はげしく変化する上海

３０年ほど前に上海に行ったとき、空港に入国審査の設備はなく、銃をかついだ解放軍の兵士が機内でパスポートをチェックしていた。小さなホールのすぐ先は、そのまま明かりひとつない漆黒の外につながっていた。

２０年ほど前に上海に行ったときは、数少ない自動車が、スモールランプだけで暗い夜道を爆走していた。交通事故を何件も目撃した。

１０年あまり前に上海に行ったときは、できたばかりのたったひとつの百貨店のなかが、ラッシュアワーの車内のようだった。

いま上海には、都心高速道路に車があふれ、数千の高層ビルがそびえている。東京をこえる近代都市だ。ある会社で出会った中国の若者たちが、みんなマンションを所有していた。