eラーニングの現状と展望

ネットラーニングHD、ネットラーニング、WIWIW、Phoenix Consulting、各代表取締役 岸田徹

社員の研修費半減

2010-03-24 16:00:45 | 企業研修
厚生労働省の調査「能力開発基本調査」によれば、2008年度に企業が支出した社内教育費は、従業員1人あたり平均1万3千円となっています。

これは、2007年度の2万5千円から、ほぼ半減という激減です。

また、従業員の自己啓発への企業の支援費用も、2007年度の8千円から4千円と半減しました。

今回の深刻な不況のなかで、企業が教育研修費を大幅に削減したようすがわかります。

平成21年度能力開発基本調査結果の概要

そのほかの調査結果としては、以下の点が指摘されています。

【調査結果のポイント】
1 平成20年度1年間の正社員に対する教育訓練の取組みをみると、OFF-JT実施率は前年度の77.0%から68.5%へ、計画的OJT実施率は前年度の59.6%から57.2%へそれぞれ低下した。

2 正社員に対する教育訓練の方針をみると、労働者を選抜して能力を高めるよりも労働者全体の能力を高めることを重視している企業が前年度よりも増加し半数に近づいた。また、訓練の方法としては、OJTよりもOFF-JTを重視している企業が増加し3割に近づいた。

3 自己啓発を行った者の割合は正社員では42.1%、正社員以外では20.0%と、ともに前年度を下回った。

など。

採用厳選時代の内定者研修

2009-11-17 14:47:36 | 企業研修
2011年4月の新卒採用計画が、次第に見え始めてきました。傾向としては、今年並みの採用を継続する企業が多いようです。昨年の3割減という現状からの目立った回復は、いまのところ予想できません。

ところで、今回の深刻な不況のなかでの企業の採用計画の特徴は、かつての経験をいかして、優秀な基幹人員の確保は継続するというものです。その結果、一部の学生の獲得競争が激化しているともいわれます。

この新しい状況の中で、企業は採用方法の工夫をせまられています。同時に、厳選採用した人材の研修も見直しが必要になっています。

ネットラーニングが企業から受注する内定者研修は、内定者が3割減少するなかでも今年も増加しています。大切な人材の教育に、企業が今後いっそう力をいれていくいものと思われます。





パンデミック時の集合研修

2009-09-24 11:16:57 | 企業研修
新型インフルエンザが、冬にむけて大規模に流行する兆しをみせています。流行時の事業継続にむけて、多数の欠勤者がでても業務を維持する体制を準備する企業もふえてきました。

また、企業の研修担当者の方々には、流行時に集合研修の開催がむずかしくなることを予想して、eラーニングに切り替える準備をされているところもあります。

その場合、教材学習型のeラーニングに切り替える場合と、集合研修をネットで実施する場合とがあります。とくに、ネットでセミナーや研修を実施する方法は、最近大きく注目されています。

教材型のeラーニングは、機動力をもって大規模に実施したり、双方向性をいかして研修効果が高いなどの特徴がありますが、ネットで実施する集合研修には、参加者の顔がお互いにみえて、講師に質問ができるなどのメリットもあります。また、サーバーに自動的に録画できるので、時間があわなかった受講生もオンデマンドであとから受講することができます。

新型インフルエンザの流行中にも研修を継続させることは、事業継続の大切な一部といえるでしょう。



社員1人あたりの研修費

2009-09-14 12:45:07 | 企業研修
きょうの日経産業新聞に社員1人あたりの研修費ランキングが掲載されています。

1位は、キヤノンマーケティングジャパンの39.8万円
2位は、パナソニックの39.2万円
3位、伊藤忠商事の34.3万円

以下、森精機製作所、コマツ、住友商事、日清製粉グループ本社、伊藤忠テクノソユーションズ、武田薬品工業、日立製作所とつづいています。

ほとんどは、ネットラーニングのeラーニングも活用いただいています。

IBMは、1人あたり30万円の研修費をつかい、米国を代表する研修に力を入れている企業といわれていますが、日本企業も戦略的に研修に力をいれている企業がふえてきました。




外国人幹部社員の育成

2009-08-27 09:33:56 | 企業研修
朝のNHKニュースをみていたら、外国人幹部社員の育成が日本企業のさしせまった課題になっているという特集がありました。これは、大きなトレンドです。

とうぜん、それに見合った日本人社員の教育研修も必要になります。各国で勤務する幹部社員とのコミュニケーションに英語が不可欠になるなど。また、新しい企業文化を生み出すことも必要でしょう。

ところで、いまいるアパートでは、70チャネル以上のテレビがみられます。日本語のチャネルも3つか4つあります。

きょうの朝は、建物の1階にあるローソンでおにぎりとパンを買って食べました。全部で31元。うち20元は、Volvicの小さなボトル2本です。この大きさで1本150円は高い!パン2個とおにぎり1個で160円ほどでした。たくさんの弁当やおでんなども売っています。



「学び合う組織をつくる」

2009-08-17 10:50:26 | 企業研修
「学び合う組織をつくる」ーーー「ラーニングの新潮流」というタイトルの雑誌『企業と人材』最新号の特集のテーマです。

まず、注目すべきは、「ラーニングの新潮流」というタイトルです。企業の教育研修が、学習者に主体がある「ラーニング」へ大きくシフトし始めていることがうかがえます。「トレーニング」から「ラーニング」へ。

そして、「学び合う組織をつくる」ことが、特集の大きなテーマになっています。日常の業務活動にいかされる学ぶ組織をつくるためには、ネットやeラーニングは不可欠になってくるでしょう。



はげしい人材獲得競争

2009-06-30 12:56:02 | 企業研修
「日本における人材獲得競争は、世界でもっともはげしいものになるだろう。」
(ドン・タプスコット『デジタル・ネイティブが世界を変える』)

きびしい人口減少社会にはいりはじめた日本では、企業が優秀な若い世代の激烈な人材獲得競争に直面し始める。

その獲得競争は、世界に人材をもとめる競争に拡大するだろう。実際に拡大しつつある。


ITパスポート

2009-04-20 12:01:18 | 企業研修
以下、社内のITパスポート受験者のために社内で流れたメールをそのまま掲載しています。

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昨日4月19日、新制度に移行してから初めての情報処理技術者試験が実施されました。

今試験は、2008年度に改訂されたITスキル標準V8に沿って再構成され、国際競争力を強化するため、今後、国がめざす高度IT人材を育成するという方針のもとに、変更されています。

その方針にそって、基礎を問う午前問題では、従来のテクノロジー系に加え、マネジメント系・ストラテジー系のあわせて3系統の問題が準備され、とくに後者2系統が重視されるようになった結果、より広い範囲からの出題となっています。
また、ITパスポート・基本情報・応用情報ではどの分野からの出題かがわかるように、試験問題の中に3系統が明記されるようになっています。

ITパスポートについては、今期より実施される試験ということでとくに注目が高まり、受験者は46,845人と、前回の初級シスアドの応募者数50,056人に迫る勢いとなりました。
(※今回まで実施される初級シスアドにも27,823人の応募がありました。)
会場をみた限りでは、就職活動を控えた学生が多かったように見受けられます。

難易度については、出題が広くなったためやや難ととらえる向きもありますが、全般的には過去問題やサンプル問題からの出題が多く、傾向や出題配分はほぼ予想どおりで、対策をしていた受験者には取り組みやすかったのではないかと考えます。

なお、ITパスポートの正答分析速報については本日夕方HPに掲載する予定です。

不況期にはスキルアップ

2008-12-25 08:19:08 | 企業研修
今年売れ筋のビジネス書には、はっきりした特徴があります。

ベスト10のうち、7冊から8冊を自己啓発書が占めているのです。日経産業新聞は、「仕事でよりスキルアップを求められたことが背景にあるようだ」と指摘しています。

たしかに、ノートのまとめかたや勉強法などの本がよく売れています。

企業の設備投資は、好況期には量的な拡大のために、また、不況から景気回復時には生産性アップのためにおこなわれる側面が強いように、人的なパワーも好況期には量的な拡大を、不況期から回復期には生産性向上のためのスキルアップをめざす面があるようです。

全体的に経費がしぼられる不況期にしっかり研修を実施するために、eラーニングが注目されています。