(1)米国で民主党バイデン政権が推進する黒人優遇入学、学生ローン一部免除を違憲、無効とする米連邦最高裁の判決が続いて、バイデン政権に痛手となっている。トランプ前大統領時代に保守系判事の最高裁起用が続いて、共和党保守系寄りの判断が優先しているともいわれている。
(2)最高裁判断なのでそれなりの法的根拠、判断があるものとみられるが、法的根拠、判断というものは解釈次第というところもあり、今回のように人種、所得での格差「優遇措置」に対する判断となれば一方からは特別配慮、支援とも映るもので、公平、公正性を欠く要件ともいえる。
(3)日本でも沖縄辺野古訴訟では日米軍事同盟の政治的判断を優先した裁判判断が続いており、政府寄りの保守的判決が目に付く。日米裁判判断での保守的判断が続く傾向は、今日的、世界的な保守化の台頭による社会正義、社会思想の変化、潮流とみるべきなのか、これまでは政治判断に対して司法判断が行き過ぎを規制するあるいは社会的弱者の不遇に対して救いの手を差し伸べるのが裁判所の役割とみられていただけに、政府側、強い者の論理にあれこれ理由をつけて従うだけの裁判判断には疑問、不満はある。
(4)米国では最高裁判事人事の保守派勢力優勢指名をはかってきたトランプ前大統領は「私が連邦の司法を変えた」(報道)として来年度米大統領選に向けて成果を強調している。米議会でも下院で共和党が優勢で民主党バイデン大統領との政策対立が続いており、来年大統領選に向けての対立構図となっている。
(5)民主党バイデン大統領は80才の高令で来年の大統領再選を目指しており、民主党内では有力な対立候補者も見当たらずに最有力候補とみなされている。高令が問題でこれまでも記者会見での言い間違いがあったが、最近は突如として関係のない話の中でいきなり女王発言が飛び出したり、ウクライナをイランと言い間違える(報道)など続き、高令による判断能力が不安、心配されている。
(6)こちらも共和党候補として有力とされるトランプ前大統領は、保守派系といわれる連邦最高裁からいくつかの嫌疑で起訴されて訴訟中で、来年の米大統領選は仮に現在有力とみられるどらかが大統領となっても米国、世界にとっても不安の大きい判断材料になるだろう。