明けましておめでとうございます。今年も細々と拙ブログを更新してまいります所存です。拙ブログの記述に誤りや情報などお気づきの点がございましたら、忌憚なくご指摘いただけますとなお一層ありがたく存じますので、今年もなにとぞよろしくお願いいたします
さて、2019年一発目は、昨年最後に掲載した一連の記事を少し引き摺ります。ワタシは、「ピンボールのアートワークの話(2):ポインティ・ピープルを描いた二人のアーティスト」において、「ゴットリーブと言うメーカーの(WilliamsとBallyの両社に対する)独自性をワタシに意識させた」と述べましたが、Gottliebには「ポインティ・ピープル」を採用しなかったということ以外にもう一つ、独自性を感じるポイントがあります。今回はそれについて述べます。
フリッパー・ピンボール機のプレイフィールドには、ボールを弾き飛ばすキノコ型をしたバンパーが付き物です。この機構は一般的には「ポップ・バンパー(Pop Bumper)」と呼ばれますが、本来はメーカーによって異なり、Gottliebは「ポップ・バンパー(Pop Bumper)」、Ballyでは「サンパー・バンパー(Thumper Bumper)」、そしてWilliamsでは「ジェット・バンパー(Jet Bumper)」(当初はBallyと同じく「サンパー・バンパー」と呼んでいた)と呼ぶのが正確なんだそうです。今回は面倒なので「ポップ・バンパー」に統一することにします。
このポップ・バンパーの上部の傘の部分を「キャップ(Cap)」と言って、いろいろなデザインがありますが、特に「スター・バースト(Star Burst)」と呼ばれるデザインは、ピンボールを意味する図象として広く認識されているように思われます。
スター・バーストデザインのポップバンパーのキャップ(チェリーの絵には特に意味はありません)。
このスター・バーストデザインのキャップは、BallyやWilliams、Chicago Coin、はてはなぜか日本のメーカーであるSEGAまでも使用していましたが、Gottliebだけは独自のデザインを使用し続けていました。
ポップバンパーの実際の使用例。
「Big Valley (Bally, 1970)」
「Suspense (Wiiliams, 1969)」
「Big Flipper (Chicago Coin, 1970)」
「Winner (SEGA, 1971)」
最後に「Mibs (Gottlieb, 1969)」
スター・バーストのキャップの部品が各社同じものなのかどうか、そこまではわかりません。しかし、ここまで見た目を統一しなくてもよさそうなものだと思います。現にGottliebは違うデザインで何の支障もなかったわけですし。何にしろ、それが良い事だったかそうでなかったかはともかくとして、この事実は、Gottliebは他社と一線を画するメーカーであるという印象をワタシに植え付ける原因の一つになりました。
なお、Williamsは、1973年代の半ばころから、新しいデザインのキャップを数種類用いるようになりました。Williamsにおけるスター・バーストデザインのキャップは、1974年にはまだ確認できますが、1975年以降の機種では、ワタシは発見できていません。
とまあ、今年もこんな調子でオールドゲームなどのどうでもいい話をぐずぐずと述べて参ろうと思いますので、多少なりともご興味が通じる方がいらっしゃいましたら、ご笑覧いただければ幸いです。
さて、2019年一発目は、昨年最後に掲載した一連の記事を少し引き摺ります。ワタシは、「ピンボールのアートワークの話(2):ポインティ・ピープルを描いた二人のアーティスト」において、「ゴットリーブと言うメーカーの(WilliamsとBallyの両社に対する)独自性をワタシに意識させた」と述べましたが、Gottliebには「ポインティ・ピープル」を採用しなかったということ以外にもう一つ、独自性を感じるポイントがあります。今回はそれについて述べます。
フリッパー・ピンボール機のプレイフィールドには、ボールを弾き飛ばすキノコ型をしたバンパーが付き物です。この機構は一般的には「ポップ・バンパー(Pop Bumper)」と呼ばれますが、本来はメーカーによって異なり、Gottliebは「ポップ・バンパー(Pop Bumper)」、Ballyでは「サンパー・バンパー(Thumper Bumper)」、そしてWilliamsでは「ジェット・バンパー(Jet Bumper)」(当初はBallyと同じく「サンパー・バンパー」と呼んでいた)と呼ぶのが正確なんだそうです。今回は面倒なので「ポップ・バンパー」に統一することにします。
このポップ・バンパーの上部の傘の部分を「キャップ(Cap)」と言って、いろいろなデザインがありますが、特に「スター・バースト(Star Burst)」と呼ばれるデザインは、ピンボールを意味する図象として広く認識されているように思われます。
スター・バーストデザインのポップバンパーのキャップ(チェリーの絵には特に意味はありません)。
このスター・バーストデザインのキャップは、BallyやWilliams、Chicago Coin、はてはなぜか日本のメーカーであるSEGAまでも使用していましたが、Gottliebだけは独自のデザインを使用し続けていました。
ポップバンパーの実際の使用例。
「Big Valley (Bally, 1970)」
「Suspense (Wiiliams, 1969)」
「Big Flipper (Chicago Coin, 1970)」
「Winner (SEGA, 1971)」
最後に「Mibs (Gottlieb, 1969)」
スター・バーストのキャップの部品が各社同じものなのかどうか、そこまではわかりません。しかし、ここまで見た目を統一しなくてもよさそうなものだと思います。現にGottliebは違うデザインで何の支障もなかったわけですし。何にしろ、それが良い事だったかそうでなかったかはともかくとして、この事実は、Gottliebは他社と一線を画するメーカーであるという印象をワタシに植え付ける原因の一つになりました。
なお、Williamsは、1973年代の半ばころから、新しいデザインのキャップを数種類用いるようになりました。Williamsにおけるスター・バーストデザインのキャップは、1974年にはまだ確認できますが、1975年以降の機種では、ワタシは発見できていません。
とまあ、今年もこんな調子でオールドゲームなどのどうでもいい話をぐずぐずと述べて参ろうと思いますので、多少なりともご興味が通じる方がいらっしゃいましたら、ご笑覧いただければ幸いです。
私が当時子供の頃は、何故かWilliamsのほうが若干反発が弱かったような記憶があります。(不思議)
Gottliebはスッキリデザインでball反発も良かった記憶があります。
共にEMモデル時代の記憶ですが…
今年もコメント欄汚しをお許し下さいませ。
おっしゃる通り、BallyとWilliams、さらにはChicago Coinのキャップは、ネジ位置まで同じなのです。SEGAのキャップにはネジが見えず、どうもスターバーストだけ真似たように見受けられますが、どうしてそんなことをしたのか、興味深い謎です。
「スターバースト」とは、中心から線が放射状に広がるデザイン全般を指すらしいので、Gottliebのデザインも広い意味ではスターバーストの一種と言えるのかもしれません。しかし、鍔の部分の上面が平坦な円盤で、ダイヤモンドカットのような凹凸のある他社のキャップと比較して、装飾性は乏しいですね。
ポップバンパーのキャップについてですが、IPDBで調べると各社共に1965年ぐらいまでレトロなキャップ(外周が1色で縁がギザギザしている)なのですが、その後このページ写真にある様な外周が丸くてスターバーストを強調したものに変わっています。その時はGottliebも他社と同じスターバーストデザインなのですが、"Surf Side"(1967/11)からこのページ写真のデザインに変わっている様です。
SEGAがピンボールに参画した時(1971)、なぜ当時のGottlieb以外のメーカーのキャップデザインを真似たのでしょうか。構造と動きが全然違うのだから変わったデザインでも良かったはずです。もしかすると、プレイヤーに違和感を与えないために見た目だけは同じ様にしておこうと考えたのかもしれません。
それでは。
外周ギザギザキャップは、2011年にリリースされた「Whoa Nellie!」で複製されていますが、そのリメイク(2015)と、スキン替えの「Pabst Can Crusher」(2016)と「Primus」(2018)では、デザインを少し変え、キャップを留めるネジの位置も上下から左右に変わってしまいました。
やはり中心を持つ放射状デザインは受容され易いのでしょうか。最近はスターバーストを全く無視したデザインや変形キャップも多いですが、オールドファンには慣れないと違和感を感じます。
さて"Whoa Nellie!"(2011)を見てみました。教えて頂いてありがとうございます。せっかくレトロなキャップを使ったのに盤面のごちゃごちゃしたアートと全然合っていない所が残念で、スターバーストのキャップを使った方が良かったのではないかと思いました。さらにそれ以降のバージョンのキャップはデイジーのイメージを残そうとして変テコになってしまった感じがしました。
2011年の「Whoa Nellie!」には、1965年以前のピンボールのように、ボールのローディングを手動で行うロッドが付いていますね。デイジー、4桁得点、2インチフリッパーと、よほどレトロピンボールを復元したかったと察せられます。
ただ、2010年に「Retro Pinball」と言う会社が、1967年にゴットリーブが売り出した「King of Diamond」をリプロダクトしましたが、あまり売れず、会社もなくなってしまいました。やはりいくらかは現代風の複雑さがないとなかなか難しいのかもしれません。