いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

沖縄の変節。 apostasy of okinawa

2014-01-02 19:47:43 | 日記
 (1)今年は普天間飛行場移設問題で大きな転換点を迎える。昨年末に政府から沖縄の意向に沿ってこれまで一度も改定したことのない日米地位協定の見直しを含む沖縄振興策を提示された沖縄県知事は「驚くべき提示で、これでいい正月を迎えられる」(趣旨発言)とその対価としての移設先の辺野古沖埋め立てを許認可することを決定した。

 仲井真さんは、いい正月を迎えられたことでしょう。この沖縄県知事の決定に対して市民千名程が沖縄県庁内に座り込みをして知事の公約違反、変節(apostasy)に抗議したが、前民主党政権の鳩山首相の「国外、最低でも県外」発言を撤回して辺野古移設容認に転換した頃の沖縄全土をあげての熱い抗議運動、行動には遠く及ばない反発だ。

 (2)仲井真さんは、辺野古沖埋め立て許認可と公約の県外移設とは矛盾しないと、沖縄にとってはとても相容れることのできない「こじつけ」の建前論だけの主張をしているが、それはひとえに政府の判断、都合に味方するだけのことであって、米軍基地の集中する沖縄の置かれた現状打開の問題ではない。

 仲井真さんの主張は、埋め立ては許可するが(それによる移設の実現可能性よりは)それより県外に移設することの方がよっぽど早く問題解決になるという自己矛盾(それなら埋め立てを許可する必要もない)のもので、これは日米合意による辺野古沖移設を決定している政府にとっては、また辺野古沖埋め立てによる日米合意(辺野古移設)の実現が可能になる政府にとってはまったく余計な「お世話」ということになる。

 (3)仲井真さんの主張は前民主党政権の鳩山首相のロジック展開(development of logic)と同じことで、まさに沖縄県民の願い、期待とこれまでの仲井真知事公約への信任、信頼を否定することになる行為ともいえる不信感をもたらすものだ。

 鳩山リコールの時の沖縄県民の圧倒的な熱い勢いがみられないのはどうしたことか、実に不思議なことだ。まさか安倍政権、与党自民党への比較高い支持率に沖縄が委縮し、気勢をそがれてでもいるのか。

 (4)1月に辺野古移設を争点の名護市長選が実施されて、知事の埋め立て許認可もそれに予断を与えないために同市長選後の知事判断も選択肢の中にあった中での、政府、自民党の意向に沿った昨年末の埋め立て許認可だった。

 知事がいい正月を迎えるための政府との打算による取引きではなかったのか。政府との口約束にどれほどの保障があるのか疑問視もある。
 辺野古沖埋め立て許認可決定には、県民から普天間の危険回避のためには辺野古移設もやむを得ないとのやむを得ない声も聞かれる中で、移設先の地元名護市長選に限れば仲井真知事の「変節」に対する不信感もあって厳しい選択が予想される。

 (5)辺野古移設に関しては、知事の埋め立て許認可決定と市民による移設に反対する市長の選択という両極論平行(parallel)の中で、政府もむずかしい行政執行に追い込まれるだろう。

 諫早湾の防潮堤門扉の開閉訴訟で両極の判断が出て、身動きのできない政府の二の舞が懸念される。

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