アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

足助のひなまつり

2013-02-28 13:41:54 | 小さな旅
   豊田市足助地区のひなまつり「中馬のおひなさん」は、近隣では有名な早春の催し物となっています。久しぶりに、友人達と遊びに行ってきました。

   足助も稲武も、昔のひなかざりは、たいてい土雛だったそう。人形作りは、山里に住む人たちの冬の内職だったのかしら、と思っていましたが、まったく勘違いでした。これらの雛は、碧南市など三河の海辺の土地から中馬街道を通って、足助にも稲武にも南信州にも運ばれたのだそうです。作ったのは、三州瓦の職人さんたち。小遣い稼ぎに、いろんな土雛を、瓦にする土で作ったのだそうです。

    各家では、弥生の節句には男女を問わず、これらの土雛を飾ったのだとか。土雛は誕生祝や七五三などなど、子供の成長過程の節目節目に贈られたものらしい。雛の形は実にさまざまです。上の写真、上段左側の軍人は「東郷元帥」と書いてありました。東郷平八郎らしい。立派な軍人にあやかって、強い子に育ってほしい、と願ったのでしょう。

    左は、「養老の滝」とあります。親孝行の子供にしたいのでしょうが、右の人形を送った意図は不明。「安木節」、つまりどじょうすくいの踊りを踊っている姿なのです。なにか、贈った側、贈られた側に格別の思い入れがあったのでしょうか。

    こちらは物騒な贈りものです。歌舞伎の「伽羅仙台萩」に登場する乳母・政岡の人形です。彼女は、主君の息子の身代わりをわが子にさせて、お家安泰を図ります。「お国のために奉公できるような母子になれ、ということ?」と、ちょっとぎょっとしました。歌舞伎の有名な外題の一場面を題材にしただけで、他意はないのかもしれませんが。

    足助の街にはあちこちに路地があります。「からくり雛展示」という貼紙を見つけたので、矢印に従って、ある路地に入ってみました。

    表通りに並行して、細い道があり、左手には何軒もの家が並んでいます。右手には、3軒ほどの小さな小屋が作ってあって、それぞれ雛や置物が展示されています。驚くことに、どれも、みなからくり仕掛けで動きます。左手の家の一軒の主がその作り手。私たちが見物していたら、家から出てきて説明して下さいました。下は、動く万華鏡。

    K君とY君兄弟。この写真撮影用セットは、豊田信用金庫足助支店前にあります。

    料理屋・井筒亀の塀に干してある猪の皮。初めて触りました。意外と柔らかい。

     この日の目的は、ひな祭り見物のほか、知人の鳥居智子さんがご主人と始めたカフェを訪れること。足助の街の、153号線よりの通りの右側に、めざすカフェ・バンバン堂喫茶室がありました。

     京都の瀟洒な小料理屋を思い出させるこの造り、もとは医院だったのだそうです。

     ひな祭りの開始日にあわせて、ご主人と二人で内装のほとんどを手がけたのだそう。床も天井も柱も、美しく甦っています。院長が坐っていたらしい立派な机や昔の調度品が随所に置かれ、とても落ち着いた雰囲気です。カフェメニューは飲み物のほか、ひな祭りセットも。私は、コーヒーに白玉ぜんざい、豆乳いちごババロアのこのセットを頼みました。大き目のマグにたっぷり注がれた熱いコーヒーが嬉しかった。

     いずれ、ご飯メニューも入れたいとのこと。また、整体講習などさまざまなワークショップも、もと待合室を利用して開きたい、と智子さんは意欲的です。これからが楽しみなスペースです。入り口では、焼き芋も販売しています。バンバン堂の住所は、足助町石橋34-6、営業時間は10時から5時、ひな祭り開催中は無休だそうです。

     通りのあるお店では、店頭にほころび始めた梅の鉢を置いていました。たぶん、暖かい部屋においておいて、ひな祭りが始まってから外に出したものでしょう。稲武はもちろん、足助でも露地の梅が咲くのは、もう少し先だと思います。
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てくてく農園の卵

2013-02-28 11:48:57 | たべもの
    豊田市旭地区に2年前移住して農業を始めた、横江克也さん・晴菜さんのご夫婦が、彼らの農園・てくてく農園の養鶏場で採れた卵を持ってきてくれました。

    かわいいラベルです。鶏が野菜を背負っててくてく歩いている絵。彼らの農園の様子を髣髴させる絵柄で、とてもほほえましい。

    昨年秋に初めてお邪魔して、養鶏場を見学させてもらって以来、食べたいと思っていた卵なので、うれしかった。さっそく夕飯に、卵かけご飯にしました。

    黄身は薄い黄色。昔はこの黄身の色が黄色いほど健康な卵だと思っていましたが、きな粉を食べさせて黄色にしているところがあると聞いてから、色はえさしだいで変わると知りました。

    こちらの鶏のえさは、主にお米と糠、国産大豆のおから、だしがらなどなので、おのずと黄身の色は薄めになります。割りほぐした卵に醤油をかけて炊き立てのごはんに。ひさびさの卵かけご飯です。

    わたしは、この卵かけご飯が好きではありませんでした。卵は大好きでしたが、生の臭みが嫌いだったのです。とくに生の白身がきらいでした。

    自然食品店の有精卵や平飼い卵を買うようになって、卵かけご飯も好きになりました。臭みがないからです。てくてく農園の卵も、期待を裏切らず、すっきりしたおいしさでした。無農薬の海苔で卵ご飯をくるみ、口中に。おいしい! いくらでも行けそうなところを我慢して、2人で1個にとどめました。ほかのおかずもたくさんあったから。

   さて、こちらが昨秋撮ったてくてく農園の鶏舎内。全部名古屋コーチンです。このときはまだ、卵は産んでいなくて、あともう少しまてば、産んでくれそう、とのことでした。鶏は、ジャンプしたり土をほじったり思い思いに生活しています。

    部屋はふたつほどに分かれていて、一つの部屋に40羽ほどが住んでいます。部屋の広さは約40平方メートル。羽がちゃんとのびのびと伸ばせる広さだそうです。

    農園主の横江克也さん。彼の背中が好きみたい。

    国産の飼料米。地元・豊田市藤岡地区のお米です。

    このところ毎月、稲武の友人達と共同購入している、瀬戸市の豆腐屋・しろさんのおから。ここはおからもとてもおいしいのです。鶏の舌もきっと肥えてくるとおもいます。

    こちらが鶏舎。周囲は山と川。きれいな水と土も、彼らのえさです。

    パッケージのふたの内側には、「てくてく卵のひみつ」と題して、三つのポイントが書かれています。①国産飼料100%、②平飼い飼育、③抗生物質不使用。

    一般のケージ飼いでは、身動きが取れないところに押し込まれた鶏が、どんどんエサを与えられ、短時日で成長させられてむりやり卵を産ませられます。運動不足だから病気も出るし、ストレスもたまる。ホルモンの作用もきっと狂うことでしょう。だから、そういったマイナス面を補うためにたくさんの薬も投与します。

    こちらでは、「鶏本来の強さを大切にしています。みみずを食べたり、土の中の微生物を食べて抵抗力を高めています。ワクチンも法律で義務付けられている一種類以外は使っていません」。ゆっくり成長し、寿命もちゃんとまっとうできる鶏になるようです。

     横江さんは、鶏を飼い始めてから、養鶏業者や農業試験場、家畜保健所の職員など何人もの人から、「名古屋コーチンは飼いづらいよ」といわれたそうです。地鶏のコーチンは、神経質で刺激に敏感だというのが彼らの常識らしいのですが、いざかってみると、そんなことはまったくなくて、むしろ飼いやすいと思えるほどだとか。

     今の普通の飼い方と、横江さんのような平飼いでは、鶏の身になって考えたとき、ストレスがぜんぜん違うということを専門家たちは忘れているのではなかろうか、と、私は横江さんの話を聞いて思いました。

     いわば、学校の教室ではともすれば問題児とされがちの子供が、プレーパークに参加したときには、リーダーの言うことをちゃんと守りながら、いきいき遊ぶのと似ているのではないかと思います。横江さんは、飼い主というより、鶏の本来の生活を守り、よりのびのび育つよう補助してくれる人、といったほうが適切ではなかろうかという気がします。だから、彼の肩にも登りたくなる。

     鶏舎のある場所には、広い野菜畑もあります。多種類の野菜が、晩秋でも育っていました。てくてく農園では、野菜の宅配もしています。詳しくは、HPからお問い合わせください。



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「三元豚レバーペースト」

2013-02-27 11:24:04 | たべもの
   平田牧場の「三元豚レバーペースト」を食べました。

   あっさりしていてこくがある。こういうものの市販品をほとんど買ったとこがないので、比較できませんが、たぶん一般のものはもっとずっと味付けが濃いと思います。

   入っているのは、「国産豚肉、国産豚肝臓、食塩、香辛料、水あめ、砂糖」。シンプルです。

   平田牧場の名前は以前からちらほら聞いていたので、この商品を見つけたとき、すぐに買いました。山形県で60年ほど前から始めた養豚牧場です。肥育日数が一般の豚より20日も多く、のびのびゆっくり育ててるのだそう。飼料も、地元米農家と契約して米肥料を主にしているようです。

    写真を見る限り、こころなしか、豚がのんびりした顔に見えます。映画「ありあまるごちそう」か「フードインク」で、「豚製造工場」とでもいいたくなるような狭い豚舎でぎゅうづめにされて育った豚たちは、うつろな顔して、まるで薬中毒患者みたいに見えました。ストレスが多すぎるのでしょう。あるいは、ストレスで暴れたりするのを抑えるため、ほんとに鎮静剤のような薬を投与しているのかもしれません。

    まだ、ちょっと食べてみただけ。今夜にでも、先日試作した、丸小麦入りのパンにつけてちゃんと食べてみようと思います。丸小麦はこめこなクラブ製。3月24日のほんわか里山交流まつりで新発売の予定です。
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「みどりの里」のイチゴ

2013-02-27 11:21:25 | たべもの
   前から食べてみたいと思っていた、豊田市の「みどりの里」のイチゴをやっと手に入れました。

   化学肥料も農薬も使わない自然栽培のイチゴ。きれいなので、水洗いせず、そのまま口の中に。すっぱい! 甘い! おいしい味が口の中いっぱいに広がります。水っぽさもなくて、期待を裏切らないイチゴでした!

   みどりの里は、豊田市のスーパーチェーン・やまのぶの自社農園です。パッケージには、奇跡のリンゴの木村秋則さんの顔イラストのラベルが貼ってあります。数年前、たしかやまのぶの主催で、木村さんを招いて講演会か講習会が開かれたと聞いていましたが、はやばやと実践に入り、市内に自然栽培のイチゴ農園ができたとはうれしいことです。

   実は、イチゴについては、最近、恐ろしい話を知ったばかりでした。

   「「農薬満点イチゴ」生産現場を見れば、「小さな赤い悪魔」と言いたくなるような食べ物だ。中略 劇物扱いの薬剤も多く含まれ、代表的なのが「ランネート」などの殺虫農薬だ。専門家が発がん性を強く指摘する農薬だが、ガンにかかってもイチゴとの因果関係を指摘するのは不可能。中略 エサにまぶして家や畑に置くと、ネズミ、カラスが死ぬことから、「ネズミ殺し」「カラス殺し」とも呼ばれる。生産者の助言によれば、「皮(ツブツブ)を削り取って食べろ」ということだ」(「日本のタブー」ミリオン出版)

    みどりの里のブログを見ると、ハウス内の温度を上げただけでアブラムシが減ったりなど、種々の工夫と偶然によって、より健康でおいしいイチゴが育っている様子がよくわかります。

    身近な場所で、いいイチゴを手ごろな値段で入手できると知り、とてもうれしい。今度豊田市街地に出たときも、またこのイチゴを探そう。
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刈谷市の「よさみガーデンマルシェ」に出ます!

2013-02-23 14:59:44 | イベント出店情報とそのほかのお知らせ
   今月はじめ、こころざし工房のゆきえさんと視察に行った刈谷市のよさみガーデンマルシェに、来月私達もはじめて出店することになりました。

   日時は、3月3日(日)、午前9時30分から午後3時まで。場所は、刈谷市のフローラルガーデンよさみ(刈谷市高須町石山2番地1)。マルシェは屋内でも屋外でも開催していますが、私たちは屋外。でも、建物の入り口のすぐ近くに店を広げています。

    こちらは、もともと送信所のあった場所を昨年春から公園としてオープン。広い敷地内には花園や遊び場もあって、月一回プレーパークも開かれているようです。今月3日に行ったときは、近くの畑でこぼれ種で育った菜の花が咲いていました。暖かいところです。

    マルシェには、奥三河THree trees+として出店。はじめての場所なので、少しずついろいろな品を持って行きたいなと思っています。ただ、心配は道中。朝7時前に稲武を出る必要がありそうなので、凍っていないことを願うばかりです。
 
   今朝も、朝はこんな景色でした。   
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がんばるサッポロ・その2

2013-02-23 14:27:04 | のみもの
    漫画「おせん」では、ビールと言えばエビス。料理の薀蓄はすごいのに、ビール選びに関しては手抜きだよな、と、ドイツや東欧のビールが好きな私は、不満におもっています。でも、作者はもしかして日本製品への応援の気持ちがあって、エビスを選び続けているのではなかろうか、と最近思い始めました。

    そのサッポロ、ちかごろ普通エビス以外にも緑エビスや赤エビスなどいろいろ販売していて、そちらは普通エビスよりおいしいのですが、なかなかその辺で売っていないのが玉に瑕。ところが、先日国道沿いのコンビニで、こんなエビスビールを家人が見つけてきました。

    どちらも限定醸造の500ml缶。赤い方は「薫り華やぐヱビス」とあり、「フランス・シャンパーニュ地方の上質麦芽と薫り高いネルソンソーヴィン種のホップを使用。世界中で多くの星を獲得しているフレンチの巨匠ジョエル・ロプションも認めた、華やかな薫りの余韻が清清しいヱビスです」と、「薫り」を強調しています。こちらが340円くらいで、右は280円くらい。

    飲んでみました。赤いほう、おいしい。「薫り」高い! 同じ程度のアルコール度数の、ドイツや東欧のビールにひけをとらないとおもいます。右は、少し薄めですが、わるくない。

    第三のビールに対抗するには、本格派路線をどんどん推し進めるしかない、とサッポロの人たちは覚悟を決めたのではないかな、と思わせるおいしいビールでした。問題は、今度同じコンビニに買いに行ったときに、はたしてちゃんとまたおいてあるかどうか、です。限定醸造品ということもあるけれど、そうでなくても、コンビニは売れないとなるとすぐ商品が変わるから。
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岐阜の4つの道の駅

2013-02-23 13:44:58 | 小さな旅
  ここのところ、2,3日おきに雪か雨が降り、その翌日は美しい晴天の日となることが多い。水曜日もそんな雪の合間の快晴の日だったので、用事を兼ねて久々に隣町の岐阜県恵那市と土岐市に行きました。

   岐阜はなぜか道の駅が多い。稲武を出て15分ほどすると「ラフォーレ福寿の里」があります。通りすがりによく買物する場所です。家人がほしいというので、骨酒用のアマゴを買いました。前もよそで買ったことがあるのですが、私は生臭さが鼻についていただけなかった。わりと素性のいい材料でおいしいお菓子をつくっているキッチンセルプという上矢作町の共同作業所の商品です。
   
   菌床栽培のしいたけの赤ちゃんを見つけました。これだけで350円くらいだたと思います。前に知人が、よそでこのシイタケの赤ちゃんの味噌煮が出て、とてもおいしかったといっていたのを思い出したので買ってみました。

    翌日作ったのがこちらです。もっと煮詰めたら知人が言っていたようなお肉の味がしたかもしれません。でもおいしかった。

    ほかに、稲庭うどんのうどんふしも買いました。こちらは、稲庭うどんのコーナーがあり、多種類の製品を売っています。遠く離れている場所なのに、どういうかかわりがあるのかわかりません。

    この日の目的は土岐市のどんぶり会館にいらない食器を捨てに行くこと。山岡のおばあちゃん市は通り道なので、立ち寄りました。たびたび行く場所なのですが、周囲の景色を見たのははじめて。緑色のダム湖が美しい。

    ここは、巨大な水車のモニュメントが売りなのですが、昔はこのあたりで水車による水力発電所があったということを始めて知りました。それで撤去してから記念碑として建てたらしい。だったら、せっかくだからもっと小規模な水車でいいから動くものにしてほしかった。そして米か小麦をつく小屋もあったらおもしろかったのに。

    こちらは、小さい直売所があるのですが、全国の道の駅の商品もおいていて充実しています。青森のゴボウうどんを買いました。きょうのお昼に昨夜の残りのいわしのつみれ味噌汁に入れてみるつもりです。150gしか入っていないので、二人分には足りませんが。

    左のお皿に乗せてあるのは、岩村にある焼き菓子の店・HALLISEのもの。前から食べてみたかったお菓子です。卵もバターも入っているふつうのお菓子ですが、甘さが押さえてあって、どれもおいしい。いいお菓子屋だと思います。    

    目的地のどんぶり会館で食器を「陶器リサイクルボックス」に捨てました。前に来たときはたくさんでも引き取ってくれたのですが、今度は、「ダンボール1箱程度に」と但し書きがあります。なんとかボックスに収まったのでやれやれ。捨てた陶器は、陶器レンガにするのだそう。瑞浪では、リサイクル食器も作られているそうです(こちら→)。
    この道の駅は、市価よりかなり安めの陶器がたくさん売られています。陶器を捨てに来てまた買うこともしばしばあるのですが、今回は、300円のぐい飲みと小さめのおろし器を買うにとどめました。

    こちらはおばあちゃん市より一段とたくさんの全国の道の駅の商品が並んでいます。こちらも来た目的のひとつ。

    高知のカツオの品いろいろ。無添加で日持ちする品です。なまり節より魚臭さがなくて、おいしい。酒盗もあったので買いました。無添加の酒盗は珍しいと思う。期待して買ったのですが、保存料の代わりのつもりか砂糖の入れすぎで甘すぎる。酒の肴にはなりません。いま、塩麹を入れて、再製造中です。赤紫蘇は梅酢着け。おにぎりなどにまいたらおいしそうです。自分でも作ってみたくて参考までに買ってみました。

     4つめの道の駅はソバの里・らっせいみさと。「らっせい」というのは方言で「いらっしゃい」らしい。ここに寄ったのはそばを食べるためです。地元の女性達が打っているのですが、安いわりにおいしい。新そばをたべたかったので楽しみでした。でも、そばはいいのですが、おつゆが甘い。どこに行っても、甘すぎるのが私達には難点です。

     こちらで見つけた純米酒「くろくわ」。4合で1600円くらいなので、けっこう安い。精米歩合は書いてありません。箱の中に一筆箋に手書きしてコピーした文字で、こんなことが書いてあります。

     「日本棚田百選のひとつ坂折棚田は、約四百年の歴史を有し、黒鍬(普請組、石工)が積んだ石垣は今なおその堅牢さを誇り、その石垣に囲まれたいくつもの田んぼが四季折々の表情を演出します。このお酒(くろくわ)は、坂折棚田で穫れたお米(坂折棚田米)、坂折川の清水で吟醸したこだわりの古里銘酒です。ご一献どうぞ。(寒のうちの水使用)」

     こちらに来てから、田んぼの石垣が小さい石で細かく積まれているのをよく見かけます。長いことずっと壊れずにいたということは、やはりちゃんとした職人集団が、こんな山里にも来ていたということなのだと知りました。お米も酒も、丹精込めて作っている気分が伝わる文章です。お酒は、雑味がなくて、値段のわりにはおいしいお酒でした。これも掘り出し物です。今度行ったときも買いたいと思います。

      らっせいみさとで、もう一つ知ったことがあります。それは、粗朶(そだ)沈床工法のことです。食堂でそばがゆで上がるのを待ちながら読んだ、「森林のたより」(公益社団法人・岐阜県山林協会刊)の記事で知りました。直売所にあった冊子です。

      粗朶とは、柴の束のこと。「おじいさんは山へ柴刈りにいきました」の、あの柴です。広葉樹の小枝を束にして、昔から「柴漬け漁」という漁法が行われていたことは知っていました。粗朶を川に沈めておくだけで、エビや小魚が入り込むという、「濡れ手で粟」の漁法。伝統漁法だそうです。冊子には、生物のほとんど棲んでいない用水路に、この粗朶を置いたところ、モクズガニを始めとするたくさんの魚や甲殻類、水生昆虫が集まってきたのだそう。

      この粗朶を河川の改修工事に使うのが、粗朶沈床工法。明治以降、ヨーロッパのこの工法が日本にはいってきて、あちこちの河川で施行されたそうです。いまでも、この工法をおこなう会社が数軒存在。現在主流になっているコンクリートブロックを用いる工法より、粗朶を使う工法のほうが、川の流れをソフトに変えるのだそう。河川の氾濫を減らすためにも良い効果が出そうです。また、ブロックを作るときからの環境負荷を考えると、CO2排出量は粗朶のほうが2744分の1だということです。

      ただし、里山が荒れ、粗朶生産に携わる人つまり「柴刈りする」人が激減しているため、もし需要があったとしても供給が間に合わないだろう、とこの冊子の論者(岐阜県森林文化アカデミー・柳沢直氏)は書いています。

      「もちろん昔の人は自然環境の保全を目的に暮していたわけではありません。しかし、昔の人の「森林を生かす知恵」が、結果的に日本の自然を守ってきたのです。学ぶべきことは多くあると思います」

       同感です。


       余談ですが、フェイスブックにこの粗朶の工法のことを書いたら、30代の何人かの方たちから、「「おじいさんは山へ芝刈りに」だとおもっていた」とのコメントをもらいました。「山で芝刈ってどうするんだろう?とおもっていた」という話も。東芝の「芝」ならぬ「柴田さん」の「柴」は、いまや死語なのだとあらためて知りました。


      かまどやお風呂をくべるのに、いきなり薪に火をつけても燃えつかないから、松葉や枯葉、稲藁などに燃えつかせ、それから小枝、つまり柴に燃え移らせて薪へと火を大きくして行くのですが、その工程がいまの若い人には想定できないかもしれません。新聞紙だって、あったとしても貴重だったとおもいます。

      ついでに思い出したことですが、私の母方の曾祖母は「ごかきが好きだった」と、母がよく話していました。「孫達の世話はきらいだったみたいで、よく姿を消していた。そういうときはたいてい山へごかきにいっていた」と。

      「ご」というのは、方言かと思っていたのですが、辞書で調べたら、「枯松葉」とありました。母の実家は落葉松の育つ土地ではないので、たぶん焚き物にする落ち葉全部をさして「ご」と言っていたのでしょう。曾祖母にとって、騒々しくて忙しい家を出て、山の中で一人静かに時間を過ごすのに、「ごかき」はかっこうの口実だったのでしょう。

      森鴎外の「山椒大夫」には、中流貴族の息子・厨子王が、山椒大夫の屋敷でなれない山仕事をさせられる場面があるのですが、そのときの彼の仕事が「柴刈り」でした。力のない子供や老人の仕事が、「ごかき」や「柴刈り」だったのでしょう。今は、こういう、小さいけれど役に立つ仕事、というのがどんどん減っているのかもしれません。









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「勢揃い大江戸六人衆」

2013-02-22 18:17:34 | 映画とドラマと本と絵画
   1953年の日本の喜劇映画、「勢揃い大江戸六人衆」を、BSで見ました。実在の人物・河内山宗俊が主人公。私は家人といっしょに30年以上前に京都の南座で、河内山宗俊の歌舞伎を見た記憶がありますが、外題も内容も覚えていません。一緒に行った家人によると、河内山宗俊は、いまの松本幸四郎が演じたらしい。

   映画のほうは花菱アチャコが演じていて、彼を取り巻く俳優は、伴淳三郎、益田キートン、堺正章のお父さんの堺駿二、浪速千栄子などなど当時の一流のお笑い芸人達です。

   あのころの芸人たちは、うまい!芸達者です。間がいい。話はなんということはないのですが、女優たちの着物の着方、身のこなし方がなまめかしくてよかった。普段から着物を着ていた時代だから、板についていたのでしょう。

   それと、貧乏人の家のリアリティのあること! 伴淳のすんでいる長屋の一部屋は、障子は敗れていて、何もかもぼろぼろ。一枚しかないらしい布団もぼろぼろ。その一枚を彼はひっかぶって寝るのです。あれだけの貧乏所帯をいまは、想像できないのではないかしら。当時はああいう家もその辺にまだあったのから、描けたのだろうと思います。

   「六人衆」の一人の浪人の妻が、肩当のついた側を面にした着物を着ていました。たしかあれは、本来の表側がはげてみっともないので、裏にして着ていたのだと思います。そういうところが、見ていておもしかった。
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「舞台よりすてきな生活」

2013-02-19 10:38:25 | 映画とドラマと本と絵画
   昨夜BSで、2000年のアメリカ映画「舞台よりすてきな生活」を見ました。

   冒頭、くらい場所で、緊張した面持ちの男が歩き出すと、その後にいた数名の男たちも警護するように監視するように歩き出します。死刑囚が死刑台に上るときとか、悪者に捕まった主人公がボスのところに引き出されるところとかそういった雰囲気でした。コメディのはずなのにおかしいな、とおもっていたら、舞台の袖から主人公が壇上に上がるシーンとわかり、ほっとします。

    表情の動き、スポットの当て方がうまく、しばらく緊張感を持続させ、とたんに明るいところへ。最初から上手な運び方だったので、聞いたことのない映画でしたが、安心して見始めました。

    10年間、売れる脚本がかけなくていらついている男が主人公。かたや妻は子供をほしがる。子供嫌いというより、自分の仕事のことで頭がいっぱいの主人公は、妻に同調できません。仕事にも性的能力にも支障を来たしはじめます。

    そのころ、近所に足の悪い少女が母と共に引っ越してきます。子供好きの妻はその少女と仲良くなるのですが、主人公は拒否。しかし、子供が書けていない事を指摘された彼は、しかたなくその少女と付き合い始めます。

    終始、彼と彼の仲間達のシニカルなジョークに笑い続けました。でも、アメリカの文学界だか演劇界だかをしらないとわからないギャグも多くて、「いったい、どれくらいの人たちが、こういう映画をおもしろがるのだろう」と思いました。ちょっとインテリでないとついていけないはず。日本でこういうギャグをちりばめた映画なんて、まず思い出せません。

    喜劇なので、最後はハッピーエンド。画面が消え、配役やスタッフのテロップがしばらく続いた後、突然映像画面に変わります。それがさいごのギャグ。笑ったあ! でまたテロップが。だから、映画が終わってもしばらくは見つづける事をお勧めします。

    ところで、原題は「How to Kill Your Neighbor's Dog」。これではあんまりなので、あらためて邦題をつけたのでしょうが、つまらない。内容の濃さも複雑さもあらわしていないと思います。

   

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いなかとまちの文化祭に出店しました。

2013-02-18 16:33:13 | イベント出店情報とそのほかのお知らせ
   奥三河Three trees+は、昨日の日曜日、17日に豊田市街地で開かれたイベント・いなかとまちの文化祭に出店しました。場所は、豊田市駅前のT-Face前の広場シティプラザ。豊田市の街の真ん中です。

   稲武を出たのは7時半。稲武交差点ではマイナス8度を示していました。街に着いたら暖かくなるかなと期待しましたが、とんでもない、冷たい風が吹き、はじめは手がかじかんでお札が数えられないほど。でも、上天気の青い空だったので、すがすがしい気分で臨めました。

   右は、こころざし工房のゆきえさん、左は手伝ってくれたGさん。間口3mのテントを買ったので、広々していて楽。はじめて来た場所ですが、なかなかいい広場です。

   私たちは、毎月寺部町の守綱寺で開かれているグリーンママンの朝市の出店者の一員として参加。ほかに、旭地区のm-easy、小原の西村農園、豆腐屋のしろなどおなじみのみなさんに出会えました。

   アンティマキは、この日、黒ビールとクルミのパン、赤ワインとブドウのパンの2種類を新発売しました。いささか強火で焼きすぎたのですが、まずまずの出来。たくさんの方々に試食していただき、早々に完売しました。よかった!

   寒くて坐っていられないほどだったので、一日結局たちっぱなし。お昼に何か暖かいものを口に入れたいと思いましたが、どこも完売続出だったので、持参のハーブティーでしのぎました。かえりがけ、グリーンママンのUさんにいただいたホット梅シロップがおいしかった。   

   下の写真は、山仕事を楽しみとする女性達の会がサービスしていたクロモジ茶。香りがよくて、いろもきれい。そしておいしかった。そういえば、染め草にもなるはずです。去年の末、城が山に登ったときに採取しましたが、乾かして瓶に入れてまま。すぐに煮出してみようと思います。

   ゆっくり買物する暇はなかったのですが、なんとか買えたのが、m-easyの新商品「ぱっかん 玄米くん」。ポン菓子です。子供の頃好きだったお菓子ですが、白米では味気なく感じていました。玄米なので、あじわいがあります。スープのうきみになりそうです。

   右の袋の中はコーヒー豆。コバレレコーヒーの豆です。ここのコーヒーはおいしい。イベントのときによくご一緒するので、見かけると買っています。ほかに、豆腐屋しろの木綿豆腐2種類と濃い豆乳、木浦さんの苔のポストカードを買いました。
   イベントでは、コンサートやコント、シンポジウム、市長のお話などなどもりだくさんなプログラムも同時進行。このイベントを支えたグループのひとつに、昨年秋に創刊したフリーペーパー「耕Life」編集部があります。

   冬号は味噌特集。以前見学した枡塚味噌が載っています。旭地区のてくてく農園も紹介。読みたい記事がけっこうある冊子にはなかなかお目にかかれないものですが、これはなかなかいい。これからが楽しみです。

    FBで知り合った方や、他のイベントに来て下さった方、ブログを見てくださっている方、前から気にして下さっていた方などなどに、この日もお会いできました。こういう出会いがイベントの魅力。三ヶ月冬ごもりしていましたが、なんだか体やこころが息を吹き返したような一日でした。

    いま、決まっている春からのイベント出店予定は、下記のとおりです。
    
    *よさみガーデンマルシェ 3月3日日曜日  刈谷市よさみフローラルガーデン 10時から3時頃まで
    *ほんわか里山交流祭り  3月24日日曜日 豊田市足助地区すげの里 10時から2時頃まで
    *グリーンママン朝市   3月26日火曜日 豊田市寺部町守綱寺  10時から12時まで
    *とよはしベジフェスタ  4月14日日曜日 豊橋市サイエンスコア 10時から3時過ぎまで
    *グリーンママン朝市   4月23日火曜日 豊田市寺部町守綱寺  10時から12時まで
    *福蔵寺ご縁市      5月3日金曜日  豊田市旭地区福蔵寺  10時から2時頃まで
    *グリーンママン朝市   5月28日火曜日 豊田市寺部町守綱寺  10時から12時まで

    以上のうち、グリーンママンの朝市と福蔵寺ご縁市はアンティマキのみの出店、そのほかは奥三河three trees+として
出店の予定です。まだこのほかに出店するイベントもあるかもしれません。どの場合も、事前に改めて告知します。   
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