いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

衆院定数の適正化。 a reasonable policy of a quorum in the house of representatives

2016-02-26 20:23:58 | 日記
 (1)国会議員の定数削減を直接利害関係にある国会にまかせてもラチがあかないことは政治原理からあきらかなことでいつまでたっても堂々巡りの論議を続けて、1票の格差問題で司法判断も一時は国会審議に期待する温情を示した時期もあったが、一向に改革に向かわせない国会に最近は業(ごう)を煮やして高裁では1票の格差が拡大する選挙制度による選挙結果を違憲とする判断まで出てきた。

 さすがにこのままでは解散権にも影響すると考えたか、安倍首相がようやく衆院議長のもとに第3者委員による1票の格差是正の選挙制度改革諮問委員会を設けて論議することを提案して、それでも与野党がすんなりとは合意せずに時間がかかってこのほどようやく同諮問委員会はアダムズ方式(人口比を反映した議席配分)による「7増13減」(10年国勢調査ベース)案を答申提言した。

 (2)安倍首相は自ら要請した経緯もあり同諮問委員会の答申提言を尊重する姿勢を示したが、自民党は20年の本格的国勢調査後まで結論を先送りする方針を決めていた。
 節目が変わったのは12年の当時の民主党政権野田首相と野党自民党の安倍総裁との党首討論での翌年通常国会での衆院定数削減実現と引き換えの衆院解散の約束だった。

 今度は野党として衆院予算委員会で質問に立った民主党議員野田さんがこの時の約束不履行を安倍首相に質して、実はこれを予測してその日の午前の国会審議ですでに安倍首相が衆院定数を削減することを自民党案から前倒しして実施することを答弁して先手を打っていた。

 (3)これで7増13減の実質定数6削減はようやく実現に向けて進みだしたというわけだ。こんなややこしい党利党略(party interests and tactics)の果ての衆院の定数削減問題ではあったが、ややこしさはさらに続く。

 衆院議長による各党意見の聴取では自民党を除く各党(一部選挙制度そのものに反対の党はあるが)はアダムズ方式の7増13減に賛成の意向を示したが、ここでも自民党はアダムズ方式には反対して独自の主張を展開した。

 (4)自民党が示したのは「0増6減」案だ。定数削減の議席数「6減」には変わりはないが、「0増」だ。削減数には変わりがないが、諮問委員会によるアダムズ方式「7増13減」案では変更選挙区の範囲が全国にわたって広く、自民党支持基盤の多くが影響を受けることからの保身マジックだった。

 自民党総裁の安倍首相が要請してその諮問委員会の答申を尊重するとまで言いながら、その自民党だけが意向に添わないという理不尽(unreasonableness)だ。

 (5)475の定数を抱える衆院でわずか定数6削減だけでもこのややこしい経緯に保身マジックの有り様なのだから、国会に自浄能力、作用の良心がないのは見ての通りだ。現在のおおさか維新の会は以前は衆院定数半減の党綱領を示していたこともあるが、現在の衆院で475の絶対定数が必要だとは思わない。

 半減にどんな根拠があるのかはわからないが、全国選挙区を洗い直して相当数国会議員定数の削減はすべきだ。思い切った定数削減をしないと、都市集中の国民人口流動化で1票の格差は元のもくあみになる可能性が強い。


 (6)そもそも消費税引き上げの前提として国会(議員)が率先して身を切る思いを示すと言っていたわけだし、定数475の衆院本会議での議論をみているとほとんどはヤジ、怒号予備群で占められておりおよそ身のある議論になっておらずに、その他各委員会構成などではそんな議員数は必要もない。

 大学でもいいどこかの専門機関が学術的、研究的見地から日本の場合の国会議員の適正規模(a reasonable policy of a quorum in the house of representatives)について事例データを示してほしいところだ。

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