いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

NHK新会長の偏向発言。 deflected speech of new president of nhk

2014-01-26 16:15:47 | 日記
 (1)黒田日銀総裁からはじまって安倍首相主導のカラーが全面に出た強引な人事対応は偏向しているとメディアが批判するが、志を持って首相になって自らの理念、主義主張を実現する野望のための方法論としては常とう手段であるから当然の方針だ。

 まれに度量と識見の高い人物は、あえて公平、公正な人事配置で広く意見を求めることもあるが、まず人事配置は権力者の意向が反映される体制づくりが基本だ。
 安倍首相はかって党要職として自らの政治信条にもとづいてNHK番組編成に注文をつけたことがあるといわれて、また一部メディアと距離を置いて排除したこともある思想経歴の持ち主だ。

 (2)保守色がより強いといわれる安倍首相の政治信条が、これに批判的でリベラルな一部メディアを受け入れない傾向はある。その安倍首相に近いといわれる籾井勝人さんがNHK会長に選出されて昨日(25日)記者会見を開いた。

 まず最初に述べたのが「放送法の遵守」で、公共放送としての報道の「不偏不党」の基本精神だった。
 ところが、すぐそのあと記者の誘導質問とはいえ従軍慰安婦問題について尋ねられると一旦コメントは控えるといいながら「戦争地域にはどこもあったと思う」(報道)とわざわざオランダの飾り窓まで引き合いにして性風俗論まで展開して、韓国の歴史認識問題での日本批判が当たらないと報道の不偏不党を今宣言したばかりのNHK会長としては極めて踏み込んだ発言をした。

 (3)ほかにも安倍首相の靖国参拝や領土問題、特定秘密保護法について「もう言ってもしょうがないんじゃないのか(同)、「政府が右と言うものを左と言うわけにはいかない」(同)とメディアの批評精神性を否定する発言をくり返した。

 不偏不党の報道精神遵守と政府(安倍首相理念)寄りの政治認識が同時に混在するという奇妙きてれつ(curious)なNHK新会長の就任会見での偏向発言(deflected speech)だった。

 (4)安倍首相の経済金融政策が順調でやりたい放題な自在な風を受けて、靖国参拝、特定秘密保護法の強行姿勢への国際、社会批判に対して立場も基本姿勢も度外視して、調子にのって擁護するために思わず言わずにおれなかったのではないのか。

 公共放送としてのNHKの限界をみせるものでもある。情報化成熟時代を迎えて地上波、BS、アイフォーン、ケイタイと多様な放送、報道、通信アイテム、システムが出現して公共放送の使命も見直されるべきで、NHKも独立の資本による独自の経営体制に移行すべき時代を迎えている。

 それに逆行するNHK受信料の全国民支払い義務化検討など時代錯誤のもってのほかだ。

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