いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

アフリカへの未来投資効果。 future investment efficacy for africa

2013-06-04 19:34:06 | 日記
 (1)6月1日から3日間横浜で第5回アフリカ開発会議(TICAD5)が開催された。安倍首相が参加38か国の大統領、首相と分刻みの「リレー外交」を展開して、日本のアフリカ協力開発への特別の意欲を示す会議として注目を集めた。

 この会議で日本はアフリカに対して今後5年間に最大3.2兆円の財政支援を行うことを表明したが、中国をはじめ先進国からの経済投資対象になっているアフリカ諸国からは日本に対して起業支援、技術協力(ノウハウ、技術者)、雇用創出への社会インフラ整備支援協力の要請、注文が相次いで、日本とのミスマッチもあきらかとなった。

 (2)中国(162億ドル)はすでに日本(80億ドル)の2倍のアフリカ財政投資支援の実績(報道)があり、これからアフリカが日本に期待するのは財政投資支援ではなくて社会インフラ整備への日本の高い技術開発力、人的支援ということになる。
 
 豊富な天然資源に労働力で経済成長の顕著なアフリカ大陸ではあるが、絶え間なく続く民族紛争、内戦、国内政治の不安定が外国からの投資懸念も含めて成長戦略の障害となってきた。
 その間隙(げき)をぬってテロ組織がアフリカに勢力を拡げており、今年1月にはアルジェリアで日本の石油プラント事業がテロ組織に襲撃を受けて多数の死傷者を出した。

 (3)世界各国からのアフリカ大陸への経済協力支援、資源開発協力支援が進展しない要因でもある。
 今や、アフリカ諸国が政治、経済で自立(independence)、安定(stability)することが世界の政治、経済の安定、平和、発展には欠かすことのできない、寄与できる最大の課題となっているのは間違いない。

 アフリカ大陸はながく欧州諸国の植民地支配を受けて、その後遺症から抜けきれずにまたひたすら国内の民族紛争、内戦に悩まされて、自立、発展の道を切り開くことができないでいた。

 (4)政治の安定にはまず経済成長による国民生活の安定が必要要件であり、世界の財政投資の目が向けられて資源協力開発、NPOによる医療、生活支援も継続されて少しずつ成長過程の道を歩み出している。

 日本の高い産業力、技術力、医療、農業、社会インフラ整備力はアフリカ大陸の自立、安定には大きな貢献力を持つもので、突出した中国の財政投資支援の中では日本の存在感を示す分野である。

 (5)アフリカ大陸の未来可能性の中で「経済」が色濃く中心となった今回のアフリカ開発会議ではあったが、産業力、技術力、医療、農業、社会インフラ整備力の日本の存在感がもっと発揮されるべきテーマであった。

 またアフリカ未来開発の中で、近代化だけでない「環境保全」問題は避けて通れない人類共通の守るべき課題として双方が考えるべきテーマである。
 経済に特化した今回の会議ということもあって、アフリカの自信、アドバンティッジ(advantage)と日本の協力参入意欲が前面に出たお祭りになったのは物足りなかった。

 (6)アフリカ諸国も外国の経済投資支援の中で、国内紛争、内戦解決、政治安定に自ら努めなければその効果継続はないことになる。

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