(1)外国為替相場が1ドルで1円動くことに数百億円の差益、差損の影響を受ける日本の輸出基幹産業にとってはまさに一喜一憂のことなのだろうが、欧米の金融事情(量的緩和縮小、追加緩和見送り)から派生するものであれば、そのこと自体手の打ちようもないことだ。
最近は1ドル100円を超えていたものが、ここにきて94円台に突入して円高傾向となった。日銀の大胆な金融緩和策発表以前の水準に戻ったと市場は大騒ぎだが、昨年の今頃は1ドル70円台の異常な円高が進行してデフレ円高不況のまっ只中にいたのだ。
(2)その時も経営者はせめて80円台に回復しなければ経営が成り立たないと主張していたが、1年たって急速な円安傾向が続くと今度は100円台が経営健全化には望ましいと都合のいいことを言い出している。
安倍政権の大胆な金融緩和などの経済政策への「期待感」からの急速な円安株高の恩恵で、輸出基幹産業は堅調な業績回復を示しているがそもそも実体経済のともなわない、浮ついたマネーゲームのカラクリに右往左往しているだけの不遜なものだ。
(3)こんなものに一喜一憂するばかりの経済界、企業もみっともない。ようやく経済界、企業にも外国為替相場に左右されない企業経営体質の改善に向けた決意を表明するところも出てきたが、ちょっと遅い。
経済のグローバル化に向けて日本企業も世界市場での経済活動、競争原理は避けて通れないところだが、世界と日本市場との複合的企業展開、視点(view of complex enterprise)が不足しているのではないのか。
経済のグローバル化の中で世界展開と日本市場展開を区別した企業論理が必要であった。
(4)異常な円高で輸出は打撃をまともに受けて、初めて生産拠点を海外に移しての対抗策を打ち出しているが、広汎な経済のグローバル化に比較してすでに遅い対応であった。しかも生産拠点の海外化で今度は国内産業の「空洞化」が指摘されて相反する経済行動で準備不足はあきらかだ。
広汎な経済のグローバル化に効果的に対応する組織、理念改革が必要だ。世界市場ほど日本国内市場の動向分析、主導、展開が備わっていない。
(5)TPP交渉参加で国内市場も世界との本格的な競争、競合時代を迎える。企業の技術開発力、生産販売力、社会貢献力、社員力、規律、倫理、思想が本当に問われる。しかし、本来日本経済、企業の誇る体質、資質でもある。
企業は自己利益追究が本質ではあるが、相手となる社会(市場)、国民の信頼、共感は不可欠要素だ。今は企業の技術開発力、近代化促進による国民生活向上という一方的な利益搾(さく)取の方向性が企業倫理であり、これでは一旦不況社会になれば一方的にこの企業倫理は社会、国民から拒絶されてしまうばかりだ。
(6)社会、国民の立場に置く軸足を強化、尊重しなければ、最後は国民が守る企業(nation defend the enterprise)としての成長は考えられない。それができていない。
外的要因の外国為替相場なんかに一喜一憂する前に本当にすることがある。
最近は1ドル100円を超えていたものが、ここにきて94円台に突入して円高傾向となった。日銀の大胆な金融緩和策発表以前の水準に戻ったと市場は大騒ぎだが、昨年の今頃は1ドル70円台の異常な円高が進行してデフレ円高不況のまっ只中にいたのだ。
(2)その時も経営者はせめて80円台に回復しなければ経営が成り立たないと主張していたが、1年たって急速な円安傾向が続くと今度は100円台が経営健全化には望ましいと都合のいいことを言い出している。
安倍政権の大胆な金融緩和などの経済政策への「期待感」からの急速な円安株高の恩恵で、輸出基幹産業は堅調な業績回復を示しているがそもそも実体経済のともなわない、浮ついたマネーゲームのカラクリに右往左往しているだけの不遜なものだ。
(3)こんなものに一喜一憂するばかりの経済界、企業もみっともない。ようやく経済界、企業にも外国為替相場に左右されない企業経営体質の改善に向けた決意を表明するところも出てきたが、ちょっと遅い。
経済のグローバル化に向けて日本企業も世界市場での経済活動、競争原理は避けて通れないところだが、世界と日本市場との複合的企業展開、視点(view of complex enterprise)が不足しているのではないのか。
経済のグローバル化の中で世界展開と日本市場展開を区別した企業論理が必要であった。
(4)異常な円高で輸出は打撃をまともに受けて、初めて生産拠点を海外に移しての対抗策を打ち出しているが、広汎な経済のグローバル化に比較してすでに遅い対応であった。しかも生産拠点の海外化で今度は国内産業の「空洞化」が指摘されて相反する経済行動で準備不足はあきらかだ。
広汎な経済のグローバル化に効果的に対応する組織、理念改革が必要だ。世界市場ほど日本国内市場の動向分析、主導、展開が備わっていない。
(5)TPP交渉参加で国内市場も世界との本格的な競争、競合時代を迎える。企業の技術開発力、生産販売力、社会貢献力、社員力、規律、倫理、思想が本当に問われる。しかし、本来日本経済、企業の誇る体質、資質でもある。
企業は自己利益追究が本質ではあるが、相手となる社会(市場)、国民の信頼、共感は不可欠要素だ。今は企業の技術開発力、近代化促進による国民生活向上という一方的な利益搾(さく)取の方向性が企業倫理であり、これでは一旦不況社会になれば一方的にこの企業倫理は社会、国民から拒絶されてしまうばかりだ。
(6)社会、国民の立場に置く軸足を強化、尊重しなければ、最後は国民が守る企業(nation defend the enterprise)としての成長は考えられない。それができていない。
外的要因の外国為替相場なんかに一喜一憂する前に本当にすることがある。