いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

制裁と対話。 sanction and dialogue

2016-02-13 19:55:01 | 日記
 (1)北朝鮮が水爆実験とやらに続きミサイル発射でやりたい放題の無軌道ぶりなので(最近はおとなしいが先進核保有国も批判の中でこれまでさんざん核ミサイル実験をくり返してきた)国際社会もこれまで以上の制裁(sanction)強化決議が必要と安保理で協議を続けているが、この問題でも米国対中国、ロシアの対立構図が変わらずにいまだに有効な北朝鮮制裁決議を打ち出せない中で、朝鮮半島を挟んでの隣国で直接危機利害関係国の日本と韓国が独自制裁強化を打ち出して早々に実施すると発表した。

 (2)これに対して予想どり北朝鮮は反発してすぐに日本に対して拉致被害者の再調査を中止し、そのための特別調査委員会を解体すると表明(報道)してきた。
 加藤拉致問題担当相はこれに「政府としては引き続き1日も早い拉致被害者の帰国に向けて全力で取り組む」(報道)と答えたが、この事態の中でどうやってそれを実現するのかがわからない。

 (3)もうひとつ政府高官は「想定内だ。政府の姿勢は変わらず、調査の報告を求めていく。北朝鮮も対話をやめたいとは思っていない」(報道)と希望的観測の楽観論(optimism)をただ述べているが、日本側が制裁解除などの措置を取らない限りは北朝鮮がそれに乗ってこないのはこれまでの経過を見てもあきらかで、拉致被害者の調査、帰国問題は元に戻ったことははっきりしている。

 (4)2年前に北朝鮮が日本側の制裁一部解除と引き換えに拉致被害者の再調査を約束しておいても、日本側の態度、対応を理由(拉致被害者調査よりかっての日本人渡航者の遺骨調査を優先する北朝鮮の対応を日本政府は拒否)にこれまで一度も再調査結果の報告を行っていないのだから、今回の再調査中止で事態は完全に暗礁に乗り上げたことは確かだ。

 (5)そもそも北朝鮮側が再調査報告は1年程度が目標(報道)と言っておきながら調査不十分を理由に報告を先延ばしして、2年近くも放置したままで進展しないことに日本政府の対策、対応、戦略に問題はなかったのか。

 今回の北朝鮮の再調査中止表明にも担当相、政府高官が希望的観測、楽観論をただ並べたてても緊迫感、責任感がまったく伝わってこないのは、確かに北朝鮮相手に非常にむずかしい対応を迫られる問題とはいえ納得のできる戦略がまったく見えないのはどうしたことか。

 (6)もはや政治家の言葉に信実味、真実味、信頼性、信用性は希薄で、そうならせめて非常にむずかしくなった拉致問題の現実とその問題点について正直に語るべきだ。
 拉致問題の解決が安倍政権の最重要課題などと気休めを言われても、現実がそうなっていない政府の厚顔無恥にはうんざりするものがある。

 (7)拉致、核、ミサイルが北朝鮮を取り巻く重要問題と言われるが、制裁強化、北朝鮮の一層の孤立化だけで解決する問題でないことはあきらかではっきりしている。
 6か国協議が継続していた頃は北朝鮮の代表も取り込んでの国際社会への発信も有効性があった。

 北朝鮮問題は対話で解決と唯一の支援協力国の中国も言っているのだから、日本も北朝鮮との「対話」強化を中国に働きかけるべきだ。

 (8)日本独自としても制裁強化で国内から北朝鮮関係者をただ締め出す(交流入国拒否対策)だけでなく、ものすごく大胆な物言いをすれば国内に北朝鮮協議代表部でも誘致して積極的に日本独自の対話(dialogue)、協議の継続仕組みをつくることも北朝鮮問題解決の方法論として考えてもいいのではないのか。

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