『僕が学校にいったのは、60年代直後で、実利的な方向性が一般的になる前だった。いまの学生は、理想論を考えることさえしない。・・・哲学的な問題についてじっくり悩んだりせず、ビジネスの勉強に打ち込んでいるんだ。』
『僕らは60年代の理想主義的な風をいまも背中に感じているし、僕くらいの年代の人は、その風をずっとまとっている人が多いと思う。』
それぞれジョブスの言葉だ。
『スティーブ・ジョブス』の著者はいう。
「ジョブスはモスクワでも血気盛んなジョブスで、カリスマ的なロシアの革命家だったが失脚し、スターリンの命令で暗殺されたトロツキーの話をあちこちで繰り返した。トーンダウンしたほうがいいとKGBのエージェントから忠告されたことさえある。」
「そのくらいでだまるジョブスではなかった。」
「トロツキーという革命家に自分とおなじものを感じていたのだろう。」
ウォルター・アイザックソン『スティーブ・ジョブス Ⅰ、Ⅱ』(講談社、2011年10月24日、各1900円+税)
ところで、これからの時代は、もう一度、若者たちが世界のありかたや哲学をじっくり考え、真剣に現実にたちむかうことになるだろう。ものごとの根本から考え直さなくてはならない状況に直面しながら。
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