(1)民主党は「民主党は嫌いだけれど、民主主義は守りたい」という党宣伝ポスターを作成してキャンペーンを始めるらしい。世間からは「自虐的」という声も聞かれるが、まったく意図のわからない、冗談ともつかない安倍官邸、自民党1強時代に打つ手なしの手詰まり閉そく、いっそやけっぱちに話題だけでも注目を集めようというパラドックス(paradox)戦略のようだが、まともに見れば落ちるところまで落ちたという印象だ。
(2)野党第1党の民主党がそんなテイタラクな自信喪失状況だからでもあるまいが、甘利辞任にもかかわらずに安倍内閣の支持率が各メディア調査で軒並み上昇するという怪奇現象まで起きている。
国民も国民だが、政治も政治だ。逆に安倍内閣、自民党も普通ならこの政治的怪奇現象に本当かいなと警戒感を持たされているのではないのかといらぬ心配をするほどだ。
(3)アベノミクスの経済政策推進で財務省の抵抗を押し切って安倍首相を支えて、TPP交渉でも連日の深夜、徹夜の交渉が報道されて大筋合意の立役者のように見られた安倍首相の盟友で重要閣僚のひとりの甘利経再担当相が引責辞任した「報道」効果が、その政治とカネ、利権口利き疑惑の政治的重大性が公になる前の引き際の潔さ(安倍首相は乗り切れるとタカをくくって甘利さんの続投を考えていたが、甘利さんがこれを拒んで辞任という報道)ばかりが目立って、パラドックスとして安倍内閣支持率の上昇に貢献したという怪奇現象を招いたように感じるものだ。
(4)もちろん背景には安倍内閣に代わる、代われる政権政治勢力がないという弱小野党、安倍政権に無音の自民党内政治状況があるのは間違いはない。
そこで自信喪失の民主党はやけっぱちのような冒頭の「民主党は嫌いだけれど、民主主義を守りたい」というキャンペーンポスターの作成だ。
何かの逆転効果を狙ったものなのか、ただただ弱々しさばかりが目について「民主主義」など守れる資格も能力も度量(magnanimity)もないと宣言しているような民主主義が消え入るような余韻しか残らないメッセージ標語でしかない。
民主党は、前民主党政権放棄、崩壊で国民の生活を守れなかったのに出直しのポスターで「国民の生活を守る」などとした自己否定のポスターキャンペーンを行った経歴もある。
(5)甘利辞任を受けても安倍内閣の支持率が上昇するというのはこういった野党のテイタラクが後押ししているわけだが、ここまできたらかえって民主党にとっては落ちるところまで落ちて腹をくくって上を向くしかないのもせめてもの好材料だ。
民主党の間違いは09年政権時の自己否定した革新的政策の失敗の「検証」をきちんと責任を持って行ってこなかったいいかげんさだ。公共事業の廃止、高速道路無料化、最初は国内外国人も対象とした子ども手当のばらまき、株価7千円低迷などなど、政策自己否定の原因がどこにあったのかきちんと合理的に説明責任を聞いたことがない。
(6)解党、新党などの野党連合の前に「ゼロ」からの「政策制度設計」をひとつひとつ重ねて提示して、安倍首相の言う提案型政治に応えて政治精度を高めていく意欲、努力が必要だ。
(2)野党第1党の民主党がそんなテイタラクな自信喪失状況だからでもあるまいが、甘利辞任にもかかわらずに安倍内閣の支持率が各メディア調査で軒並み上昇するという怪奇現象まで起きている。
国民も国民だが、政治も政治だ。逆に安倍内閣、自民党も普通ならこの政治的怪奇現象に本当かいなと警戒感を持たされているのではないのかといらぬ心配をするほどだ。
(3)アベノミクスの経済政策推進で財務省の抵抗を押し切って安倍首相を支えて、TPP交渉でも連日の深夜、徹夜の交渉が報道されて大筋合意の立役者のように見られた安倍首相の盟友で重要閣僚のひとりの甘利経再担当相が引責辞任した「報道」効果が、その政治とカネ、利権口利き疑惑の政治的重大性が公になる前の引き際の潔さ(安倍首相は乗り切れるとタカをくくって甘利さんの続投を考えていたが、甘利さんがこれを拒んで辞任という報道)ばかりが目立って、パラドックスとして安倍内閣支持率の上昇に貢献したという怪奇現象を招いたように感じるものだ。
(4)もちろん背景には安倍内閣に代わる、代われる政権政治勢力がないという弱小野党、安倍政権に無音の自民党内政治状況があるのは間違いはない。
そこで自信喪失の民主党はやけっぱちのような冒頭の「民主党は嫌いだけれど、民主主義を守りたい」というキャンペーンポスターの作成だ。
何かの逆転効果を狙ったものなのか、ただただ弱々しさばかりが目について「民主主義」など守れる資格も能力も度量(magnanimity)もないと宣言しているような民主主義が消え入るような余韻しか残らないメッセージ標語でしかない。
民主党は、前民主党政権放棄、崩壊で国民の生活を守れなかったのに出直しのポスターで「国民の生活を守る」などとした自己否定のポスターキャンペーンを行った経歴もある。
(5)甘利辞任を受けても安倍内閣の支持率が上昇するというのはこういった野党のテイタラクが後押ししているわけだが、ここまできたらかえって民主党にとっては落ちるところまで落ちて腹をくくって上を向くしかないのもせめてもの好材料だ。
民主党の間違いは09年政権時の自己否定した革新的政策の失敗の「検証」をきちんと責任を持って行ってこなかったいいかげんさだ。公共事業の廃止、高速道路無料化、最初は国内外国人も対象とした子ども手当のばらまき、株価7千円低迷などなど、政策自己否定の原因がどこにあったのかきちんと合理的に説明責任を聞いたことがない。
(6)解党、新党などの野党連合の前に「ゼロ」からの「政策制度設計」をひとつひとつ重ねて提示して、安倍首相の言う提案型政治に応えて政治精度を高めていく意欲、努力が必要だ。