いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

パラレルな手詰まりの沖縄。 okinawa is pinched for parallel purpose

2014-01-20 19:54:38 | 日記
 (1)十分想定されていたとはいえ、そのとおり名護市長選は辺野古移設反対の現市長が再選を果たした。得票率は当選した現市長が53%(前回51%)、落選した移設容認の前自民党県議が47%(前回候補49%)と前回選挙よりわずかに差が開いたが思ったほどでもなく、移設反対の勝者が圧倒したわけでもない。

 名護市も地方自治体、とりわけ沖縄共通の財政、経済低迷問題はかかえて、市民の暮らしの中には雇用安定も含めて米軍基地依存体質は残っており、沖縄県の普天間飛行場の県内移設反対ほどの高いボルテージほどには選挙結果には反映されない。

 (2)再選された現市長は前回選挙でも接戦を制しながら、辺野古移設反対が100%市民の総意のような分かりやすい表現で主張しているが、市民の意思の中には前回、今回と47~49%程度の「きっ抗」した理由はそれぞれあっても移設容認を支持する市民層も存在する。

 民主主義政治は、たえず勝者は敗者の支持を批判勢力として行政にいかしていく努力、あるいは自戒の判断材料として政策に反映することが求められる政治哲学だ。

 (3)ところが普天間飛行場の移設の反対か容認かのように二者択一の政治選択の課題では、47%といえども比較少数の容認派の意見を移設反対過半数の中で具体的な形で取り入れることなど不可能なので、名護市民の辺野古移設は反対ということが明確に意思表示されたということだ。

 名護市長とすれば47%の敗者側の意思を辺野古移設以外の政策の中で斟酌(しんしゃく)するしかない。
 政府の思い切った沖縄振興策は辺野古移設とパッケージになったものだけに、今回の名護市民の移設反対表明で移設計画が進まなければ政府の沖縄経済振興投資への影響も考えられて、名護市がひとりその責任を負わされる懸念もある。

 (4)名護市政が辺野古移設反対に特化して、市経済、生活安定に対する効果的な推進策が打ち出せないでは公平、公正な行政姿勢とはいえないし、辺野古移設反対で仮に普天間飛行場の継続使用ということになれば同周辺地域の危険続行の責任も共有することになる。

 具体的に県外、国外移設に向けた運動方針の提案も必要だ。まずは名護市が辺野古移設反対と市経済、生活安定の両立を実践してみせることが肝要だ。

 (5)政府とすれば、今回の名護市民の決断(同時に沖縄県民の願いでもある)を尊重し普天間飛行場周辺の危険回避を考察すれば、普天間飛行場の県外、国外移設しか道はない。

 政府が名護市民の反対を押し切って辺野古移設を強行すれば、市民、県民あげての反対運動にさらされることになり、沖縄の米軍基地問題は歴史にさらなる禍根を残す象徴的な問題となる。

 (6)成田闘争のような単なる国内問題の枠ではなく、日米軍事同盟優先による沖縄市民の犠牲という国の主権にかかわる国民切り捨てにつながる問題提起で、さすがに沖縄に米軍基地の70%以上も集中するのもやむを得ないと過半数が理解する(世論調査)国民の理解を得ることはできないだろう。

 予想されたとはいえ、普天間飛行場移設問題は政府、沖縄県、宜野湾市、名護市ともにパラレルな手詰まり状態(okinawa is pinched for parallel purpose)で、打開の先行きは見通せない。

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