オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

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前回記事「謎のピンボール『Fathom (Bally, 1981)』」の後日談

2023年02月05日 21時14分32秒 | ピンボール・メカ

前回の記事「謎のピンボール『Fathom (Bally, 1981)』」で、「Fathomなんて記憶にない」、「ひょっとすると日本には輸入されていないのかも」などと述べたところ、二名の方より「日本にもあった」と教えていただきました。どうもありがとうございました。そしてお二人のお話では、設置されていたのは片や大阪のナムコランド、片や東京のプレイシティキャロットと、どちらもナムコのロケだった点で一致していました。

海外製品のディストリビューターを兼ねる大手メーカーがオペレートするロケでは、設置する機械の大部分を自社で取り扱う製品で固めるのが通例です。ワタシに見た覚えがなかったのは、Fathomはナムコがディストリビュートしており、セガやタイトーは自社ロケに導入しなかったからなのかなあと思うことで納得しておこうと思います。

なお、IPDBによれば「Fathom」がリリースされたのは81年8月とのことなので、1981年のAMショウ(81年10月開催)以降82年8月までに製造、販売、発表された機種を収録している「遊戯機械総合年鑑’82」に掲載されていてもおかしくはないものです。

遊戯機械総合年鑑’82のピンボールのページ。この中に「Fathom」はない。

折からのビデオゲームブームの影響か、遊戯機械総合年鑑’82には、ピンボールはわずか2ページ、8機種しか収録されていません。そしてワタシはこれら8種のピンボール機を(当然ながら)すべてどこかで見た覚えがあるというのに、よりによって「Fathom」だけがワタシの意識から避け続けていたのは、まったく狐につままれた思いです。

ところで、前回の記事で掲載した画像はCaitlynが送ってくれたものですが、多くの人が写っていたので「Fathom」の部分のみ切り取っていました。しかしその後Caitlynから、こちらならブログに掲載しても構わないとして、人が写っていない現場の画像を送ってくださいました。

Caitlynから送られてきた画像その1。左から「Flicker (Bally, 1975)」、「Card Whiz (Gottlieb, 1976)」、「Solar Ride (Gottlieb, 1979)、「Bobby Orr Power Play (Bally, 1978)」、そして「Fathom (Bally, 1981)。

Caitlynから送られてきた画像その2。左から「Dixieland (Bally, 1968)」、「Icarus (Recel, 1977)」、「Fathom (Bally, 1981)」、「Quicksilver (Stern, 1980)」、「Eight Ball De Lux (Bally, 1981?)」

ワタシはランプレーンや多階層を多用する機種よりも平面的なフィールドを好むので、ここにある機種はどれも大変魅力的に見えます。そして、よりによってワタシが知らなかった「Fathom」が2台もある意味が不明ですが、ここでプレイができるCaitlynが大変羨ましいです。


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4 コメント

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Unknown (tom)
2023-02-06 10:18:21
このような発見があり、共有出来るのは素晴らしい事だと思います。

隠れているゲーム業界史を探求されているnazoxさんに、改めて敬意を表します。
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Unknown (nazox2016)
2023-02-07 22:05:19
恐れ入ります。というか、Fathomでは情報をいただきありがとうございました。知らないことを教えていただけて、本当にありがたいです。こういうこともあるので、このブログをやっていてよかったと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
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Unknown (EM好きおじさん)
2023-02-09 19:17:35
nazox2016様、こんばんは。

仲間とプライベートな場所でピンボール(10台も置いてある)を楽しめるなんてうらやましい限りですね。

どうしても私はEM機に目が行ってしまいますが、まずは"Dixieland"(Bally,1968)です。ボールがアウトレーンへ直行するドロップレーンが左右にあって泣かされる事も多かったのですが、ゲームとしては面白かったです。"4 Queens"(Bally,1970)の登場まではジッパーフリッパー中で一番好きなピンボールでした。

次は"Flicker"(Bally,1975)です。ボーナス増加狙い型と呼べば良いのでしょうか、ボーナスがある所まで積み上がるとエキストラボールやスペシャルのターゲットが点灯するというものでした。しかし、同じBallyのボーナス増加狙い型では"Big Show"や"Sky Kings"(どちらも1974)の方が好きでした。

そして"Card Whiz"(Gottlieb,1976)はGottliebお得意のドロップターゲットをずらっと並べた機種ですが、見た記憶はあるのにプレイした記憶がありません。あまり面白くなかったのだと思います。

最後の"Icarus"(Recel,1977)ですがIPDBで調べるとスペインのメーカーですね。写真を見るとGottlieb製に雰囲気が似ています。昔リール式得点表示で下2桁が00固定のピンボールを見て「インフレ表示が進んだな」と思った記憶があるので、この機種だったのかと一瞬考えましたがフィールドが違う様です。何だったのかな。

それでは。
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Unknown (nazox2016)
2023-02-12 20:38:57
フリッパーが2インチだった時代のBallyの機械は、やたらと両サイドのアウトレーンに落ちやすいものが多いとの印象がありました。4 Qeensもそのうちの一つで、あまり遊んだことはないのですが、今そのようなお話を聞くと、もっとやっておけばよかったと思います。

FlickerやBig Showは喜んでやっていました。2インチフリッパー時代の先入観から、実はBallyは内心嫌っていたはずなのに、3インチフリッパーが主流になってから70年台半ばころまで、Ballyの機械はハズレが少なかったですね。

スペインのメーカーと言うと、SONIC(SEGASA)やPLAYMTICの機械は1970年代半ば以降からちょいちょい見かけましたが、RECELは珍しかったと思います。ワタシも「ICALUS」はどこかで見た気がする程度の不確かな記憶しかありません。
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