オールドゲーマーの、アーケードゲームとその周辺の記憶

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1977~8年のデータイースト

2024年08月11日 19時51分17秒 | メーカー・関連企業

ワタシの手元に、データイーストの古い総合カタログがあります。頒布時期は定かではありませんが、掲載されている機種から、早ければ1977年の後半、遅くとも1978年の前半であろうと推察できます。総合カタログは横に三等分して折りたたまれた全6ページの構成になっています。

おそらくデータイーストが1977年後半から1978年に頒布したと思われる総合カタログ。上が表紙側、下が内側。横に三等分した左右を内側に折りこみ、全6ページとなっている。

表紙側はとりあえず措いて、内側を1ページずつ詳しく見ていきます。なお、推奨サイズでなるべく大きく表示するために各ページは上下に二分割しています。

内側の3ページのうち、左のページ。

筆頭に掲載されている機種はメダルゲームの「ジャックロット」で、業界紙「ゲームマシン」1977年7月1日号の「話題のマシン」で紹介されています。ただ、このゲームはその半年余りも前の1977年1月にジャトレが売り出した「TV21」と酷似しており、一時紛糾しかけていたように見受けられる曰く付きの機種でした(関連記事:【訂正・追加等】メダルゲーム ジャトレ「TV21」の開発元が判明!)。

「ジャックロット」の下には、アップライト筐体の「バルーン」と「バルーンミニ」が掲載されています。ゲーム内容は米国Exidy社の「Circus」のコピーと言えるものでした。

「ジャックロット」の右に見えるテーブル筐体は、次ページに続く説明では「R-D型(2in1)」とあり、「ボウリングゲーム」と、爆雷を発射して潜水艦を沈めるゲームの2種類が遊べるとのことです。この「ボウリングゲーム」は、前述「バルーン」同様Exidy社の「ROBOT BOWL」、「潜水艦を沈めるゲーム」はやはりExidy社の「Depth Charge」のコピーと思われます。ただ、「ROBOT BOWL」の発売年は1977年ですが、「Depth Charge」の発売年は1978年で、この総合カタログの頒布年を1977年と言いきれない理由のひとつとなっています。

内側の3ページのうち、中央のページ。

横に3ページ続く中央のページには、「S-G型(2in1)」と「S-B型(2in1)」、それに「スーパーブレイク」の3種のテーブル筐体が掲載されています。

「S-G型(2in1)」は「スーパーブレイクII」(スーパーブレイクのバリエーション)と「ジプシージャグラー」の2種類が、「S-B型(2in1)」では「スーパーブレイクII」と「バルーンサーカスゲーム」の2種類のゲームが遊べるとあります。「S-G型」に見える「ジプシージャグラー」は米国Meadows games社が1978年に発表したビデオゲーム(関連記事:それはポンから始まったのだけれども(3) スペースインベーダー(1978)以前のヒットゲーム)、「バルーンサーカス」は前出「バルーン」の同工異曲で、モニターを縦に置いているところが従来の風船割ゲームとは異なりました。

内側の3ページのうちの3ページ目。

最後の右ページには「バルーンサーカス」と「スーパーブレイクII」の2機種が掲載されています。この総合カタログが頒布された時期はテーブル筐体が急速に普及し始めた時期で、掲載内容もテーブル筐体が主流となっています。ただ、この頃は「筐体の使い回し」は行われても、まだ「汎用筐体」の概念は発生しておらず、ゲームは筐体売りが当たり前でした。

データイーストは、「野村電気」からスピンオフした福田哲夫氏によって1976年に設立されましたが、当初はここに見られるようにコピーばかりで、真にオリジナルと呼べる製品が出るのは「アストロファイター」が発売される1980年以降です(関連記事:「野村電機」と「データイースト」の謎)。その後数々のヒット作を開発して発展を重ね、ビデオゲームばかりでなく世界のピンボール界にも名を残しましたが、残念ながら現存しないことは皆さんもご存じのとおりです。


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