いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

政党の2極分離。 two pales separation of political party

2013-06-24 19:38:56 | 日記
 (1)今夏の参院選の前しょう戦という「前ぶれ」が強くて注目された都議選は、首都の議会選挙ではあっても地方議会選挙(定数127)には変わりはなく、NHKまでが煽(あお)って全国放送体制で報道するようなものではない。

 東京1極集中に対して地方主権、分権、活用、活性化の必要性がいわれながら、政治、メディアがこぞっての参院選の前しょう戦と位置づけての注目を煽る都議選の「違和感」だ。
 参院選では都議選の結果にかかわらずに、全国の地域でTPP、憲法改正ほか争点に有権者が自由で独自の判断で選挙選択、審判の意思を示すだけだ。都議選を参院選の前しょう戦と煽られる必要もないことだ。

 (2)都議選の争点も都政に関わるものは見当たらずに(都が出資する新生銀行経営、24時間バス運行、五輪招致問題など行政対応課題はあるが)、各政党とも安倍政権の経済政策(アベノミクス)に対する評価に終始して、異質で異様な地方選挙戦との印象が強い。

 選挙結果は円安株高効果で経済政策への期待感が順調な自民党一強時代を反映して、低投票率の関心の低さの中で自民党は圧勝(史上初の全員当選)し、民主党は都議会第1党から大きく議席を失って(60%減)第4党に転落し、公募選考研修のうえに34人を擁立した日本維新の会はわずか2名の当選と支持を得られずに敗北した。

 (3)多党化乱立時代といわれるけれど、自民、公明、共産、みんなの党が躍進、順当に議席を獲得して他の政党を圧倒して、政策以前の政党として「体(テイ formal basic)」を成しているのか、いないのかでの政治原点の2極化分離(two pales separation)の選挙選択結果となった。きわめて単純明快な選挙戦でもあった。

 政党の政治理念、政策、都政評価以前の政党の組織、結束統治、活力、批評力、実行能力の段階で、すでに多党化乱立の多くの政党が政党の「体(テイ)」を成しておらずに、組織力、結束力のある政党(自民、公明、共産党)が今回の都議選では順当に勝利した。国民の選挙関心の低さを侮(あなど)っては、なめてはいけなかった。

 (4)選挙選択する都民にしても政党政治レベルの低さに選択肢もなく、過去2番目に低い(報道)低投票率につながった要因のひとつでもあり、対抗勢力となるはずの民主党、日本維新の会の組織壊滅、党内統治能力の欠如は国民の期待を大きく裏切る惨状である。

 個人の資質、人気が左右する首長選挙では敗北の続く自民党ではあるが、都議選という政党選挙では史上初の全員当選を果たして自民党一強時代はさらに鮮明になった。

 (5)ただし、安倍政権の経済政策は中小企業への経済効果は浸透せずに、同政権が見ているとおり賃上げ効果は消費税引き上げを含めた物価上昇のさらにあとになる公算が大きいだけに、景気回復、国民生活向上への「期待感」に応えられないとわかればTPP、自衛隊の国防軍化、集団自衛権容認を含めた憲法改正、財政健全化と重要政治課題が争点となる今夏の参院選と控える衆院選に向けては政策本位(policy first)のまた違った選挙展開となることも考えられる。

 今日の衆院国会で民主党元首相の野田さんが国会質問で、当時解散の条件とした1票の格差是正の3党合意の現在の不履行にかかわって「だましたあなたが悪いのか、だまされたわたしがアホなのか」と安倍政権を批判していたが、そんな程度のさびしい国会論戦、政治感覚なのだ。

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