(1)ウクライナ戦争を不思議な変な戦争と書いたが、英国防相からはウクライナから次々と武器供与を求められることに「英国は(米インターネット通販大手)アマゾン(・コム)ではない」(報道)との苦言、不満が伝えられた。
ゼレンスキー大統領はNATO、米、日などウクライナを支援する西側諸国、同盟の国際会議に直接出席などしてウクライナへの兵器供与拡充支援を何度も呼びかけて、これに応えて米国などは最新鋭の兵器、爆弾などの供与を決めている。
(2)米国がクラスター弾の供与を決めた時には、クラスター弾の使用、製造を禁止するオスロ条約参加の英、加からは米国に対して「(オスロ)条約を守る」との反対の意見も出て支援側に不協和音もみられる。
ウクライナ戦争はNATO、米の兵器供与を受けてウクライナ軍の全面反抗開始が伝えられており、NATO、米のウクライナへの兵器供与は戦争拡大を推進するものであり、国際社会が早期に求める停戦協議に向けた話し合いはすっかり遠のいている。
(3)戦争拡大、長期化でそろそろNATOの兵器供与にもいつまで続くのかという疑念論がみられる。ゼレンスキー大統領が露が全面撤退しなければ停戦協議はないと言及して、そういう状況をつくるためのNATO、米、西側諸国への兵器供与支援の要請なのだろうが、戦果はあがっていないと伝えられており、米がさらに強力なクラスター弾の供与を決めて戦争拡大の一途だ。
(4)米国は当初、露のNATO加盟を目指すとしたウクライナ軍事侵攻に対して、ウクライナはNATO国でもなく米国が直接参戦すれば第3次世界大戦を招くとして慎重な姿勢を示して、ウクライナへの兵器供与の軍事支援の姿勢を示した。
しかし今後の展開を考えれば、仮に露とウクライナが停戦合意して、その後ウクライナのNATO加盟となれば今後ウクライナと露が再び戦闘となれば米国としてもNATO国の安全保障のために戦闘に直接加わる必要性が出てくるものであり、地政学的には国境を接するウクライナと露とは侵略の可能性、問題をいつも抱えた危険な関係にあるといえる。
(5)そういう意味でも米国、NATOがウクライナに兵器供与を続けて戦争拡大の道を進むのではなく、そうするより停戦協議に向けた話し合い(ウクライナのNATO加盟問題を含めて)の賢明な道を模索する必要性がある。
ウクライナ戦争が長引き、拡大する中で、NATO、米の兵器供与がそうした側面の懸念の中での冒頭の英国防相のウクライナの兵器供与要請に対する「英国はアマゾンではない」発言だ。
(6)米のクラスター弾供与へのNATO英、加の反対の不協和音、英国防相のアマゾン発言の不満とそろそろウクライナ戦争拡大、ウクライナのNATOへの兵器供与の依存性の高さ一途でない、ウクライナ戦争終結に向けた本格的な動きが出てきてもいい頃だ。
寄ってたかっていつまでもおかしな戦争をやっているわけにはいかない、それぞれの道(each road)探しが始まっている。