いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

国内に火種の五輪招致。 olympics game invitation has a kindling coal in the country

2013-06-03 20:03:00 | 日記
 作家知事とオリンピック招致。(metropolitan governor of novelist and olympics game invitation)
 (1)東京都の猪瀬知事は石原前都知事時代に乞(こ)われて副知事に就任して、週2日程度しか出勤しない石原都知事(報道)にかわって実務面を実質取り仕切って石原都政を支えてきた。石原都知事の辞職による国会転出にともなう都知事選に石原さんから後継を託されて立候補して、圧倒的な知名度で当選して東京都知事になった。

 石原さんに乞われるだけあって右翼保守的な思想的にも近く、皇室をテーマにした代表的な小説もある。
 個性的には石原さんとは対照的に地味で実務型タイプではあるが、そこは同じ作家出身なので言葉、発言力を駆使した発信力は強く、そのパフォーマンスは話題性も多い。最近もニューヨークの地下鉄にならって都営バスを24時間営業(区限定)する考えを表明した。

 (2)東京都が立候補している20年夏季オリンピック招致運動では、皇室、皇族の協力をふくめて日本の協力体制、総力の一体感を演出して、これまで他国に比較して低いとされるオリンピック開催の国民的関心の高さをアピールしてみせた。

 この努力の甲斐もあってか今回の東京オリンピック招致の国内支持率は、他の立候補都市に肉薄する高さ(70%台)を示している。

 (3)その好調な滑り出しの慢心、油断のせいなのか、はたまた招致動機づけの焦りのせいなのか、立候補都市として中東地域はじめての開催という動機づけ利点のあるイスタンブール(トルコ)を想定して「イスラム教国は互いにけんかしている」とオリンピック開催のネガティブキャンペーン(negative campaign)と受け取られる発言をして問題視された。

 オリンピック協定には立候補都市同士の非難、中傷は禁じられており、それにも反した発言であった。すでに過去にオリンピック開催、成功の歴史を持ち、先進国日本の首都として政治、経済、文化の中心にあり、精神性の高い歴史、伝統文化観を持つ東京都の知事としてのイスラム教国ネガティブキャンペーンは、ちょっと余裕のなさ、度量のなさを印象づけるものではあった。

 (4)この発言問題は、猪瀬知事のその後の謝罪で一応収束をはかってはいるが、世界各国IOC委員の投票で決まるオリンピック開催地に対しては協力が期待される足元のアジア地域委員からの反発も強まって、先行き不利な状況にある(報道)と言われている。

 石原さん同様に作家出身としてある意味するどい分析、効果を与える発言、発信力ではあるが、それが仇(あだ)となって慎重さ、配慮を欠き、自意識過剰のひとり相撲(beat the air)となっている。

 (5)東京のオリンピック開催の国内支持率はいつになく高いが、国内のスポーツ組織を支える基盤は柔道連盟の監督暴力問題から同理事のセクハラ問題ほかと不祥事続きで揺らいでおり、他国に目を向ける前に国内スポーツ環境整備にこそ目を向けるべきことであった。

 ところで、イスタンブールでは国内政治(都市再開発計画)への不満デモが鎮圧する警官隊と衝突して一気に拡大して多数のデモ市民逮捕者を出している(報道)。
 東京もイスタンブールも国内に火種を抱えたオリンピック招致運動(olympics game invitation has a kindling coal in the country)だ。

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