏のようなものが脂肪の塊らしきものです。
これではっきり、快方に向かっているなと確信できました。治療を始めてから、まだ半月ほど。おできの直径は最初5センチほどありました。高さは1.5センチほど。それがだいぶしぼみ、床に就いても痛みはなくなったということです。
前は使わなかった枇杷の葉エキスが、今回はより功を奏したのかもしれませんが、とにかく素晴らしい効果でした。前回は治療半ばにしてやめてしまいましたが、今回は、固い部分がほぼなくなるまで、治療を続けてみようと思っています。
わたしも、昔、肩の所に小さいけれど、同様のできものができたことがあるのですが、当時は自然療法で治そうとは考えていなくて、すぐに病院に行きました。そうしたら即日切開。記憶では、麻酔なしだったとおもいます。だからものすごく痛かった。再発するだろうと言われましたが、固い部分だけ残ったまま、大きくならずに済んでいます。家人ほどの大きさのおできとなったら、麻酔しないはずはなかろうから、大事になっていたと思います。手間もお金もかからずに済んで、よかった。
ところで、枇杷の葉エキスは、枇杷の葉を35度の焼酎に浸けたもの。私は毎年大量に作って、化粧水や虫刺されに使う薬として重宝しています。