いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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司法の和解案。 accommodative proposition by the judicature

2016-02-01 19:53:56 | 日記
 (1)辺野古移設を巡る国、政府と沖縄県との訴訟(辺野古沖埋め立て承認取り消し撤回の代執行)で係争中の福岡高裁(那覇支部)裁判長が和解案(accommodative proposition)を示して、双方に和解を勧告(報道)した。

 報道によると和解案を受けた沖縄県側が「根本的」と「暫定的」の二つの和解案であることを示し、内容は裁判所の指示で具体的には明らかにできないとした。

 (2)和解案であるから交渉を円滑に進めるためには当事者間で十分検討して予断を差しはさまないことが問題解決には必要なので、致し方のない情報非開示ということだ。

 普天間飛行場の辺野古移設にかかわる国、政府と沖縄県との全面対立は訴訟合戦として司法の場に持ち込まれたが、国の国防、防衛という重要政策課題であり司法が行政に踏み込んだ判断を示す期待は三権分立の立場からも極めて少ないことが予想されるので、和解案の提示はひとつの方法論(methodology)である。

 (3)本格的と暫定的とどのような和解案なのかはわからないが、沖縄県側にとっては公判では司法による踏み込んだ沖縄県側に添った判断が期待できない状況からは、検討するのに価値のあるものだ。

 司法としては米国をも巻き込んだ高度な政治課題の沖縄基地問題を訴訟で決着をつけるのではなくて、国際摩擦を回避するあくまで当事者間での話し合い解決に求めた最善の方法論を示したことになる。

 (4)市街地の危険な普天間飛行場の辺野古移設問題は、日米合意にもとづく辺野古移設を国、政府が唯一の解決策として主張して、これに対して沖縄に駐留米軍基地の70%以上が集中して過度の負担を強いて多くの県民の意思を背景に県外移設を主張する沖縄県側と全面対立をくり返してきた。

 沖縄基地問題はあくまで国内問題でありながら日米安保条約にもとづく米国、米軍の意向、意思が重要な役割を持ち、日米合意に拘束される国、政府と過重負担を押し付けられる沖縄県側とは解決の糸口さえ見えない全面対立が続く。

 (5)本ブログでは解決の糸口として、当面辺野古移設を前提としてしかし将来にわたって県外、国外移設を条件として協議を続ける担保方法論が現実的な解決に向かわせるものと書いた。

 過重負担押しつけの沖縄県側にとっては認めることはできないかもしれないが、このままでは事態が県外移設に向けて動くことは考えられない中で、将来の県外、国外移設を担保(security)して協議、話し合いを継続することは沖縄県側の意向、希望に向かわせる、少なくとも解決に向けて道筋が見える期待感のある現実性のあるものだ。

 (6)福岡高裁の提示した根本的と暫定的な和解案がどういうものかはわからないが、沖縄県側に過重負担解消に向けて将来的に期待の持てるものでなければならない。
 それがせめてもの国民の公平で公正、平等な正義、権利を保障する司法の判断、見識でなければ社会正義のパラダイム(paradigm)は維持できない。

 司法の和解案提示が問題解決の糸口になればいい。

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