水車ボランティア(+山家鳥虫歌)

ボランティア解説員としての見聞から始めた、ボケ防止メモ。12年目。新たに「山家鳥虫歌(近世諸国民謡集)」を加える。
 

古今集(43)

2014-12-16 09:29:03 | 古今和歌集
166 夏のよはまたよひながら明けぬるを 雲のいつこに月やとるらん

月のおもしろかりける夜 暁かたによめる

ふかやぶ


夏の夜っていうのは明るくなるのが早いものです。お月様が雲の影にでも入って一休みするヒマもないようです。


清原深養父:生没年不明。中級官僚。清少納言の祖父、もしくは曾祖父かも。古今集に17首採録。上は百人一首に採録されているもの。


気に入った歌を2首挙げる。

378 雲いにもかよふ心のおくれねば わかると人の見ゆばかりなり
あひ知りて侍りける人の、東の方へまかりけるを送るとてよめる

人様は「お別れね~」なんて私を見ておられるのでしょうが、(私はあなたに)どんなに遠くであっても、私の気持ちをおくることにしています。
不安を抱えて赴任する友人に対する温かい気持ちが込められているいい歌、と思います。

967 光なき谷には春もよそなれば 咲きてとくちるもの思ひもなし
時なりける人の、にはかに時なくなりて嘆くを見て、みづからの、嘆きもなく、喜びもなきことを思ひてよめる

日の光が差し込まない谷底では、春といったって別世界のことです。そこでは花は咲いたら、感慨にひたるまもなく散ってしまうのですから。

一昨日の選挙結果により、一党独裁が強められた。どうか、勝者は「実った稲穂」を貫いてほしい。

「判官びいき」という言葉があるが、どうしても敗者に目がいってしまう。
この深養父の歌のように、世の中、大部分の人は、光を浴びることなく人生を終えるのです。
一度いい目をみたら、それでよし、とする人生だって充分ではないですか。

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