いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

社会常識の落し穴。 dead pit of the social common sense

2014-01-12 15:17:00 | 日記
 (1)石油化学製造会社の三菱マテリアル四日市工場での爆発事故の会見で、社長は「深く、深く、深く」と3度くり返しておわびした。この事故で5人が亡くなって遺族にとってはいまさら社長にいくら深くおわびされても、もう5人の命は帰ってくることはない。

 いまさら無念なのは、先端的科学技術の化学工場で安全操作管理の具体的なマニュアルもなく、作業員の「勘」を頼りに操業点検、設備機器清掃を続けていた(報道)ことだ。

 (2)さらにこの工場では以前にも同様の爆発事故(被害者はいなかったが)を起こしており、消防局からの改善指摘を受けていた中での惨事をくり返した。
 化学工場の改善指摘を無視したいいかげんさ(nonsense)もさることながら、消防局の指摘したら安全確認のフォローもない火災事故で見かけるいつもながらのあなたまかせの無責任体制が惨事を誘発した。

 (3)同社長は「『もう少し』科学的な方法がなかったかと思う」と他人事のようにいまさらながらのどうしようもない反省の言い訳だ。
 こういう化学工場が許認可された不自然さを思うと、国の審査、安全基準、安全確認体制の重大問題もあって、住宅地域内に隣接して建設される化学工場の立地条件も含めてすべてにわたって問題だらけの石油化学製造工場の実態だった。

 (4)爆発の原因となった熱交換器のふたを取り外す判断基準の圧力計の「記録」はなく、作業員が「素手」で交換器に触って熱を測り「安全」かどうかを判断(報道)していたというから、先端的科学技術の化学工場とはまったく無縁な原始的作業場であって、放置されていたという悪魔の実態だ。

 この時代で、いまさらマニュアルを専門的見地から見直し、科学的な判断基準を取り入れることを検討する(社長会見要旨)などとは、これがこの先端的科学技術業界の常識なのかと目を疑うばかりの投げやりないいかげんさだ(none of your nonsense)。
 とても企業利益優先体質で説明のつく話でもなく、国、消防のチェック機能を含めた先端的科学技術の名に隠されたすべてのものの認識のいいかげんさの連鎖がわかったということだ。

 (5)すでに崩壊した原発の安全神話もそうだが、先端的科学技術の石油化学製造業が高度な技術システム、安全管理システムで運用されている社会的常識からはまったくほど遠く、経営者にも良心、良識、使命感が大きく欠如している「社会の落し穴(dead pit of the social common sense)」を再確認させられる事故だ。ここだけの問題ではないはずだ。

 (6)政治、経済、社会(生活)の相互依存、つながりの深さ、大切さ、確かさの方程式(equation)の見直しが必要だ。

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