いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国民投票のダイナミズム。 efficacious application of referendum

2014-01-05 19:30:07 | 日記
 (1)09年の民主党による本格的政権交代は「マニフェスト(manifesto)」による政権公約が具体的な目標設定を示してわかりやすく支持されてのものだったが、パラドックス(paradox)としてそれが「足かせ」となって政策設計の未熟さを露呈して政権自滅に追い込まれた。

 政治の方向性からいえば国民に約束したものを計画的に実行していく正当性があって、理にかなったものであった。

 (2)しかし、政治はこの時の反省からマニフェスト政治から後退して次の昨年末の解散総選挙では、政策を打ち上げるだけの従来のアドバルーン政治(ad balloon politics)に逆戻りした。

 もちろん、政治は「いきもの」だから「公約」だけにしばられて機能性、融通性を欠けば活力、機動性を失うから、適応性も必要だ。

 (3)昨年末の総選挙で政権復帰を果たした安倍政権は大胆な金融緩和策による経済回復基調を背景に、今夏の参院選でも大勝して衆参ねじれ国会解消を果たすと、それまでの選挙で主張もしなかった特定秘密保護法案を突如国会に上程して、国民の過半数が反対するなか強行採決で成立させた。

 尖閣諸島領有権問題で中国の領海、領空侵犯が続き東アジア情勢は緊迫を迎えているが、日米安保、軍事同盟関係で対応すべきものでとりたてて国内の特定秘密保護法案の成立を急ぐ必要度もないなかでの、短い臨時国会開催中での強行採決であった。

 (4)成立後になって、国民に理解を得る説明、努力不足を認め、ていねいに理解を得る必要性を述べているが、審議中にすべきことで本末転倒の政治ポーズにすぎないものだった。

 専門家はこの政治的横暴、暴走を防ぐにはマニフェスト政治の「強制」しかない(報道)と述べている。
 国民の過半数が実態もよくわからないままに情報統制、言論統制、取材規制に支配される危惧から同法案に反対するなかでの強行採決だ。

 (5)国民自らの権利制約にかかわる重要法案に対しては、政治の説明責任を明確にするために「国民投票(referendum)」による決着が必要だ。
 マニフェスト政治の強制では、政策設計、計画性に相当高度の政治能力、洞察力、編さん力が要求されて、推移によっては組み換え力も求められて時代の変化、要求の適応力、効果性、発展性に欠ける面は、09年の民主党政権の失敗でもあきらかだ。

 (6)09年当時は、地方自治体による都構想、税制改革論議で地方主権構想が国民から期待され支持された政治状況でもあった。政治は直接民主主義によるダイナミズム(dynamism)に関心が深まり支持が集まったのだ。

 議院内閣制政治の「国民無視」(国民の過半数の反対も眼中にない安倍首相ー本人談)の政治が続くなかで、国民の意思、判断が選挙以外に直接「政策の是非」に直結する直接民主主義ができれば最善の国民の政治参加だ。

 (7)政治の暴走を止める国民投票制の有効活用(efficacious application)をはかるべきだ。

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